軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第305話

認識阻害の魔導具のコアに出来そうな石なの…か? レインボー・ガーネットだけに光学迷彩的なって事なの? 空間魔法系で空を自由に飛べる石ではなかった模様。それはイメージ=青い石か…。

「今日はこの後予定はあるのか? 明日は? 炭焼きやってる時期なら目ぼしい授業は無いハズだよな?」

「あ、はい。でも学園の方はちゃんとチェックしてない……あ、ラルフロ=レーンさん、魔導具の植物標本って分かります?」

「【クリスタル標本】の事か? あれはそこそこ値段は高いけど誰でも買えるぞ。…って話をそこに逸らすのかよ」

「誰でも買えるんですか? 学術用とかではないんですか?」

「あれは商品見本に使ったりもするからな。種イモの植え付け見本とかも入れたりするぞ」

リアルカタログ!! 研究者でなくても購入可能なのは嬉しいな。

「そうなんですね。何処で買えますか?」

「あれは学園に発注するか錬金術ギルドに発注すれば買える。魔導具協会でもいいけどな。マージンを取られてもいいんなら商業ギルドだ。農作物の見本用に使うんなら農業ギルドに言ったほうがいい」

「本当に普通に買えるんですね」

「保存する植物で若干仕様が変わるからな。薄っぺらい薬草を標本にするクリスタルに【食用マンドラゴラ】は入れられねぇだろ?」

「逆はいけそうですけどね」

「いや、逆も面倒くさいぞ」

ムキュウ

大は小を兼ねないのか。そして植物の話にアンディーが反応してるのが何とも。

「おお、アンディーちゃんが石の話はまだなの? って言ってるぜ」

キュウ キュウ

「ボク、今日は夕方にパイク=ラックさんにお願いしたアンディーの 巣箱(ケージ) を受け取りに行くのと、アンディー用のトイレを買いに行かないといけないんです」

「それは大事なやつだな。俺はカーバンクルの使うトイレから採れる【赤スライムの死核】が気になるねぇ…」

「それはボクも気になってますよ」

「リンド=バーグを呼んでくる。今日は嫁さんが家に居ないハズだろ? 呼べば直ぐ来るだろ」

「やけにリンド=バーグさん事情に詳しいんですね」

「いや、炭焼きの実習中なら大抵の冒険者はサポートで呼ばれてたりするだろ?」

そうだった…。別につるんでる訳ではなかった。俺はラルフロ=レーンさんの工房に残されたので仕方なく少し待っていたらラルフロ=レーンさんに連れられたリンド=バーグさんが姿を現した。

「ミーシャがまた何かしたのか?」

「してな…」 「したした」

ムキュウ

「ミーシャ、その背中の暖かそうな座布団は一体…?」

ムキュウ キュウ

「この件で呼んだ」

「まさかレアなカーバンクルを見ることが出来るとは思わなかった」

「リンド=バーグさんはカーバンクルを見たことがあるんですか?」

「昔、アリサと森の中をデート中にな。あれは普通のやつだったな」

「テイムはしなかったのか」

「勝手に転がっていったぞ」

転がるカーバンクルに苔は着かない。

そうか、通常カーバンクルには苔が着かないと思われているからナマケモノタイプのカーバンクルの苔が落とされたんだ。動かないカーバンクルには苔が着く。

「それでアンディー、ミーシャのテイムしているカーバンクルなんだけどな、こいつの石が こ(・) れ(・) だ」

「これは…また珍しいタイプの カーバンクル石(カーバンクライト) だな」

「だろ? ミーシャがアンディーから貰っただけの原石だがな、これは磨いたら恐らく認識阻害系の魔導具のコアに出来るやつだ」

「それはまた凄いな。ラルフロ=レーンが何か作るのか?」

「いや、どうせなら武器に着けたいって思わねぇか?」

「………、そうくるか?」

キュッキュッ

武器に着ける話を聞かされた瞬間、リンド=バーグさんの目付きが変わった。そう言えばリンド=バーグさんって特殊な宝石類を魔導具に使うみたいに武器にも着けてみたいから学園の聴講生になったんだっけ。

「剣の柄頭にオシャレな石とか着けたりすんだろ?」

「見栄えのするだけの石ならな。防具はともかく武器にはあまり着けたりしない」

「火を噴いたりする剣の説明は?」

「あれは剣に魔法陣を刻んでそこにエネルギーを流す魔石を装着してるだけだぞ。俺もそれ用の剣は打つけどな、形になったらそこから先は魔導具師の管轄だ。そもそも武器というのは、切る、刺す、叩くものだろ? それに加えてそれなりの耐久度を有しているのが良い武器だ。火を噴いたり風を起こしたりする武器は鍛冶師からしたら魔導具の範疇だ」

「魔法剣士は?」

「あれは魔力を通りやすくした武器に使用者が自前の魔力を使用しているだけだ」

「防具は?」

「防具は追加装甲の扱いでいいからな。常時発動系の補助を追加するのはそこまで難しくない。それに防具は火を吹かないだろ?」

「あー、確かに耐火の修正が入った鎧の話は聞くが、火を吹く鎧の話は聞いた事がねぇわな」

「トカゲの人が冷えない鎧が欲しいっていうので、保温修正の入った金属鎧は作った事はあるぞ。それで、暖かい剣を作るかどうかは聞いてみたが先方に拒否されたな」

「つまりだ、結局のところは武器に認識阻害の石を着けたとしても、発動させるには使用者の魔力に依存する…と」

「ドワーフだと今一つ魔力量に不安があるからな。見えない斧とかアリサは面白がりそうだが。一発芸にしかならんだろうがな」

「使うならヒト族かエルフか…、あと思い付くのは竜人族くらいか?」

「そこまでして売りたい相手でもないしな……あ、一人使わせてみたい相手がいる」

「いるのかよ」

「ああ。古代エルフのオロール=ダフネ=オベール女史。職校の非常勤講師でミーシャが習っている刺し子の指導員だ。そして俺にトマホークの製作依頼をしてきた相手だ」

まさかのオロール先生のトマホーク!! 見えないトマホークを首筋に当てられたり、見えないトマホークが飛んでくるのって凶悪すぎるぞ。