軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第290話

月一無料の【スキルオーブ】を忘れてましたよ。これ、月末に確認するのがいいのか月初めに確認するのがいいのか…。そんなに価格の高い魔道具ではないのでその気になれば毎週チェックしてもいいのだけれど、特にスキルが増えてる訳でものないのに頻繁にチェックする自意識過剰なんて言われたくないしなぁ……。先月のチェックの時に『???』って出ていたスキルが判明してたらいいなぁ。勿論、新スキルも絶賛ウェルカムです。

あっ…、今日はもう職校に戻らないじゃないか。俺、涙目。まぁスキルは逃げないので明日にでも。炭焼き前に受け取って使おう。

という訳で薬草学の授業に参加する。ぶっちゃけよく分かりません。教科書も無かったしな。手配が間に合わなかったので後日渡される事になっている。ので、仕方なく板書だ。

「で、この【ハッカー草】を使うと氷冷の魔法の触媒が作れる。対魔獣用の攻撃魔法や魔導具として使うのなら特に問題はないが、人体や使役魔獣に使うとだ、最初の数回は問題ないが何度か魔法効果を受けているうちに耐性がつくんだ。そしてある日いきなり、被弾した時に 反転火傷(リバース・バーン) 症状が出る様になる。氷冷魔法なのに火魔法を受けた時と同じ様な火傷を負うから気を付けるように。通常の氷冷魔法を受けた時の凍傷とも違うダメージなので回復魔法や回復薬を使うときは注意が必要だ。この 反転火傷(リバース・バーン) の様に本来と異なる作用が出てしまう事をハッキングという。」

俺の薬草学、いきなり怖い話から始まるんだけど…。

「そして【ハッカー草】は食用可だ。採取した時は食べてみれば面白いぞ。ただし、食後一日間は氷魔法及び冷却効果のある魔法の使用は禁止だ。これが【ハッカー草】だ。そこの標本台に一式置いておくので各自観察しておくように」

そういうと薬草学の講師が教卓脇にある標本台と呼んだテーブルに草の挟まったパネルを置いた。ちょっと何あれ。透明なガラス状の板に挟まれた薬草なんだけど。三枚あるけど全部【ハッカー草】? そしてあれってリアル薬草なのか? 学生がゾロゾロと標本台に向かう。授業中に見に行っていいんだな。俺も流れに乗って【ハッカー草】を見に行った。前の方では先輩達が観察しているので少し後ろからチラ見しがら鑑定をかける。

(簡易)【ハッカー草】: 前世のハッカ。氷冷・氷結魔法の触媒の材料。

(鑑定)【ハッカー草】: 前世のハッカ。【 薄荷(メンタ) 】は別種なので注意。氷冷・氷結魔法の触媒の材料として使われる。この触媒を使った氷魔法及び魔道具は対人兵器としての使用は有事を除き制限されている。食用可だが食後は氷魔法及び冷却系統の魔法は最低でも一日置いてから使うこと。使用部位は葉。

これ、ハッカなんだ。【 薄荷(メンタ) 】が別物とか紛らわしいぞ。まさかミントっぽい名前の薬草も有るんじゃないだろうな。そう言えばハッカって前世で入浴剤で使う人がいたな。夏場にお風呂のお湯に数敵垂らすとスーッとするんだっけ? 入れすぎると逆に湯上がり時に火照るとか聞いた気もする。それで 反転火傷(リバース・バーン) って事なのかな。複数ある標本は全草のものと花や種などその他特徴的な部位の標本なんだ。それより、標本を挟んでいるガラス板が気になります。うん、鑑定だな。

(簡易)【魔導クリスタル標本】: 魔導ガラスを利用して作られた植物標本。

(鑑定)【魔導クリスタル標本】: 魔導ガラスを使った植物標本。特殊形状の魔導ガラス二枚で植物を挟み、標本液を充填することにより新鮮なまま植物を標本化しておける魔道具。

凄っっ!! これ、ドライフラワーの標本じゃないんだ。ヤバい、このクリスタル標本のガラスが欲しいなぁ…。 木賊(とくさ) を収めてインテリアとして部屋に飾りたい。

「先生、【 薄荷(メンタ) 】と【ミンティー類】との相関性を教えてください」

「まずは【 薄荷(メンタ) 】だな。【 薄荷(メンタ) 】は殺虫剤として使うことが出来る。 人(ドワーフ) によっては嗅ぐとクシャミがでたりするな。食べられなくはないが食用扱いにはされていない。殺虫剤は薬種調合の実習で作るので楽しみにしているように。【ハッカー草】の触媒は作らないから安心してくれ。作りたい奴は進路選考で錬金術の方に進む事だな」

「【 薄荷(メンタ) 】には副作用やハッキングは起きないんですか?」

「報告はされていない」

「標本は有りますか?」

「標本庫にあるから閲覧希望者は前日までに図書室管理者に申請しておく様に。学園で所有している植物標本一覧は図書室に置いてあるので時間に余裕のある時に一度目を通しておくといいぞ」

これはいい情報を得たぞ。一回実物を見ないことには鑑定さんが仕事してくれないからな。カレーの材料になるスパイス類の標本が見たい。

「次に【ミンティー類】だが、これはとにかく種類が多い。まぁそのせいで “ 類 ” と纏められてしまっている訳なんだが…。基本的に【ミンティー類】は食用種だ。そのまま生食すると胃にきたりするので量を食べない方がいいな。基本はお茶にして楽しむ。生葉でも乾燥葉でもどちらも使える。何故か猫が マ(・) ー(・) キ(・) ン(・) グ(・) していくのでそこは注意する様に。利用前には『浄化』を欠かさない事だ。猫の人や虎の人といった猫系獣人は【ミンティー類】が苦手なのでそこも注意だな」

「他に注意事項はありますか?」

「あ……、有った。風呂に入れる時は注意だ。夏場はヒンヤリするから気分は上がるが、出た後に身体が火照る。 反転火傷(リバース・バーン) の疑似体験が出来るな」

そうか、チョコミントは これ(ミンティー) を使えば作れるんだ。チョコ無いけど……。