軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第238話

(共)「支部長、カーン兄いやカーン=エーツはまだ帰ってきてないですよね?」

(共)「まだだな。兎の人に交渉しに行っているから、移動に時間を取られているのだろう。ミーシャ=ニイトラックバーグ、君の発案した案件の業務だよ」

(共)「えっ!? 昨日の今日ですよね?」

(共)「商業ギルドでGOサインを出すために兎の人に是非の確認を取りに行かせた。時期が時期だけに許可が出たら直ぐにでも試作が開始される。なにせ今が売り出し時、注がれたエールは直ぐ飲まねば、だ。尤も、君が目立つ様にはしていないから安心してくれたまえ」

そうか、又やらかしたか……な目で皆に見られてるのがなぁ。

(共)「ボク、オロール先生が『ブルー=フォレスト』に行っている間は学園の寮に泊まろうと思ってるんです。それこそ明日辺りから向こうに行こうかな…って」

(共)「ミーシャ、ダメだ」

(共)「えっ?」

(共)「行くなら私が出発してからにしてくれ。でないと誰に夕飯時にエールを飲ませてもらえばいいんだい?」

真顔で懇願するオロール先生……。さっき【 運魔(ウマ) 】の手配とか言ってたけど飲んで乗ってもいいの???

商業ギルドに預けっぱなしだった塩引き【サモン】の頭をオロール先生に渡した。受付の 人(ドワーフ) の顔が微妙に引きつっていた様に見えたけど気のせいだよね? オロール先生は勝手に次元収納に仕舞うだろうから管理に関しては気にしなくていいのがよい。早く俺も誤魔化すための収納スキルを覚えないとなぁ…。そしてオロール先生とそのまま一緒に職校の学生寮に戻ることに。今ならまだ夕飯の時間に間に合うから早く戻ろうとせっつかれたんだよ。

(共)「ミーシャの手料理もいいけど職校のエールも捨てがたいよ。暫くこれが飲めなくなるのが残念だねぇ…」

それは単にタダで飲む酒が美味しいだけだと思います。

明日は一人のんびりやりたいことがある。前に『地底 娘(こ) 』の皆と採取に行った時に見つけた大豆の原種【 蔓野豆(ツルノマメ) 】を発芽させる準備をするんだ。育ててみたいのは勿論だけど、モヤシになるのか確認したい。発芽と言えば 草樹(くさき) 魔法の『発芽』、『発根』、『 如雨露(じょうろ) 』、『促成栽培』は覚えないとな。ポニー達に新鮮な餌をあげたいときに使えるし、個人的にアルファルファや豆苗が食べたくなったらサッと準備できる。『発芽』の取得にはエール用特殊加工済みの調整大麦を使うのが一般的らしい。直ぐに麦芽を得たいドワーフ達は発芽までかかる時間というか日数を時短処理する技術を取得していた。その処理が施された調整大麦を『発芽』の取得練習に使うのだ。調整大麦を手に入れにくい種族でも『発芽』取得のために普通の大麦を使っているという。種粒が大きすぎても小さすぎても魔法のコントロールが難しい模様。完全習得までは大麦で練習しようかな…。いや、悩んでいても仕方ない。分からないなら学園に行って調べればいいじゃないか。図書館で調べて、それでも分からなければ講師に質問に行けばいいだけだ。しかしドワーフ、毎回思うが酒のためには謎の技術の取得をする努力が半端ないよねぇ。

学園の図書館は年末年始以外は開いている。と言っても自由に閲覧できる時間は午前十時から午後三時まで。試験前なんかだと午前九時から午後四時まで延長される。後、特殊な理由がある場合は時間外の利用申請を出して受理されれば更に延長利用が可能。ただし滅多に許可されない模様。持ち出し禁止の書物を長丁場で閲覧する時なんかが特殊理由に該当するみたいだけど、どれだけ長時間読むんだってね。俺は普通に 草樹(くさき) 魔法の本や栽培作物の本を読むだけです。カレーの為に薬種植物の本も読みたい。薬草一覧は納品の関係上冒険者ギルドにも有るのでチラ見したけど、カレー用って感じじゃなかった。

職校と違って学園は五の日は半日授業で十の日は休校日。休校日は正門には鍵が掛かっているけど通用門からは入れる。ありがとう学生証、これがないと休校日には学園に入れないのだ。学生証やら各ギルド証やら増えてきたから何だか邪魔というか面倒というか。『キーボックス』があるから何とかなるけど、使えない人達って管理が大変だよね。紛失が怖い。

図書館に入る時も学生証でチェックされる。写本禁止書物でなければ自由に写して構わないし、たまに写本のバイトもあるみたいだ。まぁ、写本ゴーレムという写本業務特化のゴーレムもいるから昔ほど人力で写本することはなくなったのだという。ごく稀に手書きでないと駄目な書物があるらしく、まだ写本師の需要はある。本が探せない時は司書ゴーレムに頼めば持ってきてくれるし、返却も司書ゴーレムに渡せばいい。書架の高い所の本も無理して取らなくていいんだって。そして総合管理は妖精さんの役目。ブラウニーやシルキーが湿度や温度を管理してくれる。殆どの本は紙芭蕉に書かれて製本されているので、 樹精(ドライアド) や 芭蕉の精(ムーサー) も住み着いていたりするのだとかなんとか。

草樹(くさき) 魔法について書かれた本と、スパイスと薬草の本を司書ゴーレムの申請盤にインプットする。蔵書リストが表示されるので最大五冊まで希望するタイトルにチェックを入れると書架から席に持ってきてくれる。今回は【 草樹(くさき) 魔法入門】と【香辛料と薬草・入門編】【納品クエストで一攫千金】の三冊を持ってきてもらうことにした。