軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

魚のトマト風味ごった煮を、ブイヤベースと名付ける雅さよ!

イカの丸太焼きも安定の美味しさでしたよ!

ホイルで包んで蒸し焼きにした分、熱の入りがやわらかかったせいかな? 外側はもっちりと、中はトロリとした食感で、バターの甘みと味噌の塩気、肝のコクが否応なしに箸を進ませてしまう代物でした……イカコワイ。イカコワイ。

でも、こうやって自分が作った料理を美味しい美味しいって言って食べてもらうのって、なんかいいなぁ……。

空になったお皿を下げるついでに、小エビと一緒に揚げていたニンニクが良い色だったので、パラリと塩を振って出してみる。

ブイヤベース風スープは……もうちょっとかな?

……それじゃあ、今のうちに焼きエビの様子見てこよう!

「リン……ちゃんと食べてるか?」

「割ともしゃもしゃしてますよ? それに、もう趣味みたいなものなのでお気になさらずですよ!」

……とはいえ、私はもう少し主食が欲しいから、ジャガイモとタマネギでもホイル焼きにしよう。

手早く洗ったジャガイモとタマネギをホイルで包んでいると宴会中に私がちょこまかしているのが心配なのか、ヴィルさんが腰を浮かせてくれた。

私ばっかりにやらせてる……と思わせちゃったんだろうな……申し訳ない……。

立ち上がりかけたヴィルさんを笑顔で制して焚火台へと足を向ける。

せっかく楽しく飲んでるんだから、こういうことは料理好きの肴荒らしに任せておいてくださいな。

熾火っぽくなっている所にジャガイモとタマネギを突っ込んで、伊勢ロブスターと大型車エビをひっくり返してやって……大型車エビはもう少し焼けばいい頃合いだな。

「あ。お鍋、そろそろいいかも!!」

えーと……あとはアレだな……追加食材のハムでも切って、スライスタマネギとトマトでもあればパンに乗せて食べられるかな?

いっそ、分厚く切ってハムステーキみたいにしてもいいかも!!

……なんかなぁ……喜んで食べてくれる人たちがいると、一人だと時々めんどくさくなる料理も楽しくなるよ!

このメニューは喜んでもらえるかなー、って考えながら料理作るの、楽しいねぇ!

「よし! スープもOK! これはもう鍋ごと出そう! 好きな具材を食べればいいんだ!!」

「割り切ったな、リン」

「ふふふ……ちょいと興に乗っておりまして! いろいろ作りたいものがあってしょうがないんですよぅ」

テーブルの真ん中に鍋敷きを敷いて、ドンっと出来上がったお鍋を設置する。火から下ろしてもグツグツ言ってるのが、良いよねぇ。

お玉と、取り皿を……と思ったら、もう既に準備されていた。むむむ……やはり気を使わせてしまったか……。

争うようにお鍋にも手が伸びていくのを眺めつつ、カップに残っていた麦茶を飲み干した。

やる気には満ち満ちてるんだけど、流石にね……体力が、ね……!

「ほら、リン。まずちょっと食って休め」

「あ、すみません、ヴィルさん」

「流石に『料理』はリンの領分だが、取り分けくらいは俺でもできるさ」

エビとホタテとスズキの切り身とスープで満たされた器が、目の前にゴトリと置かれた。トマトと魚介の混じった甘い香りがふわりと鼻先をくすぐっていく。

どうやら、食いしん坊たちに食いつくされないうちに……と、取り分けてくれたらしい。

ちょっと厚めの陶器から、じんわりと熱が指先に伝わってくる。

肩を竦めて笑うヴィルさんに頭を下げて、遠慮なく私も頂くことにいたしますよ!

まだ湯気の出ているところにスプーンを突っ込んで、まずはスープから……。

本場のブイヤベースであればサフランを使うんだけど、流石にあんなお高い高級スパイスは持ってないのよねぇ……。

でも、ソレがなくても魚介の旨味がたっぷりと沁みだしていて、十分に美味しい。

殻ごと入れたエビ出汁とかエビ味噌とかホタテエキスとかがスズキの出汁と混じり合い、トマトの甘みが加わって、さっぱりしているのに物足りなさがまったくない。

さほど煮込んでいないから、魚介が煮縮まっていないのが嬉しいなぁ。

海老の頭をちゅーちゅーと吸ってミソを追いかけるのもいいし、ほろほろと崩れるスズキとシコシコとしたイカを噛みしめるのもいいんだけど……。

貝柱はプリプリ、ヒモの部分がコリコリとした食感の違いが楽しい大ぶりのホタテが、私的に大ヒットだ。

周りを見れば、皆さんの食がめちゃくちゃ進んでいるようだ。ほとんど口も利かずに、夢中でスプーンを動かしている。

うむ。まだまだ鍋にはたっぷりあるので、好きなだけ食べてくださいね!

私も争奪戦に加わりますのでな!!