軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

19話 スキル《アイテムボックス》

俺が今から取得するスキルは《アイテムボックス》だ。

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◯スキル《アイテムボックス》

亜空間にアイテムを保管することの出来るスキル。亜空間には物理法則が存在せず、時間という概念が無いため、入れたアイテムの状態は維持される。

◯取得条件

魔法によって亜空間を作成する。

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《英知》で取得するスキルは本当に有用なものかどうかを考えて取得している。

何故ならあまり強くない、便利ではないスキルを取得するために時間を費やしても実力の向上は少ない。

それなら自己鍛錬をし、魔力枯渇状態になることで魔力の上限を増やした方が良い。

そういった理由から俺はスキルを乱獲しないでいた。

《アイテムボックス》を発見した経緯は《英知》で『魔法』関連で取得出来るスキルを調べていたときに見つけた。

見つけたときは取得するのは、まだ先にしようと考えていた。

何故なら取得条件の亜空間を作成するには、かなりの魔力を要するからだ。

亜空間を作成する方法は《英知》で分かる。

……だが俺の魔力の最大量は決して多いわけではない。

そのため《魔力超回復》を最大限に活用し、今までにないほどの魔力枯渇状態に耐えなければいけない。

その苦しみがどれだけのものかは想像するだけでも悲惨だ。

しかしメリットも大きい。

魔力の上限は大きく伸びることは間違いないし《アイテムボックス》というスキル自体も有用。

それにこれを取得することで魔法の幅も広がる。

だから《アイテムボックス》は取得しておきたい。

そこで今回のように何か関連付けることにした。

《アイテムボックス》を取得しなければいけない状況に自らを追い込むのだ。

ただ、ラルには心配をかけるかもしれない。

俺が今からやろうとしていることは先程と違って、かなりハードなものだからな。

「ラルには一つ謝っておきたいことがあるんだ」

「え、なに?」

「さっきポーションを貰ったのに悪いんだけどさ、これからしばらくの間俺は魔力枯渇状態になる」

「ハァ!? なに考えてるの? 廃人にでもなりたい訳!?」

「大丈夫だ。理性を保つことさえ出来ていれば問題ない」

「……めちゃくちゃ問題ありそうなこと言ってるの自分で分かってる?」

「ハハ、俺は1日に10回は魔力枯渇状態になっているんだぜ? これぐらい屁でもないよ」

これは少し見栄を張ったかもしれない。

今からやる事はかなり大変なことだ。

「……なるほど、リヴェルが既に頭おかしくなっている事は分かったわ……。じゃあとりあえず応援してあげるから頑張りなさいよ」

「ありがとな」

「ええ、私の順応性の高さに感謝しなさい」

「そうだな」

『あるじぃ……むちゃだめ』

心配そうにキュウが話しかけてきた。

『無茶しているつもりはないよ。俺にとってこれは全てただの努力でしかないからね』

『じゃあだいじょぶ?』

『余裕だ。安心していいよ』

『あい』

キュウはラルの方へパタパタと飛んで行った。

ラルは少し驚いていたが、すぐに慣れた。

さて、やるか。

亜空間を作成するには、まず現在の次元とは違う次元を感知しなければいけない。

以前に魔力の波長の変え方を身につけたとき、同時に魔力周波数というものが存在することを知った。

これを特定の周波数に合わせれば……。

──よし、繋がった!

目には見えないが、違う次元への道が繋がった。

感覚でしか分からないため、ラルは気付いていない様子。

『あるじ……すごい……』

キュウは気付いたようだ。

返事をしてあげたいが、残念ながらそこまで余裕はない。

今から集中力を切らさずに魔力を絶え間なく流さなければならないのだから。

別次元への道を繋いだのはスタート地点に過ぎない。

ここから亜空間を作成するには膨大な魔力が必要となるのだ。

魔力を流し始めると、しばらくして魔力枯渇状態に陥った。

「あがっ……」

ラルやキュウが見ているため、あまり心配をかけたくない。

声は最小限に抑えて痛みに耐える。

……よし、魔力枯渇状態になってからが始まりだ。

この亜空間を作成する際は絶え間なく魔力を流さなければいけない。

なので魔力の供給が追いつかなかったり、残りの魔力がゼロになれば失敗となる。

そこで俺が利用するのは《魔力超回復》のある性質だ。

《魔力超回復》は魔力の残量が少なければ少ないほど、魔力の回復量が上昇する。

つまり、残りの魔力がゼロになるギリギリのところで維持していれば、今の俺でも《アイテムボックス》を取得することが出来るのだ。

……と、言葉にするのは簡単だが、実際にやってみるとめちゃくちゃにキツイ。

魔力枯渇状態にも苦しみのレベルがあるみたいだ。

魔力がある一定の残量に達すると、生じる魔力枯渇状態だが、少なければ少ないほどとんでもない痛みになる。

「ガアアアアアアアァァァァッ!!!」

ダメだ。

声を我慢できない。

想像を絶する痛みだ。

ラルやキュウが心配そうにしている。

何を言っているのかは分からない。

辞めてしまいたい気持ちがふつふつと湧き上がってくる。

辞めれば楽になる。

苦しみから解放される。

俺は少し辞めてしまおうかと、魔力の放出を緩めた。

──が、すぐに魔力の放出の勢いを戻した。

諦めようとしたときにアンナの顔が思い浮かんだのだ。

一度諦めれば、俺はそこで終わってしまう。

この先、これ以上の苦しみが待っているだろう。

それなのにこんな所で諦めてたら、世界最強なんて絶対に無理だ。

決めたことは最後までやらなければいけない。

今、俺がここで《アイテムボックス》を取得すると決めたのなら絶対に取得しなければいけない。

……最近、気持ちが緩んでいたのかもな。

良かった。

ここでまた気付けて。

そして1時間が経過したとき、

[スキル《アイテムボックス》を取得しました]