軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

#550 息子の婚約、そして南国の海。

「ずいぶんと手間取ってしまいました」

「やったね、久遠!」

水晶獣を倒した久遠に抱きつこうとアリスが走り出す。しかしそれよりも速く動いた者がいた。

「よくやりました、久遠! さすが私の息子です!」

「あーっ! ユミナ様、それボクの役ーっ!」

地面を転がり汚れた久遠を抱きしめるユミナ。

「息子が大きくなったらできないので、今は母親の特権です」

文句を言うアリスを横目にユミナが勝ち誇ったように言う。これって嫁姑争いの始まりなんだろうか。舅はどうしたらいいですかね?

「思ったほど強くなかったような気がするな。リセ、作る時に手を抜いたか?」

「……少しだけ。久遠が勝てないとアリスが悲しむから」

「あらリセも? 実は私もちょっと……」

「メル様……。それでは儀式の意味が……」

「あら、手を抜いた私たちの水晶獣が程よく融合されたってことはネイも手を抜いたんでしょう?」

「うぐっ……」

横では 息子(くおん) の嫁となることが決まった 娘(アリス) の母親三人がなにやら言い争っている。なんだかんだでやっぱり娘に甘いようだ。

「ぐぬぬ……! とんだ失敗作だったということか……! はっ!? ということはこの儀式は無効────」

「お父さん? もとはと言えばお父さんがゴネるから、仕方なしに久遠は戦ったんだよ? それをまたなんか文句つけるなら、二度と口きかないからね?」

「文句なんかこれっぽっちもないさー……」

死んだ魚のような目をしたエンデが、アリスに完全降伏した。この 父娘(おやこ) コントも見慣れてきたな。

なんにしろこれで久遠とアリスが婚約することになった。

いずれアリスが久遠に嫁入りし、王妃となるのか……やっぱり若干の不安があるな……。いや、息子の嫁としては大歓迎なんだけれども。

そこらへんはユミナたちの手腕に期待するしかないか。最悪、アリスとは反対の、貴族の社交に長けた側妃をもらうってのもアリだしな。

もちろんアリスや久遠の嫌がるような相手を押し付ける気はないけどさ。

まあ、それもこれも未来の話だから、まだずいぶんと先のことだろう。今は二人を祝福するとしようか。

◇ ◇ ◇

無事(?)久遠の婚約者となったアリスは、次の日から淑女教育に追われることになった。

礼儀作法に教養、ダンスに社交術などを、厳しく躾けられることになったのだ。

教えるのは主にユミナであるが、ここにルー、ヒルダ、スゥの王族出身者に加え、ミスミドの外交大使をしていたリーンも外交の交渉術を指導することになった。

いやいや、流石に詰め込み過ぎじゃないのか? アリスが可哀想だろ……と僕は思っていたのだが、驚くべきことに、アリスはスポンジが水を吸収するかのように次々と王妃に必要な知識と技術を自分のものにしていった。

「アリスの順応性の速さは折り紙付きです。一度やる気になったなら必ずやり遂げる子ですから」

久遠が婚約者になったアリスのことをそんなふうに述べる。天才肌ってやつか? そこらへんは 親父(エンデ) に似たのだろうか。

副次効果としてありがたかったのは、アリスに負けじとリンネやステフまでもが淑女教育に前向きになったことか。

「別にあなたたちの性格を変えろと言っているわけではないの。公の場では切り替えなさいというだけ。戦いでも自分の手札をそう簡単に見せたりはしないでしょう? 相手の油断を誘い、隙を窺うために淑女という鎧を纏うのよ」

そんなふうにリーンがたとえると、理解しやすかったのか、リンネとステフもアリスほどではないが、まともなマナーを身につけていった。

子供たちが頑張っているのに父親である僕も頑張らねば示しがつかない。

神器を作るために必要な『神核』を作るため、僕は朝から神気の圧縮に勤しんでいた。

「ぬぐぉぉぉぉ……!」

神気の塊を少しずつ、少しずつ圧縮して小さくしていく。焦ってはいけない。焦って変な力が加わると圧縮した神気が一気に弾け飛んでしまう。

なんとかソフトボールくらいまで圧縮できたのだが、ここからさらに小さくするとか無理なんじゃないの!? と思うほど神気が小さくならない。

ほんの少し小さくするだけでも今までかかった労力の軽く倍は負担がかかる。

今日はここまで! とセーブできたらどれだけいいか。

「あっ」

そんな馬鹿なことを考えていたせいか、神気の玉が弾け、辺りに光の粒を撒き散らした。

はぁ……。また失敗か。これで何度目の失敗だろう。そして同時に襲ってくるものすごい疲労感。フルマラソンを走ってもこれほどの疲れは出ない気がする。

「とーさま!」

「ぐっふう!?」

気力体力を奪われたところに、不意に横からタックルを食らわされた僕は見事に吹っ飛ばされて地面に横倒しになる。僕、今『く』の字にならなかった!?

痛む脇腹にはにっこにこのステフがしがみついている。

「ステフ……【アクセル】を使って飛びつくのはやめなさいと……」

「とーさま! ステフ、うみいきたい!」

「海?」

ズキズキとする脇腹をさすりながら、ステフの言葉を疑問を持って返す僕。

なんだって海に?

「リンネねーさまにきいたの! ステフもざらたんにあいたい!」

「ざらたん? ああ、ザラタンか……」

子供たちと魔竜退治に大樹海へ行ったとき、 集団暴走(スタンピード) に出くわした。その原因となっていたのが眠りから目を覚ました巨大な亀の魔獣ザラタンである。

巨獣のような馬鹿みたいに大きな魔獣だが、あれで巨獣じゃないってんだからとんでもないヤツだった。狩奈姉さんの話ではとてもおとなしい魔獣であるとのことだが、あのサイズでは歩くだけで災害級の被害を生み出してしまうだろう。

「海に行ってもザラタンに会えるとは限らないぞ?」

「クーンねーさまがとーさまなら探せるっていってた!」

ぬう。確かに探せないこともないけども……。さすがに深海とかにいたらどうしようもないぞ? 鯨型オーバーギアのヴァールアルブスを使えば深海も行けなくはないけど、あれはいま邪神の使徒の探索に回しているからできれば使いたくはない。

一応探してみようと世界地図をスマホで空中に投影し、ザラタンを検索してみる。

「けっこういるな……」

世界中を範囲にしてみると、ザラタンはそれなりの数がいるようだった。

といっても三十匹もいない感じだが。いやまあ、あんなのが三十匹もいる段階でかなりのもんだけども。

海にいるやつもいれば陸にいるやつもいるな。陸にいるやつは僕らが出会ったのと同じで、冬眠状態なのだろうか? なにしろ千年単位で冬眠するらしいからな。

陸にいるのは寝ていると見て、海にいても深海じゃどうしようもない。

深海にいるやつは省いてもう一度検索、と。

「お? イグレット王国に近いところに一匹いるぞ。ひょっとしてこれって僕らが出会ったザラタンじゃないかな……」

位置的にはおかしくない。大樹海からほど近い島国、イグレット王国には守り神と人々から親しまれているシーサーペントがいる。テンタクラーの大繁殖により大怪我をしたが、すでに復活してイグレット王国の海の平和を守っているのだ。

さすがのシーサーペントもザラタンには敵わないだろうが、ザラタン自体がおとなしいから争ったりはしないだろう。

イグレット王国に行けばこのザラタンを見ることはできそうだ。

前に子供たちがみんな揃ったら海水浴に行こうかって話もしてたしな。ついでにその約束も果たしておくか。

「よし、じゃあザラタンを見に行こうか」

「やったあ!」

ステフが喜んで飛び上がる。気持ち的には海水浴のついでにホエールウォッチングにでもいくような感じである。本当に鯨が出るのなら海水浴なんかできやしないが。

子供たちを連れて海水浴……おお、幸せ仲良し家族っぽくない?

でもたぶん、アリスも連れて行きたいってリンネあたりが言うだろうし、そうなるとあの 親父(エンデ) もついてくるだろうなぁ。いや、アリスと久遠が婚約することになったのだからもう家族みたいなもんなのか……。

花恋姉さんや諸刃姉さんたちも行くって言いそうだ。博士たちは行かなそうだけども。

いっそのこと非番の騎士団の連中も連れて行くか。慰安旅行だ。

ま、先にイグレットの国王陛下に許可をいただかないといけないな。

みんなでうみー! とはしゃぐステフをなだめながら僕はそんな段取りを考えていた。

◇ ◇ ◇

「うみだー!」

【ゲート】を開いた瞬間、【アクセル】を使って砂浜を全力で駆けて行く浮き輪を持ったステフ。

「こら、ステフ! 待つのじゃ!」

それを慌てて追いかけていく 母親(スゥ) と『金』の王冠であるゴールド。元気だなぁ……。

すでにこちらで水着に着替えたみんながぞろぞろとイグレット国王のプライベートビーチに足を踏み入れてくる。

ぐるりと岩場に囲まれた、まるで隠れ家的な砂浜である。王族がプライベートで楽しむには理想的なビーチだな。

イグレット国王は快くこのビーチの使用許可をくれた。その代わりといったらなんだが、もしもザラタンがイグレットの方へ来るような事態になったら僕がなんとかすることになったけれども。

「海水浴なんて久しぶりでござるなー」

「子供たちが来てからなにかと忙しかったですからね」

八重とヒルダがそう言いながら砂浜を歩いていく。

「私たちも海は久しぶりだな」

「 未来(あっち) じゃ、お父様たちが忙しくてみんなで海なんかここ数年無かったんだよ」

それに続く八雲とフレイの会話で、だからステフはあんなにテンションが高いのか、と納得してしまった。ううむ、未来の僕が申し訳ない。

八重と八雲、ヒルダとフレイは同じ色の水着を着ていた。彼女たちだけではなく、それぞれ自分の子供たちと同じ系統の色の水着である。海水浴に行くと言ったら、すぐにザナックさんの服飾店でみんな一通りおそろいのを注文したらしい。

いや、久遠だけは白地に黒いラインの入ったバミューダパンツだが。さすがに女の子みたいだとはいえ、ユミナもそこは男物を選んだようだ。当たり前だが。

花恋姉さんたちも水着に着替えて海へ向かっている。諸刃姉さんもはしゃぐ騎士団員にあれこれと注意していた。

騎士団のみんなをバカンスのつもりで誘ったのだが、諸刃姉さんがいるとどうも海中訓練になりそうな気がするのはなぜだろうね?

「メル様、この水着というものをどうしても着なくてはならないのですか?」

「みんなも着てますし……それがこの世界のルールなら従わないと」

「アリスに頼まれたから着ないといけない」

と、続いてアリスの母親であるフレイズ三人組がアリスを連れてビーチに足を下ろした。その身には色違いのワンピースをそれぞれ纏っている。アリスもメルと同じアイスブルーの同じようなワンピースであった。

三人は【ミラージュ】の付与されたペンダントのおかげで肌は人間と同じように見えていた。

以前は服まで【ミラージュ】の幻影を纏っていた三人だったが、それでは不意に触られた時に、肌の硬質な質感が伝わってしまうため、【ミラージュ】で肌の偽装をした上から本物の服を着るようになっていた。

とはいえ水着を着るのは初めての体験らしく、いささか戸惑っているようだったが。

「お母さんたちとっても似合ってるよ! ねえ、お父さん?」

「う、うん、よく似合っているよ」

エンデもそういう姿は新鮮だったのが、どこかドギマギしているように見える。中学生か。

「あっ、くおーん! どう? ボクの水着!」

「素敵ですね。アリスによく似合っています。可愛いですよ」

「もう〜、久遠ったらお世辞が上手いんだから〜」

「事実を述べたまでですが?」

久遠の言葉に真っ赤になりながらくねくねと身をよじらせるアリス。

「くっ、なんてそつのない……! あれ、本当に冬夜の息子? 冬夜なら『なにが?』とか言いそうなのに……」

「うるさい」

余計なことを言うエンデを睨みつける。さすがの僕でも『似合ってるよ』くらいは言うぞ。そこまで朴念仁じゃない……はずだ。

そんなことをしている間に、騎士団のみんながテキパキとビーチを過ごしやすいように、テントにタープ、ビーチパラソルにビーチチェアなどをセッティングしていく。

なんかビーチバレーのネットまで立てているんだけど、みんな遊ぶ気満々だな……。いや、非番だし、慰安旅行も兼ねているから構わないんだけれどね。

「珊瑚、黒曜、一応周辺の警戒をしてくれるか?」

『御意に』

『了解よぉ〜』

久しぶりの海に珊瑚と黒曜も嬉しいのか、楽しげにふよふよと海の方へと向かっていった。

イグレット王国近海は守り神であるシーサーペントの縄張りだから、変な魔獣はいないと思うけど念のためだ。またテンタクラーみたいなのが出ても困るしな。

年少組の子供たちはさっそく海に入ろうとしたようだが、年長組が準備運動をしてから、と注意すると、素直に従っていた。基本的にうちの子らは姉兄の言うことを素直にきくのでそこらへんは助かる。

準備運動を終えた子供たちがみんな一斉に海へと走っていく。

ザラタンを見たいと言った、言い出しっぺのステフが真っ先に海に飛び込んでいる。まあ、ザラタンは後でもいいだろ。沖の方で動いていないみたいだし。

他のみんなも各々楽しみ始めたようだ。

騎士団の連中は砂浜でビーチバレーを始め、奥さんたちはタープの下でお茶会を始めている。

さて、僕はどうするかな……。

「冬夜君、こっちこっち」

所在なげにしていると、ビーチパラソルの下にいた花恋姉さんに手招きされた。

砂浜の上にシートを広げ、それぞれ似合いの水着を着た神様たちが揃って酒盛りをしている。すでに酒神である酔花はいい感じに酔っているようだ。酔ったまま海に入るなよ?

まあ、たまにはこっちのグループに入ってもいいかと僕もシートに腰を下ろす。なにかの魔獣の革でできているらしいこのシートは、灼熱の砂浜の上でも熱を全く通さないようで、熱くはなかった。

時江おばあちゃんと武流叔父は欠席か。時江おばあちゃんは次元震の余波である歪みが固定されて、タイムトンネルにならないように今は監視をしているらしい。武流叔父は諸刃姉さんの代わりに騎士団の方を見てもらっているからである。まあ、あの人来るとエンデがくつろげないだろうからね……。

「お〜、冬夜お兄ちゃんら〜。ま、ま、駆けつけ三杯……」

「いや、飲まんて。未成年だから」

「まだその常識引きずってんのぉ? 子供まで作っておいて……」

いや、子供を作ってようが未成年は未成年だろ。いや、子供も作ってはいないけどね?

地球年齢ではまだ二十歳になっていないので、僕はお酒を飲まない。まあ、何度か飲んでしまっているけれども。一応、自分なりの決め事だ。

酔花が僕に差し出したグラスを自分でキュッと呷ると、にへぇ、と緩んだ顔になる。ホント幸せそうに飲むなあ。ちょっとだけ決意が揺らぐ。

その横で音楽神の奏助兄さんがハワイアンな曲をウクレレで弾いていた。これってダイヤモンヘッドのことを歌ったハワイじゃ定番な曲だっけか。

ここはハワイとは違った風景だけど、悪くはないと思う。

「ところで冬夜君。例の神器製作の方は進んでいるのかい?」

「いやー、まあ、ぼちぼち……?」

農耕神である耕助叔父の問いかけに、僕はなんとも歯切れの悪い返事をして視線を逸らしてしまう。

神器の動力源とも言える『神核』でさえ、まだできていないのだ。そう簡単にできるものではないとはいえ、こうも失敗続きだと自信をなくすよねぇ……。

「まあ、神器なんざそう簡単に作れるもんじゃないさ。本来なら百年かけて作るようなものなんだから、焦らずにやればいいと思うけどねえ」

狩奈姉さんが慰めるようにそんなことを口にするが、そうも言ってられない理由があるからさあ。

『邪神の使徒』を倒すにあたり、僕は神族という立場から神の力を使えない。なのに向こうは邪神の力を使ってくるという、ふざけんなと言いたくなるような状況だ。

それを打破するには神の力を使える神器を生み出し、地上の誰かに使ってもらわないといけない。

だけど今のところその使い手として有力候補なのが子供たちなんだよなぁ……。

例えば刀の神器を作り、八雲に使って貰えば邪神が復活しても消滅させることができるかもしれない。

ただ能力がそれ一辺倒だと、臨機応変に対処することができないかもしれないしなあ。どうしたらいいのやら……。

「参考になるかわかりませんけど、奏助君の楽器、あれも神器ですよ」

「え!?」

耕助叔父の言葉に、思わずハワイアンミュージックを弾いていた奏助兄さんを凝視する。正確にはその手の中にあるウクレレを、だが。

「そのウクレレが神器?」

「うけけ。奏助お兄ちゃんの神器は『千変万化』っていって、どんな楽器にも変化できるのら〜」

酔花が口にした言葉を証明するように、奏助兄さんの手の中にあったウクレレが一瞬にしてギターに、バンジョーに、シタールに、三味線に、月琴にと目まぐるしく変化していった。

弦楽器だけでなく、ドラム、ピアノ、トランペット、フルートなど、様々な楽器に変化して、最終的には手のひらに収まるほどの小さな何かに変化した。

それは淡い光を放つ銀色の音符であった。金属のようでいて金属ではない、不思議な質感をしている。

帯びているのは神気の光だ。これが奏助兄さんの神器『千変万化』の本来の姿なのだろう。

「地上に生きる者にとってはとてつもないものでも、神々にとって神器は便利な道具でしかない。みんなそれぞれ何かしら自分の神器を持っていますからね」

「え、そうなの?」

耕助叔父の言葉にみんなを見回す。みんな自分の神器を持っていたのか。

「ええ。例えば私は農具関連の神器を、狩奈さんは狩猟道具を、酔花さんは 盃(さかずき) や酒瓶などですね」

「花恋姉さんや諸刃姉さんは?」

「私はもちろん剣の神器を持っているよ。地上で使うと軽く大陸が吹っ飛ぶから使わないけど」

大陸が吹っ飛ぶって……。おっそろしい神器だな……。諸刃姉さんの神器は強力過ぎて地上の人間では到底使えないらしい。

「花恋姉さんのは?」

「んー、私のは白銀の弓と黄金の矢でね、貫かれると目の前の人に恋心を持ってしまうってやつ。ま、若気の至りで作っちゃったけど、もう神界の倉庫に放り込んで封印しちゃった。やっぱり恋愛は自然に生まれないと価値がないのよ」

恋が芽生える弓矢か。『キューピッドの矢』みたいなものかね?

しかしいろんな神器があるんだな……。奏助兄さんの神器のように、状況によって変化する神器ってのはいいかもしれない。

潮騒の音を聞きながら僕はそんな考えを巡らせていた。