軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

石炭鉱山を復活せよ ②

第20話 石炭鉱山を復活せよ ②

炭鉱村は夜でも黒かった。

煤が染みついた家々。

どこか湿った空気。

男たちの荒い笑い声。

村長は熊のような体格だった。

だが握手した手は温かい。

「命を懸ける仕事です。無理はなさらんでください。」

その一言に、社長はこの村が何度爆発を経験したかを悟った。

酒樽と干し肉を渡すと、村人たちは目を輝かせた。

「本当に復活できるのか?」

「爆発しねぇだろうな?」

疑いと期待が入り混じった目。

社長はただ頷いた。

「やってみる。」

翌朝。

塞がれた坑道入口に蒸気トラックを横付けする。

もう一台は鉄輪に換装し、レールへ。

簡易機関車となったそれは、トロッコを軽々と牽引した。

発電開始。

ベルトが回る。

ゴウン……ゴウン……

少年が掘削機を構える。

ドリルが回転。

石が崩れる。

男たちが岩を持ち上げ、コンベアへ載せる。

岩は流れ、トロッコへ落ちる。

トロッコが動く。

捨て場へ。

それを何度も繰り返す。

汗が流れる。

石炭粉が舞う。

誰も文句を言わない。

――止まれば、終わる。

その空気だけが、全員を動かしていた。

三日目。

入り口が完全に姿を現した。

支柱を立て、当て木で補強。

そのとき――

ガス検知器の針が、わずかに揺れた。

誰かが息を止める。

だが社長は言う。

「止めるな。」

低い声だった。

「止めれば、また埋まる。」

男たちの目が変わる。

再び、作業が動き出した。

村長が静かに言う。

「……帰ってきたな。」

坑道が。

黒く、深く、そして――

まだ生きている。

しかし、本番はここからだ。