作品タイトル不明
食べられる餅
第22話 食べられる餅
車を動かすような発明をしたが、後続距離が短いなど課題もある。
「試作自動車の調子はどうだ?」
「はい、やはり後続距離に問題があります。」
「やはり、そんなには走れないか……。」
やはりバッテリーに問題がある。
バッテリーを大容量にし、安定して充電と出力を安定させるには、まだまだ時間がかかりそうだ。
ヤマタニは「使える物を優先する」方針。
絵に描いた餅より、食べられる餅を作る感覚だ。
この街の浮浪児や大人の浮浪者たちも、自分の失敗経験を持つ者たち。
チャンスを与えれば役に立つ人材になるかもしれない。
そこで、浮浪者の大人を集めて食事会とテストを実施。
やる気があれば、掃除や売り子でも採用。
元医療関係者
→ 飲んだくれで手が震えメスを握れないヤブ医者だったが、やる気のある者に医術を教えられる。採用。
絵描き
→ 似顔絵や風景画を描いたが売れず、浮浪者生活。採用。
元料理人
→ 店経営に失敗し借金返済できず浮浪者。採用。
発明家崩れ
→ 肩もみ器や毛生え薬などインチキ発明で訴えられ浮浪者に。採用。
元大学講師
→ 鉱物研究で評価され講師だったが、学問仲間とのトラブルで浮浪者に。採用。
「良い人材はそうはいない。だが、使い方や仕事のやり方で誰でも同じ様に働ける。」
ヤマタニ自身も、来た当初は浮浪者同然の立場。
帽子にコインを入れてもらいながら生き延び、今に至る。
実際に経歴がよく、若くて働く労働者が理想的だが、失敗して浮浪者になっても、安く雇入れて一部でも使える労働者を雇うことにした。
絵に描いたような理想的な人材よりも、すぐ使えて取り柄のある、すぐ食えるような人材を求めたからだ。
優秀な人材はよりよい待遇を求める、そぐわない待遇なら会社を辞め別の待遇の良い会社に移るだろう。
ヤマタニは経験から知っている。逆に優秀出はない人間は長く頑張って会社で働いてくれる。
あくまでヤマタニの経験だから、全てがそうなるとは限らない。
とはいえ、人材は確保できた。
あとはどの様に人材を使うか、どの様にして仕事をしてもらうか整えてやるだけだ。