軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

戦果を辺境伯に報告

第47話 戦果を辺境伯に報告

北西の拠点、難攻不落の蛮族要塞はヤマタニ軍の活躍で一気に落とされた。

これにより、辺境伯領への蛮族の侵入口は絶たれた。

この蛮族侵入口を押さえれば、容易に辺境伯領を防衛出来るだろう。

ヤマタニは辺境伯軍の熱烈な声援を受けた。

しかしヤマタニは多忙の為、その日のうちに辺境伯に報告へと辺境伯陣地を後にした。

「ヤマタニ子爵、只今蛮族を蹴散らし帰還しました。」

「これはこれはヤマタニ子爵様、ずいぶん早いご帰還ですが、いかがなされました?」

出迎えたのは手を擦り合わせて、にこやかに応対するラッセルだった。

「戦果を辺境伯殿に報告したいのですが…。」

「はい。では取り次ぎましょう。」

ラッセルは、何かやたらと腰が低い。

あからさまに態度が違うのは戦果が影響したのか?

気持ち悪い男だとヤマタニは思った。

辺境伯の部屋に通されたが、辺境伯ランドルフは椅子に腰掛けていた。

「ヤマタニ子爵、ずいぶん早かったが、戦況はどうだった?」

「お身体は大丈夫ですか?」

「ああ。ヤマタニ殿が来てくれたせいか、何だか気分がよくてな。」

「それはそれは。」

ランドルフは前に会った時よりも顔色が良くなったような気がする。

「して戦況はどうでしたかな?」

「はい。蛮族を蹴散らしてまいりました。」

「詳しくは案内して頂いた兵に聞いて下さい。」

「おお!」

ランドルフはヤマタニの活躍を案内役の兵から聞いた。

「素晴らしい。ヤマタニ殿。」

「あの難攻不落の要塞を一気に落としてしまうては!」

ランドルフは興奮して身体が弱っていた筈なのに、思わず立ち上がり喜んだ。

周囲の家臣や兵も驚いている。

「いやぁ~なんと素晴らしい。ヤマタニ殿」

「流石は軍神ヤマタニ殿だ。」

「我が辺境伯領の救世主ヤマタニ。」

若い騎士たちは口々にヤマタニを褒め称えた。

「今日は宴だ。用意いたせ!」

「いや、報告に来ただけなので、これにて失礼を。」

「またれよ、ヤマタニ子爵。今日は帰しませんぞ。」

何だかんだとランドルフや家臣に止められて、部下と一緒に、城に泊まることになった。

宴の前に部屋に案内された。

「これは何て凄い部屋だ。」

部屋はかなり広く、広間、寝室、浴室、クローゼットやテラスには観葉植物や花が咲いていた。

寝室もやたら広く天蓋付きベッドがあった。

「最高級のホテルの一番高いスイートルームみたいだ。」

彫刻や絵画などもあるが、なんか落ち着かないな。

「しばらく、こちらでおくつろぎ下さいませ。」

とメイドには言われたが、くつろげません。

ソファーで座っていたら、うとうととうたた寝してしまった。

やがて宴の準備が出来たと食堂に案内された。

広いし天井が高い。燭台やシャンデリアの灯りが綺羅びやかに輝いていた。

ヤマタニは案内され、ランドルフの近くに座る。

食前酒、オードブルと運ばれて食べる。

スープ皿にスープがそそられた。なんのスープだかわからないが、なかなか美味しい。

隣にカミルやトミー、タクト、他の兵士達も同席した。

魚料理、肉料理と食べ進めたが、なかなかの料理だった。

いきなりだったのに、料理人に苦労をかけたな。

「料理はどうですかな。お口に合いますか?」

ランドルフが聞いてきた。

「はい。とても美味しいです。」

ランドルフは満足そうに笑った。

「ところで、報奨の話なんだが、敵要塞の財宝や武器防具など、後で計算してから送らせていただこう。」

「はい。わかりました。」

「それから、ユリアーナはいかがかな?」

そら、やっぱり話がきましたか。

「はい。大変お美しいお嬢様です。」

「うんうん。気に入っていただけたかな。」

うれしそうなランドルフ。

「しかし、いきなりやって来て結婚とは驚きました。お断りした筈だったのですが…。」

ヤマタニがそう言うと、辺りの空気が変わった。

「なに?我が娘の何処が気に入らぬと?」

周囲の兵や部下の睨みが凄い。

「いや、お嬢様は若く美しく方で大変よろしいのですが…。」

ヤマタニがユリアーナを褒めると、一気に重たい空気がやわらいだ。

「だが、婚姻は断ると…。」

そう言うと、また辺りの空気が一気に重くなる。

睨みの視線があちこちから、ヤマタニに刺さる。

「うちの娘が褒美では、不満だとでも言うおつもりか?」

断ると言うと、ランドルフの表情が険しくなる。

怖い。

「まぁ、一緒にもう暮らしているのだから、もう結婚している様なものでしょう。」

「ヤマタニ殿は、そのような関係なのに、もはや断る様な事はしないですよな?」

「……。」

威圧が凄い。

「ですな?」

「……。」

「まさか、我が辺境伯と敵対するおつもりではないですよな?」

「ですよな!?」

「はい…。」

ランドルフはにっこり微笑んだ。

ランドルフに威圧で押し切られてしまった。

妻達に何と言い訳したらよいか……。