作品タイトル不明
畑から火災発生
第46話 畑から火災発生
サンブレロ石炭火力発電所から飛んだ火の粉が原因だと、ヤマタニに訴えがあった。
なんと。
それは、十分に起こり得る事故だった。
石炭ボイラー式発電だから、ガンガン釜に石炭を入れて圧力を維持しタービンをフル回転させていた。
だから煙突から火の粉が舞っているのはあきらかだ。
ヤマタニはすぐに農家の元へ向かった。
普通の領主なら、使いを出して終わりか、金だけ渡して済ませるだろう。
だがヤマタニは違った。
自ら現れ、深く頭を下げた。
「この度は、私の管理不足だ。本当に申し訳ない。」
突然の謝罪に、農家の男は逆に戸惑った。
「い、いや……そこまでしていただかなくても……。」
幸い、火はすぐに消し止められ、被害も大きくはなかった。
だがヤマタニは、相応の補償を支払い、正式に示談とした。
――しかし。
このままでは、いずれ大きな火災になる。
それに、石炭の煙も問題だ。
空は日に日に濁り、村の空気も変わり始めている。
(……やるしかないな。)
ヤマタニは、煙突を見上げた。
何とかしないとまた、火事騒ぎになる。死者が出たらたまったものではない。
そうなると、ここは一つ、アレをあそこに付けるしかないだろうな…。
立ち上る黒煙の向こうに、次の一手を思い描く。