軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:検証勢の溜まり場を訪れた情報の塊

森夫婦装備に着替えて、インベントリの中身を確認し、小さめになってもらったミミーちゃんを肩に乗せて。

二人揃って、やって来ましたピリオノート。

目指すは貴族街の入り口近く、石板NPCのお爺ちゃんが住む天文台っぽいドーム付きのお屋敷へ。

検証勢の人達いるかなぁ〜? いるといいなぁ〜

まぁ『突撃!情報提供☆』してちょっとビックリしたところ見たいのは間違いなくメインなんだけど。もうひとつ、夢の中で空き巣して押収した錬金術素材、これも早めに検証勢に提供しようと思ったんだよね。

(いいよね?)

(うん、餅は餅屋だ)

そもそも素材に詳しくないから、大量の素材が並んだ所でどれが怪しいとかどれが危険かとか分かんないもんね。『白夢草の蜜』が明らかに夢魔が関わってる名前してるから引っかかっただけ。

どうせ検証勢に会うなら、ついでに見てもらって僕らにも分かった事を教えて貰おうっていう魂胆。

そんな腹積もりで、僕らは館の前にやって来た。

うーん、相変わらずお屋敷というよりも研究所って感じ。

二回目だから特に躊躇わず、ドアノッカーをゴンゴンと打ち鳴らす。

少しして、執事っぽいヒトが出てきたから、僕らは用件を告げた。

「ここに色々検証してる冒険者のヒト達がよく来るって聞きまして、そのヒト達に用事が」

「左様でございますか」

あ、いいんだ。

今更だけど家主のNPCに迷惑だったかな?とも思ったんだけど、まぁゲームだから出入自由な場所は緩いのかな。

執事さんに案内されて、剥製がたくさん並んでいるホールと廊下を進む。

そして前にも来たことがある、壁が全面棚になっていて中央に石板が並べられている部屋にやって来た。

「失礼いたします。冒険者の皆様にお客様です」

「え、俺ら……にぃいいい!? 森夫婦だぁあああああ!?」

「ぅええええ!?」

「なんで!? えっ、なんでぇええ!?」

「待って待って! いま部屋散らかってるからちょっと待ってー!!」

うんうん、これだよ。これが見たかったんだよ。

でも最後のヒトはちょっと違くない?

* * *

そんな感じで『突撃!情報提供☆』しに来た僕らは……何故かやたら豪華な長テーブルに二人並んで豪華なソファに座って、目の前にご馳走が並べられていた。

「こちら、ロイヤルウシクイーンよりとれるロイヤルミルクを使用したピリオノート限定プリンと特製アイスクリームでございます」

「あ、はい」

「……どうも」

なんだろう、この……僕らとテーブルだけ見るとリアルの披露宴みたいなのに、その向こうに並んでる検証勢達がみんなこっち向いてメモ帳とかシステムウィンドウを片手にしているから、記者会見みたいなんだよね。

「では無限ゾンビマンが最後の部屋に駆け込んだ時、お二人は既に部屋の中身を根こそぎ回収した後だったわけですね」

「そうなりますね」

「なるほど……最後の悪あがき戦のための部屋じゃなかったんだな」

「ゾンビマンは?」

「今どこにいるか聞いたら、ちょうどこっち向かってるって」

元々屋敷にいたのは、前にここで顔を見たヒトが3人と初見のヒトが1人。

名乗ってくれた名前は『G・オイスター』さんと『銀のメンデル』さん、名乗られなくても覚えてたのが『抜け毛千本ノック』さん、そして初見さんは小人の『アリト・キ・リギリス』さん。

そして今、また誰かが執事さんと一緒にやって来て扉を開けた。

「こんにちはー……あれぇええ!? 森夫婦さん、昨日ぶりですー!?!?!?」

リアル昨日に夢の中で脱出を手伝った『無限ゾンビマン』さんが、やって来てめっちゃビックリして、『あの時のお礼に』って美味しそうなアップルパイをホールでくれた。

……あ、そうだ林檎と言えば。

「これ……手土産にどうぞ」

「あ! 知恵の林檎だ!」

「やったー! ありがとうございまーす!!」

林檎を山と積んだバスケットを囲んで、警察の押収品の公開か何かのようにスクショを撮り始める検証勢達。

ううーん、ここが何をしている場所なのか分かんなくなるねぇ。

今の所は披露宴よりも記者会見の比重が強いかな。

なんて思っていたら更に扉が開いて執事さんの後ろからもう2人、見知った顔が現れた。

「……何だ? 一体何をして……森夫婦が何故ここに??」

「ブフッ」

やって来たのはアメリカの大学の卒業生みたいな姿のロンドン橋……じゃなくて『論丼ブリッジ』さんと、いつものスーツ姿のパピルスさん。

論丼ブリッジさんは呆れ顔で検証勢に合流して、パピルスさんは笑いを抑えきれない顔で僕らの方にやって来た。

「フフ……なんですか、この状況?」

「昨日ちょっと手伝った相手が検証勢さんだったみたいで、ちょうどいいから情報提供に来たらこんな感じに……」

「……どうしてこうなった……」

「ああ、検証勢の皆さん、お二人を美味しい物で釣ってなんとか情報貰えないかって言ってましたからね」

やっぱりそういう意図の料理だよねー

別に今日はその情報提供に来たんだから無くてもいいのに……まぁ出してもらったから貰うけど。アップルパイうめぇ。

「失礼いたします。戦隊シアン様のお越しです」

「こんにちはー……わぁお森夫婦ぅ!? なんでー!?」

それにしても皆バラバラにやって来るなぁ。

しかも皆入ってくるなり驚くから、クランとか同盟とかのチャットに僕らの情報流してるわけじゃないんだね。まぁ面白いからいいんだけど。