軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:子猫刺客の対処をしよう。

ログインまだです。

吹雪の中を帰宅! あー、寒かったぁー!

さっさと着替えて晩御飯。

今日の晩御飯はソーセージとキャベツのたっぷり入ったトマト煮込みとパンですわよ! おーいしーい!

食べながら、昼間の内にゲームの刺客っぽいストーカーをなんとかした話を聞く。

「……で、眠らせたから、とりあえず話聞こうと思って拠点に連れて帰った」

「おー、すごい」

よく捕まえられたねぇ、そんなすばしっこい子。

僕が1人の時に会ってたら普通にボコボコにされてたと思う。危ない危ない。

「一応石の壁の部屋作って、中に灯りとベッド置いて寝かせてある。ジャック達に交代で見てて貰ってるけど、さっきチラッと入って確認した時はまだ起きてなかった」

「うんうん、まぁ僕らピンポイントで狙ってきてる子なんだし、僕らいない時に進行しちゃったりはしないでしょ」

粉に使った特殊キャベツは迷う夢から抜けだしたら起きる事ができるってアイテムだから、起きる可能性はゼロじゃないけど。

でも周りを死の海に囲まれてる危ないフィールドだし、ログインしてない時に目覚めて逃げて死んだーみたいな事はゲーマスAIもしないと思う。それこそゲームのシナリオ的に刺客から情報取られたくないなら、口の中に仕込んだ毒で自害しましたーみたいな展開の方が自然だしね。

「んで、刺客はちびっこなんだ?」

「そう、猫耳付きの」

「でも犬歯とか体の柔らかさは蛇っぽいんだっけ?」

「うん」

はて? 獣人じゃないのかな?

まぁその辺も本人から話を聞けたり出来たらいいなー。

「じゃあ、ログインしたら予定通り起こしに行こうか」

「だな」

* * *

というわけで、ログインしました。

念の為変装した状態で、おチビちゃんの様子を確認しに庭へ出る。

庭の一角に即席で作られた石の小屋。

上の方に格子付きの窓が開けられていて、丈夫そうな木の扉の前でデューが見張りをしてくれていた。

「おお、独房だ」

「閉じ込めておく……ってなると、こうなった」

そうだね、筋力も強い子みたいだから木製だと壊されるかもしれないし。用心は大事。

でも、窓から確認した内装は壁も綺麗だし、床にはマリーが作ったらしい敷物が敷かれていて、ふかふかの布団のベッドにおチビちゃんが寝ていた。なんかワンパンベアみたいなクマのぬいぐるみまであった。

ゲームだからそこまで寝たきり状態に神経質にならなくていいのがありがたいね。これがリアルだったら介護要員とか流動食とか用意しないといけないもん。

「……寝てるね」

「……寝たフリじゃなければな」

「途中で起きた様子はありませんデシタゾ」

「オッケー」

では、予定通り、まずはマリーが回収してくれた持ち物チェックから始めます。

「毒付きの投げナイフばっかり、後は細いロープ」

「……一文無しなのか」

「リリーは無いねぇ……保存食みたいな干し肉と水筒はあるけど……あ、これ、かなりザックリだけど僕の人相書きじゃない?」

「ああ、うん。変装してる相棒の絵だな。杖持ってるし」

「って事は、誰かに指示されてこっちを狙って来たのは間違いないね」

身体検査をしてくれたマリーが言うには、この子は女の子らしい。

サビ猫っぽい猫耳と猫尻尾。他はヒト。ケモ要素軽めな獣人さん。

そして……

「背中に……一部、鱗のような物がありました」

「鱗?」

「はい。おそらくは蛇の……うっすらと赤黒い、禍々しい感じの物でした」

「ふーん?」

なるほど? それが蛇要素の元なのかな?

禍々しいってのがちょっと気になるけど……特に触っても痛がったりとかはしないらしい。

持ち物や特徴からは、これ以上の事は分からなさそう。

……と、いうわけで、次は起こす準備に入ります。

起きても暴れないように手足を拘束して……まぁ、さすがに目の前で舌を噛んだりはしないと思いたい。 エフォ(EFO) はそこまで目の前でするゲームじゃあないでしょ、たぶん。

そして、おチビちゃんの口に、千切ったこれを入れます。

【夢会い草】…品質★★

ひとつの葉を複数人で分けて齧ると同じ夢で会える。

「我々、どんどん夢に関してプロフェッショナルになってる気がする」

「アイテムと使い所が揃って、手札として有効になったからな」

これがあるからこそキャベツを使って返り討ちの手段を取ったからね。確実に起こせる算段があるなら、普通の睡眠系の毒よりも拘束力は強いわけだから。

迷い込む夢を見ている子を、夢魔のペタちゃんを連れて起こしに行くのだ。

「そして可能そうなら、夢の中で説得を試みる!」

「うん、夢の中ならいくら暴れても問題無い」

骨の籠を持っていないから、この子は死霊術士じゃないと思う。

だったら、こんなおチビちゃんには刺客稼業から足を洗って欲しいので、事情を聞いた上で説得したいのだ。のっぴきならない事情があるなら、それを解決する提案をしよう。

「じゃあ行きまーす」

「後頼んだ」

「ハーイ」

「お任せクダサレ」

ジャックとデューに見張りを頼んで、石の小屋の横で、僕らは長椅子に体を預けて夢会い草の欠片を食べた。

システムから仮眠モード。

とりあえずゲーム内で1時間だから……リアルで20分。

仮眠モードを開始して……僕らは夢の中へと突入した。