軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:NPCが結婚すれば子供が出来るんですよ

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マッシラゴラちゃんとマックラゴラちゃんの結婚なんていう突然のほんわかイベントを堪能して次の日。

「マスター! 旦那様ー! マックラゴラとマッシラゴラからなんか綺麗な花咲いたヨー!! 種も出来たってー!」

「「わぁお」」

イベント続くねぇ。

* * *

ここで、従魔の繁殖について、改めて確認しておこうと思います。

卵とかが一般的になって、スレだのwikiだのにまとめられた内容を見るとこんな感じ。

従魔はプレイヤーのプレイスタイルに合わせて色んな種類に進化する。そしてペアになって生まれてくる子供は……基本的には、親のどっちかと同じ種類が生まれる仕様。

卵生でも胎生でも種でもそれは共通。だからこそ、ピリオに住んでるネズミ族ちゃん達は、昔々のワイズラットが祖先の時代からずーっと言葉が通じるわけだし。

でも基本的にって事は、当然例外枠がある。

スライムとかそうだったね。どんな種類のスライムでも、卵から生まれるのはピュアスライムだった。

あと、フォーチュンエッグとかいう、何が生まれるのか分からないレア枠もあった。

混ざってレアな種類になるかもって探しまわってる人もいる。

というわけで、今回のマンドラゴラちゃんはー……?

「マックラゴラの種とマッシラゴラの種」

「標準だな」

どっちの種もそれなりの数が採れた。住民扱いじゃなくて、家畜扱いにする事が多い生き物だからかな。

「で、花っていうのは……?」

「……これだな」

ニコニコ顔のマンドラゴラ夫婦から差し出されたのは……闇色のガクから燃える火みたいな花弁がふんわりと開く、キラキラ光った綺麗な花だった。

【夜明けの生命の花】…品質☆

死の闇より蘇りし生命の炎が燃えている花。

薬効の強い薬草に光と闇と絆が揃った時、ごく稀に咲く。

「待って??」

「また手に余りそうな物が出来たな?」

「……なんか、蘇生薬とかに使いそうじゃない? この説明文的に」

「夜明け云々は思いっきり エフォ(EFO) の復活関係だしなぁ……」

困った時の掲示板。

僕らはとりあえず、このアイテムが既出かどうか確かめる事にした。

「………………情報無いな」

「無いかー」

「なんならマックラゴラも無い」

「えっ? ……マッシラゴラは?」

「それは既出」

「んんんん?」

そんな偏ってる事ある?

困った時の霊の知識。

僕らはフッシーとネビュラとコダマ爺ちゃんを呼んで訊いてみた。

「……って感じなんだけど」

「それは主よ、そうなるが道理じゃ」

「うむ」

「そうであろうな」

うん? 三者ともなんだか訳知り顔。

「どういう事?」

「我々植物は大地より様々な要素を吸い上げて成長するんじゃ。マックラゴラはこの、死の海に隣接した地に根ざして育ったじゃろう?」

「うん、野菜と同じような変化がマンドラゴラちゃんにも起きたんだよね?」

「そういう事じゃ」

満足そうに頷くコダマ爺ちゃん。

そこへ疑問を投げる相棒。

「……それなら、普通の土に闇の魔法を込めた石を入れても同じ事にならないか?」

「ならんな」

「なんで?」

「この世界の主神が光の神である故に」

フッシー達が言うには……主神が光の神様な影響で、この世界全体がそもそも若干光属性よりになっているらしい。死んでも蘇るのが当たり前になっているのはそういうこと。

確かに光の神様がメインだけど、対になる闇の神様っていないもんね、この世界。

そんな世界だから、普通の土に闇属性の石を入れてマンドラゴラを育てても、種族が変わるくらい染めきる程の闇属性にはならないんだって。

「逆に光に染めるのは簡単であろうな」

「うむ」

「そうだね。普通の土に、僕の大して強くない【光魔法】を込めた石を入れただけでオッケーだったもん」

ここは地面に直植えすると死の海の影響を受けるから、闇に染まったマックラゴラになれるって事かぁ。

「……あれ? って事は、このマックラゴラちゃんの種って、ここでしか育たない?」

「いいや、芯まで作り替えるには強い闇が必要というだけじゃ。一度その種になってしまえば土に闇を混ぜるだけで良いじゃろう」

へぇー。

需要があるなら売りに出してもいいかもしれないね。僕らの拠点でそんなに大所帯にするつもりないし。

「種売ってみる?」

「……マンドラゴラ的には、売ってもいいのか?」

相棒がそう言いながらマンドラゴラ夫婦の方を見ると……夫婦は不思議そうにキョトンとして顔を見合わせた。

そんなマンドラちゃん達を見ながら、コダマ爺ちゃんは苦笑い。

「どこか遠くで繁栄するチャンスじゃろうに。何が問題になるんじゃ?」

「あ、マンドラゴラもそういう感じなのか……」

「ヒトの子は細かい事を気にするんじゃなぁ」

「ヒトの子とはそういうものよ」

まぁ植物はそんな事気にしないよね。

種も花も、僕らの好きにしていいみたいだから、ありがたく頂戴した。

「それならいいか……売る場所は考えたほうがいいかもしれないけど」

「確かに、いつぞやの木材みたいになったら面倒くさいかも」

「あと、花の方はどうするか……」

相棒が悩ましい顔をして呟く。

……その時、僕の頭にとある冬イベントとアイディアが閃いた!

「はい!」

「はい、どうぞ」

「『瓶詰展示会』に出すのはどうですか!」

「……なにそれ?」

フッフッフ……冬イベント中の催しは、なにも公式がやってるのだけじゃないんだよ!