軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

キ:モロキュウ村へ出かけた先で

さてさて、カステラさんが聖女さんファンクラブに連絡を取ってくれる事になったので。

僕らはその間に、相棒がハロウィンパレードで手に入れた牙を短剣に加工してもらう事に。

カステラさんのお勧めの通り、まずはグレッグさんに連絡。

……そもそも、クラン『モロキュウ冒険団』でもなければ知り合いでもない人からの依頼を受けているのかどうか。そこを確認しないとね。

相棒が恐る恐るグレッグさんに個人メッセージを飛ばして……そして返事が返ってきた。

「……オッケーだって」

「あ、いいんだ。よかったねぇ」

なんかクラン所属の職人さんって、オーダーメイドはクランメンバーからしか受けないようなイメージがあったよ。偏見だったわ。

「むしろ『今すぐ持って来い』って言われた……」

「超ノリ気じゃん。どこに行けばいい?」

「モロキュウ村だって」

と、いうわけで。

森夫婦姿に変装して、モロキュウ村へ転移。

村の転移オーブに到着すると、そこにはグレッグさん……と、ミケコちゃんが一緒にいた。

「よく来たな」

「いらっしゃいませですニャ!」

「こんにちはー」

「……こんにちは」

グレッグさんは通常運転なんだけど……ミケコちゃんが、いつぞやサボテンパンチで助けた時みたいに、キラキラとした目でこっちを見ている。

「お二人の活躍はちょいちょい耳にしておりますのニャ! 仲良し夫婦で誰も知らない道を突き進むスタイル、憧れるのニャ! 知り合いの夫婦プレイヤーさん達もラブラブで、仲良しカップルを見てると健康に良いと思うのニャ!」

「「ソッカー」」

僕等のことかなー? 可能性は高い。グレッグさんも苦笑いしてるし。

二人に案内されながら、村の中でもひときわ大きな煙突がある鍛冶場へと向かった。

道中で『モロキュウ冒険団』のメンバーっぽい人達から朗らかな挨拶をされながら、立派な石造りの鍛冶場へと到着。

「来たね」

待ち構えていたのは、めちゃくちゃ迫力のあるカッコイイお婆ちゃんアバターの人だった。

この人覚えてる!

石の街ロックスの防衛の時に、ブースターのついた出刃包丁ぶん回してた人だ!

某有名アニメスタジオみがあるから記憶に焼き付いてる。某天空の目があああー!とかのやつね。

今日のお婆ちゃんは出刃包丁じゃなく、鍛冶用ハンマーを肩でトントンとしながら僕らを見てニヤリと笑った。

「アタシは『ブツ切リスト婆』、『モロキュウ冒険団』の武具を一手に引き受けてるよ」

すごい名前だ!

見た目も名前もインパクトしかない!

「ほれ、これが見本品さね」

そう言いながら、ブツ切リ婆ちゃんは相棒に骨素材系の短剣を渡した。

おー、金属製のナイフとは違った迫力があるねぇ。

刀身に彫られた彫刻とか、持ち手に巻かれた革とかが民族系で、森男スタイルの相棒の格好にものすごくマッチしている。

素材が何なのか僕にはわからないけど、出来に関しても問題なかったみたいで、相棒は軽く頷いた。

「アタシの腕で問題なければ受けさせてもらうよ」

「……ぜひお願いします」

そう言うと、相棒は【死の精霊牙】を取り出してブツ切リ婆ちゃんへ渡した。

受け取ったブツ切リ婆ちゃんは、興味深そうに牙をじっくりと眺めている。

「品質が星5かい……こりゃ面白い。腕試しのつもりで、本気で取りかからせてもらうよ」

不敵に笑うブツ切リ婆ちゃんを見て、グレッグさんとミケコちゃんが感心したような声を出した。

「いまだかつてない高評価ですニャ」

「こりゃしばらくばーさんの作業場が出入り禁止になるぞ」

細かい仕様を相棒と打合せして、完成したらグレッグさん経由で連絡を入れる約束をすると……僕ら全員が追い出されて、本当に作業場が立ち入り禁止になった。

「……まあ、ああなったばーさんはイイ物作るから大丈夫だ」

「むしろ安心ですニャ」

創作意欲が爆発してる状態なのかな……その気持ちはちょっとわかる。

じゃあそろそろお暇しようって事で、村の転移オーブに向かう。

グレッグさんとミケコちゃんに見送られながら、帰……ろうとした所に、知らない人がちょうど村に転移してきた。

ぱっと見の印象は『聖職者』。

いつだったか神様の事をお話ししてくれた教会の人が着てた服と似たような、神父っぽい恰好をしている。

あと、長い鎖で首から下げているのは、『生誕』の神様の象徴が描かれたレリーフ。前の召喚で使われていたのと同じ物。

銀髪の隙間からサークレットが覗く、若い男性の聖職者は……僕らを見て、目を見開いた。

……そして次の瞬間、盛大に土下座を決めた。

「森夫婦さん!! 聖女ちゃんを俺達にください!!」

ええええ~~???