軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

ルシフェル・カードの行方(表)

はい、儀式はつつがなく終わりましたよ、と。

いちおう七枚の金属製カードに魔神ルシファイラの力が封じられてうんぬんかんぬん、って話をでっち上げた以上、最後の最後でフォローせずうやむやってわけにはいかんのでね。

こっそり魔神を倒してしまったことをシャルたちに知られてはお楽しみが半減してしまいかねない。永久に封印されるなら倒したのはバレへんやろ、ということでこの儀式を思いついたわけです。

存在しないはずの八枚目のカードはまあ、華麗にスルーってことで。必要ならまた出しちゃうけどね、今はね。

ところで、何か忘れている気がする。

まあ必要なときに思い出すやろ、てなわけで集めた七枚のカードを謎時空に放り投げようとしているわけなんだけど……。

じーーーーっ。

熱い視線を感じますねえ。いや、どちらかと言うと冷たい視線か。

謎の留学生の片割れ、ウラニスとやらが、俺――というか俺が手にしている七枚のカードを凝視していた。

双子のお姉ちゃんのユリヤは カード(こちら) にも 弟(そちら) にも興味はないらしく、シャルと何やら話しこんでいる。

と、美少女二人にちょっとだけ意識を向けたその隙に。

「あれ? いないな」

音もなくウラニスは姿を消していた。

「どうかしたの?」

そして図ったようにやってきた姉の方。

「お前の弟、どこいったんだ?」

「? さあ、知らないわ」

きょとんとしたユリヤはすぐにパッと笑みを咲かせる。

「それよりシヴァ、せっかくだからお話がしたいわ♪ あなたには聞きたいことがたくさんあるの」

いや君マジで微塵も弟に興味なさそうだな。ある意味すごい。てか怖い。

ウラニスがなにかよからぬことを考えていて、こいつも一枚噛んでいるんじゃないかと疑ったのだが、ほぼほぼ杞憂なんだろうか?

うん、杞憂ってことにしとこう。めんどくさいし。

「悪いがこれから所用があってね。またの機会に語らおう」

もちろんなんも用などないが、こいつと話すのはいろいろボロが出そうで嫌だ。

「そう、残念♪」

ちっとも残念そうには見えない笑みのまま、ユリヤは再びシャルのところへ駆けて行った。

「ねえシャル、あの巨大ロボ? 合体兵器? ってもう使えないの? 相当な魔力が必要なのはわかるのだけど、また乗ってみたいわ」

「残念ですけどユリヤ、あれは神代の遺物にして、世界の危機に善良なる人々の切実な願いが集まり起動するモノ。おいそれとは動かせないのです」

いちおうそういう設定にしておいたのだが、今回って誰か願ったっけ? いや、この辺りは考えてはいけない。感じるんだ。

さて、ティア教授も俺になんか聞きたくてうずうずしてるみたいだし、ここはとっとと退散するかね。

引きこもりハウスに戻ってゲームとかやるのもいいんだけど……。

やっぱり、何かを忘れてる気がする。

引っかかりを覚えながら、いまだ手に持っていた七枚のカードを謎時空に投げ入れたところで。

思い出した。

これらのカードは、魔神復活に必須の魔法具だとしてシャルたちに集めさせたもの。

一方、魔神ルシファイラには連中の誤解を利用して、『シャルロッテが真なる力を取り戻すための魔力源』みたいな説明をしつつ、これらとは別に似たようなカードを用意していた。

それぞれの陣営が「我こそカードを手にした」と認識すれば、それ以上の奪い合いが避けられるからだ。

つまり、シャルたちから見れば八枚目どころかもっとたくさんのカードがあったわけで。

あれは俺が作ったただの金属製カードだし、何か悪さできる代物ではない、はず。

けど、気にはなるよね。

だから回収しておきたいのだけど。

――あのカード、どこやったっけな?