軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

145 ココロエネルギー1

「急げ急げ急げ!」

「多く集めた者にはボーナスを出すぞ」

私は名も無き兵士。ひりつくような緊張感の中、夢中になってスラム民と一緒に魔石を拾った。

こんな経験は人生に1度きりだろう。

無性に楽しい。

手持ちの袋にまた魔石が入りきらなくなったから走るように門へと戻り計測係に渡すと、配給用の 丼(どんぶり) ですくって数えてくれる。

「今回は7杯。合計20杯でトップだぞ」

「良しっ!このまま独走してやる」

嘘みたいな話だろ?魔石を個数じゃなくて杯数で計るなんて。退役したら一生、今日の事を自慢してやる!

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領軍が有頂天になる中、マーラは緊張した面持ちで子爵家の魔道具で報告を待っていた。

アリエスの言葉が気になるが、期待もしてしまう。それなりの手応えはあった。

やったか?

「報告します。残念ながら、フールは健在!」

「そうか。ありがとう。倒せなかったか」

少しショックだ。

「しかし半数を撃滅しています。単独で、このような記録は過去になく情報の精査をしている最中です」

「ありがとう。では」

通信を閉じ、やはりセオリーどおり最後に使うべきだったか?などという後悔をしていたら、ご機嫌なリョグが帰ってきた。

「マーラ様、あんた凄ぇな!」

「凄くない。私は賭けに負けた。切り札の触媒はもう無いしスタンピードは延長されたにすぎん」

「また賭けりゃいい、種銭ならたんまりあるからな」

そう言うと大きな箱を引きずってきた。中身は魔石がずっしり。

「なんだ?この街の隠し財産か?」

「いや、ついさっき拾ってきた」

そうか、自分の魔法だと思い当たった。

だが、残念ながら魔石は拾った者に権利がある。律儀に分け前の話か?それともわざわざ自慢しにきたのか?と剣呑な目に。

「そうか。それで?」

「この魔石で、傭兵を呼んでフールを狩らないか。いい使い道だろ?」

雇われる事はあっても雇うなんて発想は無かったし、面白いと思う。

「悪くないな」

「全てはアンタのお陰さ」

「訂正してくれ」

「あ?」

「私とエクスの共同作業だ」

ついムキになって言うと、ニカッと気持ちの良い笑顔でおどけて敬礼された。

「これは失礼した。部下にも厳重に言っておく」

「ありがとう」

笑顔でお礼を言ったら、変な顔で私の顔を見てくるのだけど。

「なんだ?何が言いたい」

「いや、あんたそういう表情もするんだな。·····可愛い」

「忘れろ!」

変な事を口走ったリョグを部屋から追い出し、扉を勢いよく閉めて鍵を掛けた。

背中を扉に押し付けて大事な事を思い出したが、部屋に1人きりだったと安堵する。

「勝利の味。そういえば街を守るのは初めてだな」

カンカンカン!

領軍が鐘を叩き、吉報を報せに街中を廻る音が壁越しに耳に入り、緊張が高まる。

「フォレストエンドの皆様、領軍です!こちらは領軍です。落ち着いて聞いてください。昼間の大きな爆発音は友軍の先制攻撃です。S級魔導師のマーラ様およびエクス大魔導師の大爆撃により、フールの戦力を半数撃滅しました。初戦は我が街の大勝利です!」

爆発するような歓声が聞こえ、街の人達のフールに向けられていた恐怖の感情が、私達にベクトルを変えて感謝と賞賛が脳に雪崩込んできたッ。

「んんああっ」

大量に流れてくる快感を伴う 感情(ココロ) エネルギーに、身をよじる。

「くふっ」

街を封鎖され抑圧された鬱憤のせいか、ここまで大きいのは初めて。

「んはぁっ」

思わず自分の巨乳を抱きしめると、柔らかな重みのある弾力に指がゆっくりと沈みこむ。

·····柔らか。

普段は邪魔な胸だけど、すごく気持ちいい。

「なのに、エクスときたら」

部屋の鏡には恍惚の表情を浮かべ発情した女の顔が映る。

「エロいな私。心を鎮めろ。はあっふーっ」

背筋をぞわぞわ這い上がる快楽を振り切るように、瞼を閉じ深呼吸した。