軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

132 キノコ狩り3

「奇跡です!森が恐れをなして拓けました!」

「ブタさん発見っ」

ライ姉が歓喜し、ニトラが隠れ家を無くしたオークを元気に追いかけ回し遠くへ。

ぱんぱんと埃を払う音を立てるのはルカ。

「ううっ、クリーン」

「少し休む?」

「ううん大丈夫」

ルカがふるふると首を横に振ったので、小さな手をとって平原に足を踏み入れると爽やかな風が吹いた。雲が太陽を隠すと今日は少し肌寒い。

「良かった。それでキノコを探したいんだけど、ちょっと困ってて。期待していたニトラが」

「なんで?あの子なの」

うっ、そんな目で見なくても。

「いや、獣人の嗅覚は人より凄いから」

「だから、そんな事しなくてもトレジャーアイを使えばいいのに。あっ·····ごめんなさい」

中級魔法なのかな?そういえばいつの間にか初級魔法縛りで考えてしまっていたような。

「いや、忘れてた。それ、みんなにもお願い出来る?」

「任せて」

「いいえ奥さま。私は荷物持ちなのでいいです」

ライ姉が申し訳なさそうに慌てて手を振ったので、依頼者は僕だけに。

「もうエクスは私がいないと何も出来ないんだから。いいわ、トレジャーアイ」

「ありがとう」

なぜかルカが嬉しそう。

バフの効果で、視界にキラキラ光るマーカーが浮かぶ。

どうもレア度で光り方が強くなるらしく、くま吉が1番光ってて眩しい。

「勝負だぜ!相棒っ」

「ふふ、いいよ。負けないから」

「エクス、負けた方が罰ゲームよ」

一方的に宣言したルカが、いきなり何かを見つけたのかしゃがみ込んだ。たぶん他の魔法でズルしているのだろう。

それにしても身内だけの時はすごく元気。

「あっ! エクスあった!」

「俺っちも見つけたぜい」

「2人とも早いね」

「奥さま、さすがです」

だが喜びから一転、悲しそうな顔に。

「これ、潰れてる」

キノコの残骸を差し出してくれた。

こんな酷いことをした犯人は分かっている。

でも僕は犯人を追求しないのだ。

「売り物じゃないから、いいよ」

「それもそうね。ちょっと!クレイジーベア。それは毒よ」

「なんでえ。ハズレかい」

ちらりと森に視線を向けると、ざわざわと木々が怯えて後退した。

ズオォォォン!

また少し遠くで罪なきキノコが潰された音が。つまり、あの迷い木達が犯人で、その黒幕はなんと僕。ふっ、悲しい。

ここは黒幕らしく、ルカ達が次々と採るのをのんびり見守ろうか。

「エクスのんびりしているようだけど、まさかもうギブアップ?」

「ひゃっほー。今度はどうでい?」

「偉いわクレイジーベア、☆6よ」

勝ったって顔してるけど。ふふふ、甘いね。先手を譲ったのにはちゃんと理由があるのさ。

聞くがいい僕の秘策を。

「ビギナーズラック」

あっ!て顔で2人が見てくる。おっともう真似出来ませんけどね。だから勝利宣言!

「時は満ちた、さあ一撃で勝負を決めよう」

輝く光りの筋が伸びてきたのは、どうやらさっき焼いた迷い木の近くか。

「ずるい!」

「くぅ、俺っちとしたことが一本取られちまったぜ」

「さすがです」

焼け跡に近づいてみると、キラキラと光りが強くなった。どうやら、地割れした地面に何かあるようだ。

☆20 神秘の大香木

☆7 選別の枝

★9 焼き 山栗芋(ほくほく)

☆0 焦げ山栗芋(炭)

☆0 キノコ(炭)

「はい、ライ姉」

「はああ、凄く良い香りです」

香る木片と捩れた枝を籠を持ったライ姉に渡す。

それよりも。

ファイヤーボールと魔物の根と地中の芋が奇跡のコラボ料理を完成させていたようで、なんと言えばいいのか。

「これは、バトルクッキング?」

焼き芋になった☆9芋を掘り起こして泥を落とすとホカホカと温かい。やや赤みを帯びた皮の美しさに誘われるように薄皮を剥くと、湯気が立ち上り金貨色のしっとり中身が現れた。

「熱っ、ふーふー。はぐっ」

息を吹き少し冷まして、がぶり。ほくほくと甘くて美味しい!ずっしりとした甘みが口いっぱいに広がり少し冷えた体を腹の中からじんわりと暖めていく。

これ、美味しいよっ。

大発見!

「ちょっと!エクス、何拾い食いしてるの?」

「ルカもはへて!これ凄くおいひーからっ」

熱すぎて上手く喋れないけど、この感動を冷めないうちに共有したいんだ!

食べかけをルカに渡すと、真っ赤な顔して受け取ったままじっと断面を見つめて固まった。

おっと、マナー的にアウトだったかな。といってもナイフとフォークなんて持って来てないけど。

「いらなかった?」

「ううん!」

首をぶんぶん振ってパクっと勢い良くいった。

「ああっ!冷まさないと」

「あひゅい」

ルカに涙目で見られたので必死に謝る。

「ごめんって。大丈夫?」

「ううー」

ポカポカ叩かれた。

ダメージはゼロだけど。

ようやく口の中が冷めたのか攻撃が止むと、もぐもぐしてごくんと喉が動き、はぅっと蕩けるように微笑んだ。

ほら、美味しいでしょ。

「美味し·····。ひゃうっ」

僕が見てるのに気付くと慌てて、くま吉で顔を隠して真っ赤な耳だけが見える。

「ふふふ、これは僕の勝ちだね」

「うー」

あまりからかっても可哀想かな。

くるりと、Uターン。

「さぁて、もう少し採ろうか。ライ姉、手伝って。豪華な夕食にしよう」

「はいっ」

マーカーの光りに案内されて平原を歩くと、次々とアイテムが見つかる。

☆14 荘厳キノコ(破損)

☆9 冬虫夏草(破損)

☆0 破邪の実(損壊)

☆3 森林翠石

☆1 屑魔石

☆8 極上キノコ(破損)

☆3 大森林キノコ(破損)

☆5 大森林キノコ

「おおー!生き残りキノコを見つけた!」

「流石ですっ」

大きな籠を持ったライ姉にどんどん渡して行こう。渡す度に、おおーっと目をキラキラさせて興奮してくれるので気持ちいい。

キノコ狩り楽しい!