軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

105 マイホーム6

「ルカはどの部屋にする?」

「どの部屋って?」

きょとんしたルカ達をご案内。

「家の中を案内するから付いてきて」

「がってんでい!」

「ありがと」

ルカとくま吉が目を輝かせてそわそわしてくれて嬉しい。

「相棒……でけぇ家だな」

「それに綺麗だし、新築。凄い」

炊事場にお風呂にリビング。

「ここが、食堂。最近はライ姉が屋台で買ってきた物をここで皆で食べてるんだ」

「そう」

あー、そういえばルカは人見知りだから、

今日から食事はどうしようか。悩んでても答えは出ないからとりあえず後回しにして案内を再開。

「ええっと、ここがライ姉の部屋で屋根裏はニトラの部屋。それ以外なら空いてるからお好きにどうぞ」

今なら、ずらりと並んだ部屋から選び放題。なんなら、宿屋だって出来そう。

あれ?なぜかルカが文句がありそうな顔で咎めてきた。

「ちょっと、エクス。こんなに部屋が空いてるのに、なんでさっきの小さな子を屋根裏部屋なんかに住まわせてるの!?獣人差別なんて貴方にはして欲しくない」

「何でって…本人の希望だから」

目をしぱしぱされた。

獣人の考えはちょっと変わってるから、その気持ち分かるよ。

「え?本人の希望なの。よく物語で屋根裏になんてシーンがあったから。あぅ」

「そう。意外でしょ」

ちなみに、そこにある空き箱もニトラのお家だと主張されてるのだが、これは黙っておいた方が良さそうかな。

「う、うん」

「まぁ、そんなわけで気にしないで」

空き部屋を紹介しながらてくてく歩いてると、空中廊下で繋がった離れの別棟に到着。

「主〜、この建物なんかどうでい」

「悪くない部屋ね」

建物1つを部屋と言い切るあたりはさすがはお嬢様。まぁ、大所帯だからぴったりな気もする。

「後で食事を部屋まで運ぼうか?」

「……いい。呼んでくれたら行ってみる」

ちょっと悩んだみたいだけど、一緒に食べてみるらしい。

「そう?ではまた後で。無理だったら2回に分けて食べるから気にしないで」

うーん。

ルカのお食事会デビューは、はたして上手くいくんだろうか?ニトラとライ姉というメンバーに不安しかない。

エクスが本館に戻ると、ルカは不安そうにくま吉に尋ねた。

「人との食事は大丈夫かな?」

「主〜。そんときは相棒を独り占めに出来るからよ、何も問題ねえぜ」

「そうね」

「ぐへへ。柔らかそうなソファーへダイブだ!ヒャッホー」

ルカも遅れて部屋にあったソファーに腰掛けた。ベッドは無いから今日はこのソファーで寝ることになりそうだ。

「エクスは凄いね!クレイジーベアー」

「あぁ!さすがは相棒だぜ」

悩みを棚上げしてにこにこ笑うルカに、くま吉が興奮して跳ねてると、ルカがわたわたしだした。

「あっ!忘れてた。クイーンに全部持って来れるよって伝えなきゃ」

「だな。そういやよ、主。他にも何か言ってなかったっけ」

「あー安全確保してとか言ってたかな。必要ないと思うけど。ソナー」

ピコンッ!と探知の波が円の形で広がっていき、次々と生命体の姿が脳裏を掠めて引っかかったのは獣人の幼女と馬だけだった。

「どうなんでい?」

「やっぱりクレイジークイーンの杞憂。誰かに監視されてる様子はないわ」

肩を竦めると、クレイジーベアーが鞄を漁って魔道具の水晶玉を取り出した。

「あー、クイーン。俺っちの声が聞こえるか?」

「聞こえてるわ、ベアー。状況を教えて」

水晶玉の向こうで優雅に椅子に座ったうさぎが映る。

「オールグリーン。それと朗報がある」

「まあ!なあに?」

「相棒の家は豪邸だ!なんと今いる拠点より広い別棟を、部屋として貰ったぜい」

「やるわね!エクスさん」

うさみみがぴくぴくした。

「そういう事だからよ、楽しみにして適当に合流してくれい」

「そう、なら今からそっちに行くわ。ところでお邪魔虫はもう排除したの?」

ルカはキッと水晶越しに毒舌うさぎを睨む。

「クイーン!お邪魔虫なんてっ、1人はとても小さな子なのに!」

「あら、私は誰の事なんて具体的に言ってないけど?」

「うっ、ずるい」

「そう、ずるい女になるのよ。男なんて信用出来ないんだから。それに王都の学舎に行かせるとか平和的な排除方法もあるわ。貴女が幸せになるためによく考えて」

うさぎからの通信が切れると、ルカがソファーの前にあったローテーブルに突っ伏した。

「むー、なんであんな事を言うの?クイーンは」

「さあねぇ、色々あったんだろ。アイツは虚ろの国じゃ有名人だし」

「何かあったの?」

「喋りすぎちまったな。女の過去を詮索するのは野暮ってもんよ」

肩を竦めたくま吉への追及を諦めたルカはごろんとテーブルで仰向けになってぼんやりと聞いた。

「エクスの虚ろも有名人だったの?」

「そういや、あいつは悪い意味で有名人だったな。落ちこぼれとか、噂なんてアテにならねえもんだぜ」

くま吉を捕まえたルカはテーブルに仰向けになったままくま吉を両手で掲げて鳥のように飛ばす遊びをする。

「そうね。びゅーん」

「へへっお陰様で空も飛べるってヤツよ。主、無理してねえか」

遊びを止めてぎゅっと抱きしめるとソファーにごろんと戻って乙女の顔になる。

「うん。不安。エクスに好かれるにはどうしたらいいかな」

「そりゃあよ、素直になるしかねえな。心を裸に、いっそ服なんて脱いじまえよ」

弱ってるものに忍び寄るのは虚ろの甘言。だが、彼らの言葉を決して聞いてはならない。それが善意であろうとも彼らは人間と常識が異なるのだから。

「薄着、裸。ううっでも、それって恥ずかしくない?」

「主、俺っちを信じな」

真っ裸で過ごしてるくま吉からのクソアドバイスを貰ったせいで、食事の連絡がくるまで悶々とする事になったルカだった。