作品タイトル不明
185.調査依頼
大穴から出てきた黒獣を始末した俺たちは、里長の家に通されていた。
……というか、里長はエナのおじさんだった。
「ジーク殿。このたびはおらたちを助けてくださり、誠に感謝してる」
「本当に、ありがとうなのです!」
里長の家に集まったのは、この街の要人たちらしい。
みなドワーフで、ぺこりと頭を下げる。
「気にすんな。俺はすべきことをしただけだ」
「うむ……しかしおぬしのその強さ、どうなっているのかや……?」
「あ、いや……その、あんまりそこには触れないでくれ」
魔王とバレると、快く思わない奴らも出てくるだろう。
魔物が人を襲わなくなったとは言え、魔王を忌避するやつは多い。
「うむ、恩人の頼みだに、詮索はこれくらいにして、本題に入ろう。エナから聞いてるかも知れぬが、ここドワーフの国は危機にさらされている」
「黒獣か」
「そうだに。突如あいた大穴から現れる、黒き獣。やつらのせいで鉱山には立ち入れぬし、それに土地も毒で犯されておるのだ」
「毒……」
「ああ。まあ、おぬしがパパッと治癒してしまったがな」
街を治す際に土地の毒も解毒しているらしかった。
「しかし根本治療にはなっていない。原因を取り除かないとな」
「うむ……そこで、ジーク殿。おぬしに、大穴の捜索を依頼したい」
願ってもない申し出だった。
そもそも大穴ができる、地盤沈下の原因を探ろうとしていたところだったからな。
「謹んで、受けさせてくれ」