軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

075 パーティ

そんなこんなで、オレはエグランティーヌたちをパーティに加えることになった。エグランティーヌにはオレとアリス、コレットがダンジョンに潜っていることを知られてしまっているので、やむをえない形だ。

エグランティーヌたちにも仮面と偽名を用意してやれば、たぶんダンジョンに入ることができるようになるだろう。

まったく、ダンジョンに入れるのが十五歳からなんてルールが面倒で仕方ないな。

だが、パーティとして見れば大幅な戦力アップをしたことになる。エグランティーヌたちは新人戦ベスト8以上の強者だしな。ダンジョンの攻略もこれまで以上にスムーズになるだろう。

お姫様をダンジョンに連れて行ったなんてバレたらたいへんだが……。もうなるようになーれ。

「んで、エグランティーヌたちも参加するってのか?」

「そうなる……」

エグランティーヌの離宮で、コレットが難しい顔を浮かべて疲れた表情のオレとニコニコ笑ってるエグランティーヌを見比べるように見ていた。

「ジル様、本当に大丈夫なんですか? エグランティーヌ様がダンジョンに潜ってるなんて学園に知られたら……」

「そのあたりはエグランティーヌ殿下がなんとかしてくださるさ」

「そう、ですか? あ……!」

なおも心配そうにオレを見上げるアリスの頭を撫でた。

オレたちのダンジョン探索は、すべてエグランティーヌがわがままを言った結果となるらしい。バレたらオレたちも怒られるだろうが、主犯はエグランティーヌだ。そこまで怒られないだろう。

「じゃあ、そろそろ行くか」

「行くのはかまいませんけれど、わざわざ制服で来るように言ったのはなぜなの? 装備に着替えてから行った方が楽じゃない?」

エヴプラクシアが荷物をオレに見せつけるように言った。

きっとあの荷物がエヴプラクシアの装備なのだろう。

「制服で出かけて、途中の宿で装備に着替えるんだ。その方が見つかりにくいだろ?」

「面倒ですのね」

「まあまあ」

嫌そうな顔をするエヴプラクシアをコルネリウスがなだめる。

「途中で仮面を買う必要があるな」

「それはどうしてですの?」

「エグランティーヌ殿下、顔を隠すためです。バレたら怒られますからね。それからお互いの呼び名も変える。オレはジャック、アリスはジゼル、コレットはクロエ、エグランティーヌ殿下はバラ、エヴプラクシアはシア、コルネリウスはコルネだ」

「エグランティーヌ様はそれでよろしいでしょうけど、わたくしとコルネリウスは適当じゃない?」

「コルネって、なんだか女の子みたいだね」

コルネリウスがちょっと恥ずかしそうにモジモジしている。

「まぁ、その場限りのものだし、いいだろ? それとエグランティーヌ殿下、ダンジョン攻略中は正体がバレないように平素な言葉遣いをさせていただきます。よろしいですか?」

「わたくしはかまいませんわ」

「エグランティーヌ様がよろしいなら……」

「ワシもいいよ」

「じゃあ、決まりだ」

妙にニコニコのエグランティーヌを連れて、オレたちは歩いて学園を出た。貴族組は歩いて街を散策したことがないのか、物珍しそうにしている。

「まずは仮面を買おうか」

「わたくしは鎧のフェイスガードがありますが?」

「エグランティーヌ殿下も一応買っておきましょう」

エグランティーヌとエヴプラクシアはネコのモチーフの仮面を。コルネリウスはシンプルな黒い仮面を選んだようだ。

「あとは適当な宿を取って、そこで着替えます。着替えたら宿の前に集合で」

そこそこセキュリティーのしっかりした宿を取り、そこで各々装備に着替える。オレも白虎装備に着替えて宿の前に行くと、真っ黒な巨人がいた。

「コルネか? 早いな」

「その声、じ……。今はジャックだっけ?」

「ああ、ジャックと呼んでくれ」

コルネリウスは、ドワーフらしく重装甲かと思ったのだが、意外にも軽装備だった。槍を使うからかな?

「お待たせしました」

「お待たせ」

「着替え終わったわよ」

アリス、コレット、エヴプラクシアも着替え終わったらしい。

エヴプラクシアは黒い折れ曲がったとんがり帽子を被り、豪奢な黒いローブを身に着けていた。杖を持った姿はまさに童話の魔法使いだ。

「お待たせしてしまったようですわね」

そして、最後に現れたのは、白銀の全身鎧に身を包んだエグランティーヌだ。左手に大きめの盾を装備し、その姿はパーティの守護者として申し分ない。

「かわいい……」

「ですわね。ジル、いえ、ジャックはなぜそんなかわいらしい格好を?」

エヴプラクシアがオレをキラキラした目で見上げて呟き、エグランティーヌがうんうんと頷いている。

オレだって格好を選べるならもっとカッコいい装備を選んださ。

でも、白虎装備が一番相性が良かったんだよ!

「ねえ、触ってもいいかしら?」

「好きにしてくれ……」

こうして女の子たちにもみくちゃにされながらも、オレたちはダンジョンに行く準備を完了させたのだった。