作品タイトル不明
獣ダンジョン3階層の巨大裂け目2
3階層の最奥のボスと思われる巨大なロック鳥が羽ばたいたと思ったところで、≪風刃≫がいくつもこちらを攻撃してくる。
「きゃあ!」
「くそ!」
予期せぬ攻撃であり、仲間の何人かが傷ついている。
命の危険があるような怪我ではないと安心するが、壁魔法の発動をしていなかった油断と反省するユリアンネ。
再び巨大ロック鳥が羽ばたく気配がするので、≪氷壁≫を仲間たちの前に発動しつつ、≪火槍≫で攻撃する。
今度は≪風刃≫ではなく≪強風≫のような攻撃だったようだが、壁があるので影響はない。しかし、こちらの魔法攻撃も軽やかに回避されてしまっている。
「まずいな、魔法攻撃か」
「しかも上空を飛ばれたままっていうのも、面倒だな」
「ただ、精度は高くないのか、味方がいると発動しないのだろうな」
「確かに。じゃあ、今のうちに」
ユリアンネとドロテアが手分けして回復魔法を発動して仲間を治療しておく。
「ユリ、あれを頼むな」
ロック鳥に言葉で漏れると思えないのに、シミリートが目配せしてくる。
そのやりとりがしたかっただけなのだろうと、心の中だけでため息をつきながらその意図の通りに使い魔シルヴィスをこっそりと足元から低空のまま飛行させる。
そして、自分たちとかなり離れたところまで進んでから上空に上がらせる。
その間に、すでに取り巻きのロック鳥との戦闘も再開しており、魔物たちの視界にはシルヴィスはいないものと思われる。
最後に念押しで、上空のロック鳥たちに≪火槍≫を何本か発動して注意を逸らしておく。