作品タイトル不明
教会のお礼2
「はい、お手伝いさせていただきます」
昨日に比べて大幅に少ないとはいえ、教会での治療の話が広まったのか、今日も希望者が教会に来ている。
シスターたちでは対応しきれない数というので、教会に来ていたユリアンネも手伝うのであった。
「助かりました。本当にありがとうございます」
「いえいえ、でもこれでだいぶ目処がついた感じですかね」
「そうですね。ここに来ることができる程度の方でしたら……」
初日にも話のあった避難民の男性から、キャンプ地に足を運んで欲しいと再び言われたのはシスターも耳にしていたのである。
その彼は、今日は別の病人を背負って連れて来ていた。しかし、そういうこともできないほど寝込んでいる病人が居るというのである。
「もし可能でしたら……いえ、そこまでのご無理は。すみません、忘れてください」
シスターもいったん口にしてしまったが、本来は他国からの冒険者であり、そこまで無理は言えないことを思い出す。
「……この魔導書で学んだことを、練習させていただきますね」
ユリアンネもそのシスターの気持ちも理解できるので、できるだけ負担に取られないような言い方をする。
「でも、明日もこちらに来て、写本の続きを完成させて、中身を理解してからになりますけれど」
「ありがとうございます」
「こちらこそ、上級魔法を学ばせていただく機会など、滅多にあることではありませんので」
ここにシミリートが居れば、先日の古代魔導書には上級どころか王級魔法もあったと言いかねないと苦笑いしてしまう。