作品タイトル不明
難癖商人?の処分
「まずはお礼を申し上げます」
オリガ王女が改めてシミリートとユリアンネに頭を下げてくる。
「いえ、降りかかった火の粉を払っただけですよ」
「その火元の消火までしてくださったわけですから」
「と言うことは、衛兵の皆さんからお話は聞かれたということでしょうか」
「はい」
シミリートとユリアンネはクレーマーかもしれない相手の拠点に、準備もせずに向かうのは危険と判断していた。
そこでオリガ王女を人質にしてダンジョン踏破を指示されたときの縁をもとに、衛兵に相談していたのである。
「ユリさんの使い魔には驚いていましたよ。建物の外で待機しているときでも、踏み込むタイミングについてちゃんと意思疎通ができたと」
それもあって、ユリアンネは応接室で発言もせず大人しく、そしてたまに目をつむっていたのである。
「ま、シミが無茶をしないか不安だったけれど。途中から演技していた言葉も甘くなっていったし」
「それでも、それなりに演技はうまくいっただろう?最初は下手に出ることで、向こうを調子に乗らせたのだし。あんな偽物のポーション瓶を出してくるなんて、普通の店の人でも気づくことだろう?」
「普通の店の人は、あんなチンピラたちに囲まれて脅されたら素直にお金を払ってしまうのでしょうね」
「あいつら本当に商人だったのかな。言動が悪人そのものだったし」
「そういえば、焼肉屋でのやりとりも聞きましたよ」
「あ。こちらこそ、貴族っぽい人に、オリガ王女から私たちのことを聞いているみたいな」
「あぁ、確かに貴族ですが、気さくな人たちだったのでは?」
「それは確かに。変な気遣いはしないように、とさせてくださって」