軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

90.試乗会

後ろ足から火を噴くカメレオンON俺!!

いやもうなんというか、かっこいい……か? 奇抜なんだよ。なんとも言えないくらい俺たちだけ浮いてるんだよ。

くっそ、週末の騎獣の谷解禁で、珍しいものみんなバンバン捕まえてくれよ!

帰りの飛行船もまた1時間だ。スキップ拒否のクランメンバー。どうやらヴァージルからこぼれ話を拾おうとしているらしい。

とはいえ話題は基本騎獣。

「呼び出す時に赤水晶は必須だね。あとはまあ、移動中の戦いを頑張った時や、少し疲れているようだったらあげたらいい。望むままに与えるのは止めた方がいいよ。騎士団の中にもいるんだが、騎獣が嬉しくてついついあげていたらそれが普通の量と認識してしまったらしく、際限なく赤水晶を要求されている」

「戦闘にも参加してくれるのか……」

「むちゃなことをさせなければ、騎獣は利口だから、有利になるよう動いてくれることが多いよ。騎乗中に襲われたときなんかにね」

「大切にするわよ~」

嬉しそうなピロリ。可愛かったもんなぁ。中身あれだけど、外見に引きずられてる……。好みとか、絶対。リアルに影響でないのだろうか?

ソーダ:

くっそ……セツナのカメレオン、動画で自慢してえ……。

ピロリ:

色々と暴露事項がありすぎてこまるねwww

半蔵門線:

www

柚子:

ちらっがいいんじゃよ。人の、隠されたものへの想像力は恐ろしいぞ。……面白くなるじゃろ!

八海山:

ヴァージルは絶対映さないようにしておけよ。ヴァージル親衛隊スレ、この間覗いたらなかなかの強火多め。

案山子:

セツナっち、血祭りっ!!!

セツナ:

まあ、クランに迷惑かからないなら俺はどっちでもいいけどヴァージル関係は隠して行きたい。面倒なの寄りついてきたらやだし。

「騎獣に乗って狩りってどこら辺が楽しいだろうなぁ~」

「ハナちゃん怪我したらやだし、移動だけ一緒でいいわ。移動中に攻撃されたらそれはそれで」

「まあそうなんだけどさ」

「拙者もどこか過疎ってる草原で駆けてみたいでござる」

馬、やっぱり普通にかっこよかった。羨ましい!

「それなら、始まりの平原の先の、コーララ草採りに行くところは? 山脈の方」

「それッ! いいねッ!!」

過疎マップ言われてたしな。ついでにコーララ草採って婆さんの土産にしてやろ。

「ヴァージルさんはどうします? 俺たちは2日寝て1日動きまくるっていう変な生態だけど、ヴァージルさんは夜中付き合ってもらっちゃったし、さすがにきつそう」

「そうだなあ、確かに少し帰って休むのが本来なんだろうが……」

ここで言葉を切る。そして俺に流し目。

「セツナのカメレオンが気になりすぎる」

爆笑が起こるのがおかしいとおもいます! ぎょろちゃん愛されてるってことじゃん。

馬は惜しかったけど、俺はちょっとぎょろちゃんに愛着がわきつつある。メタリックなところもいい。

……ロボだな。

ファンルーアで飛行船を下りて、一応ヴァージルの身の安全を考えイェーメールに飛ぶ。アランブレのポータルはクランハウスがあるからないのだ。

ポータルは今のレベルだと3つしかとれないらしい。

イェーメールを出てすぐはまだ結構人がいる。

「もう少し先まで行って出そう」

出すたびに赤水晶を使う。まだ赤水晶が必要だとはバレていないらしい。

今日のうちに掘っておいた方がいいかもしれないなと思う。

飛行船でヴァージルにも勧めながらEP回復もしたので、俺たちは元気もりもり。

さあ、出でよぎょろちゃん!

騎獣石の近くへ、手のひらの石を差し出すと、舌がみょんっと伸びてくる。そしてぶわりと姿を現す月の明かりに照らされたぎょろちゃん。

うん、段々とホント、可愛くなってくるわ。

アンジェリーナさんの馬の横を走るぎょろちゃんの姿を考えないときだけ!!

そこだけなんだよおお。ぎょろちゃん、ああ、ぎょろちゃん。可愛い……可愛いぎょろちゃん。

ま、思いっきり可愛がりますけどねっ!!

「よし、ぎょろちゃん行くぞっ!」

俺はぎょろちゃんの尻尾の付け根あたり、後ろ足の上くらいに乗る。

いや、乗る位置ね。わかる。これが難しいんだよ。ちょうどイメージするあたりに乗るには、そこが一番弓なりになっているんだ。ぼこっと。なので乗りにくい。とはいえ、頭の、前足の辺りだと斜め感がひどい。結局この位置が一番安定する。

そしてジャンプと同時に後ろ足から噴き出す炎。あとは空中を滑空しているような感じになる。長い巻いてある尻尾が、舵のようにちょいちょい動く。

ライオン、馬タイプは地を駆けるようだ。とても早い。蹴る力が強いようで、一回足を動かすとぐんと距離を行く。

狼や虎系はぎょろちゃんと同じ滑空系。ジャンプで前方に高く飛んで、その後翼もないのに不思議な揚力が働いて距離を伸ばす。

チャウチャウが……かわ……かわよ……ぴょんと飛んで進んだと思ったらちょこちょこ走る。ぴょんとちょこちょこを交える複合型。

ぎょろちゃんはずっと横滑りです。最初のジャンプのみ!

『ハナちゃん、それで追いついてるのが謎ッ!』

『なぜ間に合うのかハナちゃん……』

『ちょっと遅れてるわよ。どうしても。なんか、八海山の黄桜がこっちめちゃくちゃ気にしてくれてるわ』

『まさかの騎獣まで面倒見がいいタイプでござるか』

『まあ、全部ぎょろちゃんにもってかれるけどな』

うん……少し後ろにずり落ちてる感じで乗ってる俺です。ロボなんだよなあこれ。

『騎獣に乗りながらミュス倒せない!!』

『ミュスなんて捨て置きなさいよ……』

『せっちゃんのミュスへの憎悪がやばいのじゃ』

「いやーしかし、結構距離があるのにあっという間だったな」

コーララ山脈の上の方。ちょっと登りは種族特性出ちゃったね。馬は上がりにくそうだった。平地が早いんだな、きっと。途中からスピード落としてたらしいし。

反対に、猫系はすばやかった。狼もそれなり。

ぎょろちゃんは……噴射角度がちょっと変わりました。そこまで遅いわけじゃないけど、猫系には敵わない。

「ぎょろちゃんいたら、ファンルーアからローレンガまで敵無視で突っ切れるかなぁ」

「どうじゃろう、ほら、この間商人エルフの馬車で突っ切ったじゃろ? 御者のお姉さん結構相手してたぞ」

「てことはローレンガへ行くのは俺一人じゃまだ無理かー」

あそこも探索まだまだしたい。ファンルーアはちょっといざこざ起こしたからしばらく近づきたくないし、やはりアランブレ、イェーメールあたりをうろちょろするしかない。

「ローレンガに行きたいなら付き合えるけど?」

ヴァージルがニコニコしてるけど、お前こそファンルーアにしばらく近づくな!