軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

61.緑水晶採掘のはず

でもだからといってそれ以上なにかできるわけでもない。

もうだいぶ前の話なのだから、今更だろう。とりあえずヴァージルにはハトメールを送っておく。

亡くなっているミトが発見された前々日、夜中に誰かが家を訪れたということ。そのときにはまだメモの山はあったようだということ。

そのうちなんかしらのアクションがあるだろう。

「色々とありがとう。それじゃあ俺はそろそろ行くね」

「にーちゃんまたお菓子くれ」

「友だちにたくさん作ってもらうよ」

話が進展したら功労賞はあげたいな。

朝市があった場所は、今度は普通の露店が立ち並ぶ。朝よりも食べ物が減って、野菜や雑貨が並んでいる。ユーザーの露店ではなく、NPC露店だ。

「セツナ!」

人混みの中からソーダが現れる。というか柚子以外みんな一緒か。

柚子は、たまにクランチャットに、納期がぁとの声が漏れていた。第4都市で少々時間を使いすぎたらしい。

「あと8時間くらいだろ。ここのダンジョンでも行くか?」

「ダンジョン……役に立てる?」

「ダンジョンというよりは、緑水晶集めかな。イェーメールは2番目の街だからそこまで街付随のダンジョンはきつくないし」

緑水晶はポータル開く材料!

「行く!」

「んじゃそうしよう」

「競争しようね」

「セツナ君は、採集用ピッケルないんじゃないか?」

「あ、俺ッ! 余分が倉庫にある、待っててッ!」

掘削になるとかで、ピッケルがいるそうだ。ありがたく借りた。

第4都市の付随ダンジョンはフィールドダンジョンだったので、今度こそイメージ通りの地下にあるやつ! 色々な鉱石が採れるし、緑水晶が手に入るのでいつも賑わっているという。

「レベルも低いから、始めたばかりのユーザーが緑水晶を金策用として採掘もしてる。戦闘時は他巻き込まないよう気をつけてな」

ここ、フレンドリーファイアーありだから、大きな魔法は危険らしい。

そして、高レベル者による容赦ない仕打ちが始まる。

「セツナ殿ぉ~! 連れてきたでござるよー」

半蔵門線の後ろには、10体以上のモロンボという、白くてふわふわの可愛い毛玉のようなモンスターが、ぞろぞろぞろぞろ連なっていた。

「半ちゃん……」

やり過ぎだぞ……。

「もう倍持ってきなさいよ。効率が悪い」

「いやいやいや、十分だから」

半蔵門線ほどになると、この程度のモンスターから攻撃はくらわないそうだ。

「20体はさすがに拙者の避けでもちょいちょい食らいだすでござる」

「安全第一ッ!」

モロンボとどめ刺されるときキュイって鳴くんだよ。ちょっと可愛すぎん? ミュスの憎たらしさと天と地の違い! キュイってなんだよ。キュイって。

ちなみにこれも途中から弱点がわかってきて、一撃になった。白い毛玉に集られる、黒づくめのひょろござる。それを一つずつ潰してく俺。いじめでしかない。

「緑水晶の採掘がやりたい」

「せっかく人がいないからレベル上げとけよ」

「これってこう、スキル的なものが全然伸びない気がする」

「まあ、そうだろうな」

ピッケルで壁をこんこんやってる八海山からの冷静なお言葉。

「レベルは上げておいて損はないよッ! 頑張れッ!」

確かにそれはそうなのだが。現状そこまでレベルを必要としていない。

「ウロブルに行くとき道中でころっと死なれても困るから。要求レベルまでは上げる努力しようね、セツナくん!」

先行パーティーの要求って厳しいですね。

おかげさまでLv21になったので、その後は緑水晶ほりほりに明け暮れた。緑以外にも青赤黄色ピンクと色々ある。未だに何に使うかわからない物もあって、ストレージの肥やしになっているらしい。

おかげさまで【採掘】が生えた。金属加工なんかをやる人は、必須のスキルだそうだ。そして、鉱石はわりとNPCに高く売れる。そんなところもあって、ここはなかなかに人気ダンジョンらしい。

緑水晶もたんまり手に入り、そろそろ時間も近づいてきたと、オークションへ行く準備をした。結局みんなの【持ち物】やアイテムポーチが満タンになってしまったのでクランへ一度飛んで着替えてからイェーメールに。

「セツナくん、そのポーチどこで買ったの? 結構大容量じゃない?」

「冒険者ギルドのお姉さんに紹介してもらって、街の鞄屋さんで」

「街の鞄屋さん?」

「まだ駆け出しだからとかなり値引いてもらえた気がします。10万シェルしなかった」

「お買い得ね、その容量でそれなら、普通に……お買い得よ」

「お友だち紹介してもいいかって聞いたら、是非って言ってたから、紹介可!」

「今度連れて行ってもらいたいわ」

今のアイテムポーチ、容量が俺のより少ないらしい。

レラントさん喜んでくれるかな~。

さあ、黒服集団でオークションへいざ出陣。

柚子は間に合いませんでした。

大きなお屋敷で、扉の前に門からの庭があるやつ。

そして扉の前には俺たちと同じような黒スーツの強面が2人と、ひげを生やし、頭をぴっちりなでつけた男が待ち構えていた。

俺の顔を見ると一礼する。

「セツナ様とそのご友人の方々ですね。冒険者ギルドから承っております。セツナ様はどうぞこのまま。皆様は参加費として10000シェルお願いいたします」

みんなはもちろんそれを支払う。

するとメイド服を着たお嬢さんが現れ、俺たちを先導した。

「皆様、オークションのルールをご存じですか?」

「欲しいものに欲しい金額を宣言すればいいんだろ」

ソーダの言葉に女性は頷く。

「その通りでございます。一度提示した金額を取り下げることはできませんので、ご注意ください」

他にも会場には100人くらいいるように思える。

映画館のように、中央の舞台が一番低く、周りの席は段々と高くなって、誰でも十分商品を見ることができるようになっていた。オペラグラスの貸し出しも行っておりますと言われたが、必要ないと断っていた。

後ろの方とか。見えなくない?

『あ……セツナくん【鷲の目】スキル手に入れてないか』

『あ……ごめん。セツナ頑張れ、【鷲の目】手に入るかもしれない。じっと見てろ。段々見えるようになる』

みんなスキル持ちでしたとさ。

ここら辺はちょっと狩りしてたら自然と手に入る物らしい。

近場のミュスしか見てないから……これからは少し遠くまでミュスの気配さがすようにする。