軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

269.ウロブルの学院で

俺が今後やりたいこと。

まず大命題。修復師として頑張ってアンジェリーナさんともっと仲良くなりたい。

なんか、……ヴァージルの方が仲いい気がしてるんだよなぁ~肌感。まー命を救ってるからどうしたってそうなるだろうけど、俺が一番仲良しになりたいのはアンジェリーナさんなのにっ!

次は、本を読みたい。知力プラスは嬉しい。その分器用さに回せるからな。

あと気になっているのは、ヒューマン種族クエスト。俺もヒューマンだし、あの海から陸地へ、陸地から空へって話は気になる。ファマルソアンは空の国の ムルス(無翼) が地上に流れたとも言っていた。ちょっと話が違う。またはどちらも正しいのか?

さらに、地上と空の確執となった事件。王子の転落事件の真相も気になった。絶対これも調べたらなんか出てくるやつだろう。

狩り以外のゲーム的なクエストをしたいなぁと思いました。

アンジェリーナさんとお話しできて、本を読んで、ミュスをしばいていたらOKだった初期とはやはり違ってくる。どうしたって、交流する面子が増えてきた。

仕事の気晴らしに、寝ている間に狩りしてふらふらしてと思っていたのが、すっかり楽しみの一つとなったのだ。

ウロブルの学院もしっかりもう少し中を見て回りたい。

生活魔法めちゃくちゃ助かったし、新しいのが生まれていないかも探りたかった。

つまり、現在やりたいことは、あくまでアンジェリーナさんを除けば空の国と、ウロブルというところだ。

空の国関連は開いたばかりで忙しいだろう。

ここはやはり、ウロブルだ。

ウロブルへは帰還を使ってポチッとななのも楽でいい。

久しぶりに生活魔法研究室準備室からこんにちはする。

ブラウン先生はいつもの通りだらりとソファに寝転んでいた。

「よ!」

「こんにちは! 相変わらず……暇そう?」

「俺は深い思考に浸っていたところだ。断じて暇をしていたわけではない」

まあ、そういうことにしておきましょうか。

「以前、アリの外殻が毒に弱いと言ったろ? で、どんな毒がいいかを聞いてみたんだが、結構本格的に調べだしてな。お前が来たら呼んでくれと言われていたんだが、一緒に行くか?」

「おおっ! 行きます」

そんなわけでまた学院内をずんずん歩く。足が相変わらず速い!

「そういえばセツナは学園の方には行かないのか?」

「え、お勉強し直すのもう嫌ですよ。学院は研究見せてもらえるから楽しいけど」

「ならいいが。今の学園はちょっとごたつきそうだからあまり近づかない方がいいぞ」

「と、いいますと?」

なんだなんだ。とても気になる。

「ほら、この間ケルムケルサとドンパチしただろ?」

「しましたね」

まさにやってきましたよ。

「戦争推進派と、和睦派でかなりもめたらしいんだ。結局来訪者がかなり動いてくれたらしいな。双方にそれほど人的被害を出さずにまとめたとか。で、国交復活と」

王様始末してたけどね。あれを人的被害があまり出ていないで終わらせられるなら……まあ。

「ただ、そのおかげでテラエトゥーラの推進派と和睦派がかなり険悪になっていて、親が険悪なら子もそうなっちまうんだよ。貴族の息子や娘がわんさかいる学園は、今派閥戦争が盛んらしい。子どものすることだからなぁ、加減がわからないやつも多数いる。かといってかばったり加勢したりすりゃ、どうなるか」

あとでクランのみんなに聞いてみよう。結局、ソーダと案山子以外も学園に潜り込んでいる。寮の部屋目的だ。定期的に授業を必要数とるだけだから楽だと言っていた。

「おおう……学院は平気なんですか?」

「こっちは学園卒業してまだなお研究にのめり込みたい馬鹿ばっかだからな。そんな派閥なんて面倒なものに与するヤツはいないんだよ。ただまあ、パトロンとして資金を提供してくれている貴族がいるのはいるから、ゼロではないんだろうが……まあ、研究馬鹿ばっかだからな!」

馬鹿なら仕方ねえなっ!!

派閥争い < 研究 なんだろうなぁ~。

扉をいくつかくぐり抜け、俺の持っている許可証では通れないあたりにやってきた。そしてわりと大きい部屋の扉を叩く。中から返事がして入っていった。

「よ、セツナがきたから連れてきたぞ」

「お邪魔しまーす」

そこにいたのは……実験に失敗したのかな? 茶色い髪が、爆発しているもじゃもじゃ頭の男性……エルフ? え、エルフもじゃいたの? ドワーフでは結構見つけたんだが、エルフでストレートじゃないNPCは初めて見た。

「セツナ……?」

「ほら、アリの外殻の毒教えてやるって言ったろ」

「あー!! セツナくん!」

「よろしくお願いしま~す」

部屋は実験室仕様だった。大きなテーブルに流しがついていたり、ガラスのフラスコや試験管が所狭しと棚に並んでいる。きちんと整理整頓されている部屋だった。

もじゃの他にも白衣を着た大人が何人も行き交っていた。使っているテーブルはもちろん物がたくさん置いてあるが、以前カエル毒の実験をしていた部屋よりずっと綺麗なのだ。

こっちの方が安心する。

「おい、アリの外殻持ってきてくれ」

すると、白衣の1人が棚から外殻を持ってきた。あちこちハゲた痕がある。

「すごいですね、こんな風にハゲてるのは初めて見ました」

アリの外殻本当に強いんだよ。俺の【ポイズンボム】でもこんな風に穴が開きそうなほどにはならない。

「アリは毒に弱い。そして毒の中でもこの毒に弱いんだ」

そういって冷蔵庫のような密閉された棚から試験管を持ってきた。毒、赤い。

「とある花から抽出する毒なんだ。ナガミヒナゲシというオレンジの花から取り出した毒がよく効く。この花ウロブル周辺によく咲いている、不用意に触ると皮膚が爛れるから注意が必要だ」

ナガミヒナゲシ、覚え……忘れそうなのですぐメモります。

「セツナくんは毒魔法は使えるか?」

「あ、はい。覚えていますが、初期の物しか知りません」

「なら調薬でこの毒を生成し、魔法として使う術を教えてあげようか?」

「是非!」

もじゃはにやりと笑った。

「ならば、こちらの頼みも聞いてもらおうかな」

うう~~ん、これは新しい魔法を覚えるためのクエストだー!!

「俺1人でできるかわからないですけど、頑張ります」

もじゃはうんうんと頷いていた。