軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

258.ダンスのパートナー

柚子の娘ちゃんに頼まれたんじゃあ仕方ないか。

誰か相手になりそうなNPCいないのかな。

それか自分で見つけさせるか。

「ヴァージル、踊れるの?」

「ん? ああ。一通り踊ることはできるよ」

「見てみたい!!」

無邪気におねだりコースにしてみた。

だが本人は当然困った様子。

いやさ、プレイヤーはほんと、途中喪失あり得そうだから誘えないし、ちょうど良さそうなNPCはいないか〜!?

そして目が合うリオノーラお嬢様。

が、次の瞬間立ち塞がるイコルム子爵。笑顔が怖いね!! これはダメです。

「お相手難しいか……」

「下手に令嬢と踊ってもなぁ」

「誤解させそうだな」

いつの間にか帰ってきてたフェリックスが笑う。アランも笑ってる。

「じゃあアランで踊ってみてよ」

「はぁ!? セツナくん、無茶が過ぎる!!」

ブンブンと首を振り倒して全身拒否の構え。

「聖騎士団に迷惑かかるからダメっ!」

他所でやらかすわけにはいかないそうだ。今日は正装でお招きされている立場だから。

「……フェリックスさんなら」

「ご令嬢から恨みを買うのは悩ましいな。まあ士官学校でならそういったお遊びは良くやったけどな。女性パートも踊れる」

「確かに」

確かにってなんだよ、ヴァージルさんよ……。

セツナ∶

ピロリさえいれば!!

ピロリ∶

私だって残念よ〜可愛いドレスでヴァージルと踊りたかった!

八海山∶

怖い怖い。

「じゃあ、セツナと踊るか。見てるより踊ったほうがよくわかるよ」

はぁ?

「いや、男と踊るのはちょっと……」

「セツナ君、俺に勧めたよね??」

アランニヤついてる。やだよ!! どう考えても俺が引き立て役だろがぁ!!

「来訪者相手なら変な邪推もされないな」

フェリックスさん裏切りやがった!!

「セツナ、意中の人と踊る時に、経験しておいたほうがいいんじゃないか?」

ニッコリ。

意中の人。

ふぁっ!! あ、あ、あああアアアアンジェリーナさんとダンス!?

それは、それは練習しておかねばっ!!

スキル出さないとっ!!

「練習するっ!!」

みなぎるやる気!!

「え、セツナ君、好きな子いるの? そりゃ頑張らないとな!」

俺はヴァージルから差し出された手に、そっと自分の手をのせた。

「逆、逆!! セツナくん男性側ならヴァージルリードしないと」

笑いながらアランに指摘される。が、そのままヴァージルに手を引かれ、ダンスエリアへ突入。

《ミッション! 正確にダンスステップを踏み抜け!》

「まあ、俺が女性パートだけど、リードもするから」

「よろしくお願いします!」

ソーダ∶

ちょおまwww セツナwww なに? 絆の力なのか?

セツナ∶

アンジェリーナさんと踊る時のためにスキルを出す!!

半蔵門線∶

セツナ殿のおかげで周囲の女性が消えて移動しやすくなったでござるよ。

ヴァージルのダンス姿に失神者出たらしい。

俺はと言えば、足元に出る足型に、正確に合わせるために必死。ただ、ヴァージルのリード補正があるらしく、もつれそうになると体の向きを変えたりして上手く着地できるよう誘導してくれている。

「上手い上手い。その調子だよ。ただ、足元ばかりでなく、ほら、相手の女性を見るようにしないと」

と言われて目を向ければヴァージルのいい笑顔だ。

ショート部分ですよ。

ログアウトした彼女たちのために俺は今日もヴァージルを見つめますよっ!!

半蔵門線∶

セツナ殿にもヴァージルエフェクト移ってる気がするでござるwww

一曲終わる頃にはダンスツリーが生まれ、【ワルツ】が増えていた。

《ミッションクリア!》

「ああ、次もおさえておいたほうがいいな」

ということで2回戦突入。

「アンジェリーナさんのためっ!」

「セツナにそこまで想われているとは。……気持ちは伝えたのか?」

「ヴァージルの顔面持ってたら即言ってるしっ!! 今は、信頼関係を構築中ですよ……」

師弟としてねっ!! 師弟から始まることがあってもいいだろ!?

「想いが伝わるといいな」

最高の笑顔っ!!

目の端に倒れる女性たち。

おまえ……無差別殺人鬼状態だぞ、今。

てかやば!

ダンス、EPゴリゴリ減るんだけど!?

なんとか終わらせて無事【フォックストロット】が生えた。

もう一曲行くかというヴァージルを振り切ってご飯食べに戻る。

リオノーラお嬢様に睨まれてるけど、あなたのお父様を説得してくださいな。ヴァージルはいつでも貸し出しますぞ!!

「やっばい、ダンス。腹減りまくる」

いつの間にか近くに潜んでいたソーダに、俺はドリンクをお願いした。

「普通の戦闘より?」

「ゴリゴリ減ったよ」

「ダンス、特別なのかもな」

ダインも帰ってきてる。

ヴァージルはそのままフェリックスやアランと談笑しているので置いておく。

「あんまり昇天人数増やすと運営が怒られてサービス一時停止になるんじゃないかって話してた」

「ほんとになりそうで」

ソーダが大笑いしてる。壁際で、NPCがあまりいないのでギリギリセーフな会話だ。

「そういや貢献、どのくらいだった?」

貢献、ポイントかな?

「確か、3000くらい?」

「はっ?」

「はっ?」

ぴょいっとパーティーが飛んできた。今入ってるのははじき出される。さらにソーダも追加。

『あなたの瞳に乾杯』て、ダイン、酒好きはわかったけど、パーティー名やばない?

『300ptじゃなくて!?』

ダインに確認されて、あーこれはしまったと思いました。先にソーダに聞いておくべきだったな。

『あー、ね?』

『おま……そんなに貰ってたのか。原因もうアレしかないじゃん』

『なんだよー、教えろよ〜ココだけの話にしておくからさ。てかソーダの反応ならクランメンバーも知らないやつだろ』

『クランメンバーは原因は知ってるけどポイントの高さは知らないやつだな。てか、バラしたらすげー取り合いになるだろうし、完全に黙秘だな。見つけたやつの勝ちにしておいたほうが恨まれない』

『教えろください!!』

まあここまで聞かせてナイショも可哀想なので、漏れたらダインからってことで、豆のカラクリをば。

『このイベント始まったきっかけがセツナ』

一瞬考えたダインはオレンジの目を見開く。

『豆の木!!』

『とあるところでもらった謎の空豆ってのを、木魔法の【グローイングアップ】で育てたらこうなっちゃった』

『うわぁ……それは、ナイショだなぁ。しかし、そうか、木魔法かぁ!! 言われてみりゃそうだよなぁ……ワールドで1人だろ? ちょっと血を見そうだ。たぶん由香里より上だぞ。ナイショにしておけ』

それはもう全力で。

『金豆投げた半蔵より高いな』

『貢献ptがなんかとんでもなくいいものだったら、妬みがエグそうだ』

怖い怖い。

『他にも表に出してないけどそういったとんでもないポイント手に入れてるやつもいそうだなぁ』

『今回みたく、あえて黙ってる系な。あり得そうだ……ほら、例の情報ギルドとか』

ぎくぅっ!! でもあれはこんな桁違うことはなかったけどね。

『まあ、セツナ君は、このままヴァージル親衛隊の好感度上げておけ……数による防御って、大切だぞ?』

もしもの時の肉壁!!

心しておきます。