軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

153.差し入れと付与武器相談

騎士団へ差し入れに行くと、ヴァージルとアランはもう眠った後らしい。あらまーってことで騎士団の人に牛丼とカツ丼とカツサンド、10ずつ渡しておいた。

よだれ出てますよ……。

食堂で保管して渡してくれるって話だったけど、減ってるんだろうな。

再びアランブレに戻ると、【隠密】行動を始める。

俺は、貸本屋に入るところを見られてはいけないのだっ!!!

「いらっしゃい、セツナくん」

女神の笑顔がいつも通りで嬉しい。

「お久しぶりです」

いつぶりだろう。

そういえば、ウロブルで見かけたあの姿……アンジェリーナさんで間違いないと思うが、何をしていたのか?

とはいえ、プライベートをあれやこれや詮索する嫌な男にはなりたくないので聞かない! 本を読みに来たのだ。

借りたい本を持ってカウンターに行くと、IDカードに、アンジェリーナさんが銀色のプレートを重ねる。

「これで、図書館に出入りできるようになったわよ」

「あ! この間言ってた入館許可を……ありがとうございます!」

「どういたしまして」

「ウロブルにも図書館があるし、ちょっと気になっていたんです」

「まあ、ウロブルにも行ってきたのね。来訪者の行動力には驚きだわ」

まるでアンジェリーナさんはウロブルには行っていないような言い方に、俺は戸惑う。だが、聞いてもたぶん答えは得られないし、否定されるだろうなと、しばらく心の奥底に留めておくことにした。

秘密がある女性は素敵だしねっ!!

本をどっさり借りて、俺は時間までゆっくり本を読むことにした。

久しぶりに読み倒した!! 良かった。明日も行こう。さてこれからどうしよう、というところでヴァージルからハトメールが来た。ご飯受け取ったって。

反動でお腹がすごく空くかもしれないと言付けておいたのだ。

どのくらいか教えて欲しいとも言っておいたから、そのお返事だ。

『いただいた牛丼とカツ丼をアランと2人で分けたがそれでも足りなかったよ。だけど、あれだけの力が出せて、その反動で案山子の美味しいご飯をたくさん食べられるのは悪くないね』

カツサンド消えてますね。

内緒にしてあげよう。

『確かにすごい効果だが、やはり常用したらまた別の副作用も怖いし、セツナもあまり使いすぎないよう気をつけてくれ』

『戦闘中にお腹が減りすぎても困るし、クランメンバーたちとも、ここぞという時のものとして使おうという話になってます。また何か差し入れしますね。欲しいものがあったら連絡ください』

身体におかしなところがなくてよかった。

今日はこの後イェーメールへ行く。鍛冶屋の 小人族(ドワーフ) たちに、付与と相性のいい剣を作るとしたらどれくらい掛かるかを聞きたかった。

「ぎょろちゃん、おいで」

赤水晶をちらつかせると、べろんとまず舌が伸びる。そして艶めく黒い石は銀色のボディーへと変化する。

頬の辺りを撫でながら、よっこらしょと、たぶん、ぎょろちゃんの腰あたりに乗った。

「イェーメールに行きたいんだ」

するとボッと音がして、ふわっと宙を進み出す。ぎょろちゃんの飛び始めはとても優雅だ。

あと、ミュスは俺の天敵と認識したのかわからないが、ぎょろちゃんとうとう、舌でミュスを絡め取って俺の方に投げるようになった。

曲芸始めちゃいます。

ダガーに火を付与して、ちょっと低空飛行。まあ、ぎょろちゃんの姿を見て逃げるミュスがほとんどで、舌の範囲にいたらだけど、ぽいっと来たミュスを俺がズバッと真っ二つ。【火付与】してると、首の弱点じゃなくても始末できるのだ。

やっぱりお利口さんだなぁ。ぎょろちゃん。アリのときのフロストダイスも上手にやってたもんな。やっぱり俺がフロストダイス使えるようになるといいな。

何度も何度も忘れてるから、直近の行動目標を付与に最適な剣と、【フロストダイス】にしようかな。

柚子にフレンドチャットで、【フロストダイス】の習得の仕方を今度教えてくれと送っておいた。

鍛冶屋通りは飲兵衛ストリートと化していた。

「おおっ!? セツナじゃねーか!!」

「セツナっ!! ひっさしぶりだなぁ。武器のメンテナンスか?」

挨拶の時ジョッキ掲げてされるんだけど、これ、仕事大丈夫なの?

「お久しぶりです。今日は武器の相談というか、今後の話というか、聞きたいことがあって」

「おうおう、まあお前も飲めよ」

と、差し出される空のジョッキ。さらに横から注がれる日本酒……をジョッキで飲むなぁああ!!! 度数わかってんの? こいつら。

恐ろしいわ……。

「こんなに飲めないですよ。俺別にそこまで酒必要じゃないし」

「男なら飲めないでどうする! あのめんこい嬢ちゃんはぐびぐびっと行くぞ!」

柚子……定期的に参加してるらしいよ。

ジョッキはお断りして、自前の桃ジュースを飲む。

おつまみに案山子のご飯を提供したら喜ばれた。

「それで? 相談ってなんだ?」

「実は、最近付与を覚えたんですよ。それで、今は短剣使ってるんですけど、長剣の付与に向いた剣が欲しいんです。材料とか、作るのにどのくらいかかるのか知っておこうと思って。お金を貯めるにも目標金額がわかっていた方がいいですし」

「おお、付与剣な! 素材の選別からだなぁ。ただ、セツナは筋力そこまでなさそうだしなぁ。付与の特有スキルで攻撃しようって感じかな?」

「剣技もまだまだっぽいしなぁ」

「足だけは速そうだ」

「速さと、鋭さをもってした方がいいんじゃないか?」

「長剣っていうからには何か使いたいスキルあるんだろ、なんだ?」

「えーと、火で【なぎ払い】がかっこよくて」

「ああ。目の前一掃出来るからいいよなぁ。しかしなぁ……」

そういってその場にいた 小人族(ドワーフ) が、上から下まで俺を見る。ちょっと、セクハラだよ!!

「ちょこまか動いて手数増やす、やっぱり細めの剣の方がよさそうじゃないか?」

「双剣も悪くないかもなあ」

「 細剣(レイピア) の方がよくないか?」

「 細剣(レイピア) で急所を突けば大概のヤツは始末できるぞ? 弱点を見抜く力が必要にはなるが、【なぎ払い】も 細剣(レイピア) ならできるだろ?」

「長剣よりは効果が劣るが、できないことはないな。 細剣(レイピア) で水や風で鋭さを増したり」

「炎でもいいな、傷口へのダメージがでかいから、奥まで刺して引き抜けばいい」

いつの間にか 細剣(レイピア) で話が進んでる~!!