軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

151.ダンジョンボス戦

一本道からの広い空洞。

《ダンジョンボス『アリの女王フォルミーカ』と対戦しますか?》

ソーダ:

やっちまった気がする!

同意!!

そびえ立つ黒々とした大きなアリ。頭の上に冠乗っけてるよ~!

俺たちの3倍はあるような大きさのそれに、白旗振る。

うあー、NPCと一緒に初見ボスモンスターはあかーん!!

『女王アリね』

『この巣の主……』

『セツナ、属性は?』

『あ、変わらず風でおけ』

ヴァージルに聞かれて俺は付与を始める。ヴァージル、アラン、ピロリ、半蔵門線と俺も一応ね。

「【一身集中】【硬化】」

『俺はヘイト取りに徹する。魔法使い組にヘイト行ったらよろしく』

「【ぬかるみ】」

柚子もいきなり攻撃でなく、場を整えることを始めた。女王の足下を緩くして、動きを制限する。

『羽アリが後ろから来た。なんかぶら下げてるぞ、注意』

八海山からの注意に、俺は目をこらす。白いものを抱えてる。

『卵?』

『に見えるが……』

『避難行動?』

それが、俺たちの近くに来たとき手を離す。

『ダメな気がするでござるよっとぉ!!』

【投擲】で石を投げつけると、爆発した。

『あいつエグい攻撃してくるわねええ』

『来たら即始末だ。羽根狙ってくれ! セツナと半蔵門線の仕事!』

『了解でござる~』

『りょー』

と軽く返答したが、女王の後ろからぞろぞろとやってくるのだ。

その間女王はと言えば、アリの強力な顎攻撃。つまり、かみつきだ。

巨体には似つかわしくない素早い動きで身をかがめてくるのだ。

大きいだけあってリーチが長い!

一応【挑発】で常にソーダは自分に攻撃が来るようしかけている。

魔法使い組は少し様子見だ。

羽アリのおかわりがどんどんきた。そして気付く。

『あ、半蔵門線さん、これ、ここが正解です』

と、ちょうど女王アリのそばを飛んでいるところで羽根に穴を空けてやった。

落ちる羽アリ、そして卵爆弾破裂。

女王アリのキシキシという鳴き声。

『おお、了解したでござる!』

その間にもピロリは女王に切ってかかろうとする、が。

『硬いぃぃぃ!! セツナくんの風付与あっても刃が入らないってどういうこと!? 関節とか、弱いところ狙わないとダメみたい』

だが近づけば足をわしゃわしゃと動かす。その足の先もかなり鋭いのだ。

さらに、おかわりが。

『兵隊アリ出てきたぞっ!!』

『ぎゃーなのじゃーっ!! 凍らせる?』

『凍らせないとキツいわよ、女王相手しながらとか無理』

『柚子は女王の左側から来るアリへ【フロストサークル】とりあえずの足止め! ヴァージル、アラン、悪いけど右側から来る兵隊アリ始末してもらえる!?』

『了解した』

『任せて』

『セツナ、半蔵門線は卵爆弾処理。女王に当てられたら当てて欲しいけど、無理なら始末を最優先。案山子もまず右側の兵隊から。ピロリは魔法使い組護衛。柚子優先。ヴァージルは案山子のこと少し気に掛けてやって』

割り振りが決まればあとはその通りに仕事を全うするだけだ。

が、やはり卵爆弾だけで女王を牽制しきれない。きついなというのが現状。アリはぞろぞろやってくるのだ。

あー単体か。

「ぎょろちゃん、おいで」

『柚子さん、【フロストダイス】ください』

「【フロストダイス】!」

俺の言葉を正しく理解した柚子はすぐに対応してくれる。受け取ってぎょろちゃんの方へ手のひらに乗った【フロストダイス】を差し出す。

そしてべろりんと俺の手から受け取り、女王に向かってギャンブルのお時間です。

数字が4と6 ぎょろちゃん今日も絶好調!!

凍ると防御が取れないので卵爆弾のダメージが直で入る。

柚子はちょっと忙しいが、そのうち俺経由じゃなくて直接ぎょろちゃんが柚子から【フロストダイス】を譲り受けていた。

羽アリ卵爆弾もひっきりなしじゃないから、ちょっと長めに凍結してくれているのは助かる。

そうなると、半蔵門線は漏れた兵隊アリのヘイトも取り出す。

上手く回っているように見えて、しかし、決め手にかける。多すぎるのだ。アリが。

『これは、いけない気がするなぁ』

とヴァージルのつぶやきに頷くしかない。

『女王の体力どれくらいかなぁ』

『凍ってからの爆弾は結構ダメージ入ってそうだけどね』

一応、ゲージあります。ヴァージルたちの手前そうは言えないけど。つまり、ソーダが言いたいのはあとどのくらいの時間で倒せるかということと、こっちのMPHPどのくらい保つか。半分ゲージが削れた辺りから、ボスの基本として何か変化あって対応できるか、というところ。

ボスの挙動は絶対変わるはずなんだよなと、【フロストダイス】からの卵爆弾で削れたゲージが気になる俺たち。

そしてそのときがやってきた。

HPが1/4直前になって、女王アリが奇声を上げると、弓なりになる。

『警戒!』

そして、蟻酸の洗礼を受けました。

『ぎゃーなのじゃぁ~私の防具ぅ』

八海山からの回復とバフだけでなく、ヴァージルからも飛んでくる。さらに、もう一度弓なりになったところで、ヴァージルが盾をドン、と前方に置く。

「【聖なる盾】」

真っ白な光が俺たちの周りに半円のシールドを作り出す。

『かなり魔力を使う、そんなに回数は打てない』

やべーもん。てか、魔法で物理をしのいでる。

『足の1つでも落としてバランスを崩すしかないな。関節を狙おう』

『私が行くから、【フロストダイス】いける!?』

『ぎょろちゃーん!』

うちの子が寄ってくる。こんな時もちょっと後ろ足から火を噴いてる。さらに前足付近で風がそよぐ。

「【フロストダイス】」

ヴァージルが盾を地面から離すとぼんやりと光っていたシールドが消えた。

そしてぎょろちゃんの舌から放たれる氷のサイコロが6と5。おおお、幸運の申し子!!

「【一刀両断】」

ピロリの筋肉スキルが後ろ足の関節部分を狙った。

同時に周りの兵隊へ向かって左は柚子が【フロストサークル】、右は案山子の【メテオレイン】とヴァージルが【風塵】を放った。

「【西風の祈り】」

柚子が凍らせた兵隊アリにアランのスキルが放たれる。

みんなのスキルが炸裂して、土埃が舞い上がった。

さあ、どうだ?

柚子:

やー、これは、悪い予感なのじゃ~~~!!

女王アリのHPバーが1/4を切った。

ギチギチギチギチと怨嗟を含んだ鳴き声がする。

『警戒!!』

『体力魔力の残量報告!』

八海山からの伝令に即座に反応するのは元々のクランメンバー。

『体力満タン、魔力10%なのじゃ』

『体力満タン、魔力20%ですッ』

『装甲破壊されたでござる、わら半紙以下の体力満タン、魔力80%』

『体力80%、魔力は80%譲渡なしよ』

『体力100%、魔力は……付与できない』

『体力は大丈夫だが、魔力は先ほどの盾が一度くらいだ。そうなると譲渡も難しい』

『俺も体力は平気だけど~、魔力きつくなってきたね。西風をあと一度くらいかな』

そして、

『あ、悲報。【属性看破】で、女王アリさんが風属性に変化を確認です……』

『えええええ』

付与のアドバンテージ消失だ~!!