軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

129.聖騎士団潜入!!

今日は、ヴァージルに連れられて、聖騎士団の見学に来ております!!

写真いっぱいとってこ。あと、動画もか。

密着! 聖騎士団24時!! てしたら大変なことになりそうだ……。

なんでも、聖騎士団入りを目指すユーザーはいるらしい。聖職と、戦士などを積極的に育てて、なんとか潜り込めないかと狙っているそうだ。

ヴァージルと一緒に聖騎士団行ってくると、クランチャットで告げたところ、もし聞けたら、聞いてみて欲しい質問がフレンドチャットで飛んできた。

新役職に関する情報は、誰もが求めているものらしい。

『別に共有する必要はないんだけど、先行クランやってるとやっかみも多いからさ、新情報を流すことによってそこら辺の緩和も狙ってる』

とのこと。やっかみはあれど、それが有益なプレイヤーなら過度な攻撃も食らわないだろうという。

そこら辺はわかるのでまあ。

『うちで1番攻撃受けやすいのはセツナだからな。柚子も案山子も魔法使いで紙装甲ではあるが、やられたら倍返しレベルじゃないから』

(魔法を)打たれる覚悟のあるヤツだけ打ってこいってのだな。

イェーメールまではぎょろちゃんで移動。騎獣移動本当に楽ちんで、慣れちゃった。最近ミュス狩りもおろそかになっている気がする。今度それこそこっちから下水道狩り誘おうかな。

ミュス減らしとかないとミュス王出るだろうし。今度出たら普通に敵わないかもしれない。

イェーメールの神殿で待ち合わせだ。今日は……非番のはずが正装です。騎士団内に行くからかな?

俺に気付いて手を振ってくる。周りでキュン死してる人いる。

あーあれがアンジェリーナさんだったらなぁ。多分俺、ログアウトしちゃう。

そして、NPC奥様方よ。こっちみてふふふって言うな。ヤダこの街、奥様みんなそんななの!?

「お待たせしました」

「ああ、これ、許可証。首に掛けておいてくれ」

迷子札……じゃなくて、ドッグタグっぽい銀色のプレートが、皮の紐に繋がれていた。

「すみません。お手数かけます」

「いや? 許可出すの俺だしね」

そういや騎士団長さんだったな。

聖騎士団は、神殿所属の騎士たちだ。神殿は各街でかなり大きな敷地面積を占めているが、その1/3くらいは騎士団の施設らしい。訓練場と寮だそうだ。有事の際には街の騎士や兵士と一緒に街を守るという。とはいえ、基本的に神殿の神官と、神殿を訪れる信者を守る、というのが存在の名目だ。

「ヴァージルも寮暮らしなの?」

「そうだよ。俺は騎士団長だから個人の部屋と執務室があるけど、普通は4人部屋だったりするね」

「おお……」

「見てみるか?」

「俺の世界には騎士って職業がなかったから、ちょっと興味はある」

「じゃあ時間が余ったら。今日は付与を習得できるよう頑張ろう」

そう、第3騎士団にいる、付与師の人が、教えてくれるそうなのだ。ただなぁ。付与師ていうけど、あなたは付与師になりましたっていうアナウンスがないんだよね。

なにかきっかけがあるのかもしれない。

本来なら魔法使いギルドからクソ高いスクロールを買うか、ダンジョンでなぜか得られるレアなスクロールを手に入れるしかないらしい。

付与、ごひゃくまんシェルだそうですよ。

あほかーっ!!!

「お礼はしっかり持ってきました」

事前調査で酒好き、甘い物好きと聞いたので、ドワーフの酒屋で各種酒と案山子にお願いして甘い物製造してもらった。

なんと、あんこも手に入れてるらしいです。ローレンガのチーズ屋のおばあちゃん、すごい。大当たりだと本人もほくほくで、クラン狩りに駆り出される以外、ほぼおばあちゃんちに入り浸っているそう。そりゃ、後継者争いに足突っ込み出しちゃうな。

訓練場は屋内と屋外があるのだが、今日は魔法を使うならと屋内へ。特殊な作りになっていて、壁が魔法を吸収してくれるらしい。

ヴァージルが騎士団長というのは本当のようで、すれ違う騎士が脇へ避けて敬礼してる。

最近謹慎処分喰らった騎士団長様……。

そして通された屋内訓練場。

広さは、学校の体育館ほど。屋外よりは狭いんだというが、地面はタイルで、壁も真っ白だ。とても、広々とした空間だった。

「ちーっす」

「ちーっす?」

奥から聖騎士の甲冑を着た男がやってきた。濃い茶の髪に、緑色の瞳。十分かっこいいご面相。

「彼が付与を教えてくれるマクイーン副団長だ」

「よろ~!」

めっっっちゃ軽い。

「よろしくお願いします!」

しかも副団長さんだ。偉い人じゃん。

ん?

「まくいーん? アラン・マクイーン???」

「おお? 初めましてだと思ってたけど」

「『付与大好き』読みました!」

「おおお!? 読者!? ありがとー!」

付与関係の本書いてた人だ~!

「ああ、貸本屋で?」

「はい。やってみようかという話になったときに読みました。とりあえず目についたやつを」

「勉強熱心なよい子じゃ~ん! ヴァージルが人連れてくるっていうから、どんな女かと思ったら男の子だったし。どうしたんだよ、ホント」

「女性を連れてきたことは1度もないと思うが?」

「だけどお前が男連れてる方が想像つかないだろ」

なんか2人がじゃれている。

団長副団長が仲良しさんはいい現場だろうな。

「まあ、付与は結構前準備が大変なんだけど、とっても強いんだよっていうところをせっかくだから見てもらおうかな」

そう言ってヴァージルに剣を抜かせる。

前から思ってたけど、甲冑ってさ、すごいごつい。ごつごつ感がある。なんだろう。内側に無駄な空間ある感じ。

だけど、剣抜いて、構えるとかっこいいんだよこれが。しかも白地に金の模様がゴージャスだしなぁ。

「【火付与】」

アランが腰に下げた皮袋の中から何かを取りだし、それにふっと息を吹きかけると、手の平から飛び出したそれがヴァージルの剣に触れ、ボッと燃えた。

ヴァージルの剣が炎を帯びる。

「【なぎ払い】」

ごおぉっと音がして、剣の軌跡を炎が飛んで行く。真っ白な壁にぶつかり、それは吸収されたが、剣はまだ炎に包まれたままだ。

「火が1番簡単かな~。既存の剣のスキルで使えるしね。他のものはけっこう独自のスキルを覚えて行く感じかな。氷なんかはかっこいいよな、あれ」

「ひと太刀浴びせたらモンスターによっては凍るし便利だな」

「か、かっこいいいい!!」

絶対これ、やる! かっこよ!! かっこよすぎるだろ-!!