軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第258話命名魔王城

いろいろと不明瞭なところがあって不安ではあるが、100階層を攻略したことには違いがない。

ある意味、城の主的なものになってしまった実感は全くないけど、有効活用はしていくつもりである。

さてこの城の主要部分は、封印された次の階層への入り口がまず一つ。

100階層守護者の守っていたココが中心ではあるものの、その他もクリア特典とでもいうべき施設が目白押しだった。

「えー、錬金釜の正式版、錬金工房。武器や防具を本格的に作れる武器工房。そして……モンスターを生産、強化できるモンスター工房多数。更に様々な植物を生産してる魔法薬草園などなど、ダンジョンを徹底的に楽しみつくす各種開発要素満載です」

「いやそんな、攻略後のやりこみ要素みたいに言わなくても」

「浦島先輩……残念ながらその通りみたいなところがありまして」

「マ、マジか……」

恐れおののく浦島先輩の気持ちもよくわかりますとも。

だけど僕らは制圧した以上、怖がってばかりいる暇なんてないのだ。

「それでなんですが……この階層どう管理します?」

ここ重要なところだ。

言ってしまえばこれまでの階層の集大成の様な建物は、使いこなせばものすごい恩恵があるのは疑いないが、みんなの反応はなんともいえないものだった。

「うーん……そういわれても正直キャパオーバーというか……」

「そうでござるな……もし任されてもどうしようもないでござるよ」

「マスターワタヌキの管理で問題ないでしょ? もう王様になったんですよね?」

「いや、王様というわけでは……いつも通りみんなで管理とかになるかと思っていたんですが……」

おずおずと僕はそう切り出したんだけど、いやいやそれはないという空気がその場の大多数を占めていた。

「えぇ? いや、だってボスを跪かせていたじゃないですか?」

「目が覚めたら……いたね。あれ跪いてたの?」

僕としては命じた覚えなんて全くないし、そういうの柄ではないので勘弁して欲しい。

誰か一人代表を決めるというのなら、僕でなくてもいいと思う。

こういうのはそう……

「先生! どうです?」

「え? 私?」

パッと龍宮院先生の方を振り返ると手で×の字を作られた。

「私はダメ。いよいよ先生できなくなるからね。というか君以外に適任いないでしょう? 正直これをきちんと把握して運営できる人間なんていないよ」

「……やっぱりそう思います?」

「なにか不服な要素あるかな?」

ビシッと指まで指されて、念を押されてしまったが、僕はしかしと言葉を続けた。

「不服って程ではないんですが……なんかここ魔王城って感じしません? それを管理してるってことは実質……魔王っぽくないですか?」

「……どうでもよくない?」

ここまで来たくせに何言ってんだと、僕の言い分はバッサリ一刀両断されたけれど、イメージって大事だと思います。

「いやしかし……この城を本格稼働させるってことは、モンスター作り出したり、武器製造したり、あやしい薬を作ったりすることも可能なわけで……」

「それは魔王っぽい」

「というかちょっとマフィア感があるでござるな」

「不思議とあんまり違和感ないですよ? 魔王ワタヌキ」

「ナチュラルに魔王って呼ばないでね?」

ちょっとごねてみた手ごたえとしては覆せそうになく、何だかこれはもう満場一致で決まったもののようだ。

龍宮院先生はパンと手を叩いて最終的な決定を告げた。

「では第一代魔王はワタヌキ君ってことで」

「「「異議なし」」」

「やっぱり満場一致しちゃうんですね……。というか魔王を正式名称にするのやめましょうよ!」

ただ、ここまで攻略を強行した首謀者である自覚はあるので強く文句が言えないのは、苦しいところだった。

まぁ……仕方がないか。

実際ここの管理は、けっこう難しいとは思う。

僕が正しい判断ができると断言はできないが、攻略君がいれば悪い事にはなるまいと楽観的に考えることにした。