作品タイトル不明
第227話 なんでもない日
今日も今日とて平日、学校だ。
少し遅く起きた以外は変わらず、学校に向かう。
アリシアと別れて、高等部へ。その道中で葛西さんたちと出会った。
「あれ? 今日はいつもより遅いんだね!」
「お二人とも、おはようございます」
いつも通り挨拶をすると、なぜだか葛西さんが俺たちを観察する。
「あれれ? 二人ともいつもより距離近くない?」
「そうか? 俺には分からないけど」
葛西さんは何かに気がついたようで、セレスと耳打ちで会話をする。
「――そっかそっか、よかったよ!」
「お二人のお陰です。見えていなかった溝を気づかせてくれました」
会話の文脈から大体の内容を想像がつく。俺からも二人に礼を言う。
「助かったよ。ありがとう」
「良いって良いって! 私は二人が仲良くなってくれてハッピーだよ!」
「ああ、気づけてよかったじゃん」
なんだか葛西さんから生暖かい視線を感じる。
「……なんだよ」
「いやぁ? いつもより距離が近くて仲睦まじいなぁって」
「そうか?」
「そうだよ! だって腕を組むことはたまにあったけど、それでも肩を寄せ合うまではなかったもん」
「は、はしたなかったでしょうか……」
「良いの良いの! もっと見せつけちゃっても良いんだよ? マーキングってさ」
いつもならすぐに離れるセレスだが、なぜだか力を強くするセレス。
「その、マーキングするにはどうすれば良いのでしょう」
「セレス?」
「そうだねぇ、路チューとか! 教室でもいいよ!」
「なるほど……」
「何を学んでるんだ?」
「カズヤさんに 虫(・) がつかないためにも、できる手は打っておかないとと思いまして」
その言葉に俺は思わず反論する。
「俺なんかよりセレスの方がすごいだろうに」
「最近のカズヤさん、これだからいけないんですよねぇ」
「確かに、これはセレスティーナさん大変だ」
俺たち男たちは疎外感を感じる。
女子の世界には入らないでほしい。
「セレスティーナさんの虫除けにもなるからやってみたら良いんじゃない?」
「む、むぅ……頑張ります」
そんな話から始まるなんでもない日。
うん、今日も平和だ。