軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

土属性魔法改革はじまる!

ぽんっと手を打つ。

「そうだわ、土属性魔法の使い手はいらっしゃるかしら?」

はいっと、元気に手がいくつか上がった。

しっかり鍛えられた体つきだ。……と、いうことは、もしかして魔物退治の攻撃魔法の手段があまりなくて剣の腕を磨いている系?

「えーっと、魔物討伐の時にはどういった魔法を使っていらっしゃるの?というか、どのような魔法が使えますの?」

農家の者が土を耕すのに役立つというのは聞いたことがある。

「討伐の時は、主に防御関係を……」

「ああ、土壁を出したりするのね!あとは穴を掘って土豪にするのかしら?大切なことよね。身を隠しながら攻撃できるのは」

副団長がハッとして部下に指示を出した。

「メモだ!メモを取れ」

メモ?私が大切なことだと言ったのを?めんどくさいとか何の意味がとか言った人に、奥様も大切だと言った記録が残っているみたいに使うのかな。

ちょっ!議事録みたいに一言一句記録されたら、下手なこと言えないじゃないのよっ!

これは、質問に徹するかな。

「土は、何が出せるの?砂?土?岩盤みたいなものも出せるのかしら?」

腐葉土は無理なのは知ってるんだよね。どうも「見たことのある土」を「土」と認識してるみたいで。

耕すとか畝を作るとか動かす系の魔法。穴を掘るのもこれだよね。土を掘って山にするから動かす。消すわけじゃない。

土を出すというのも、無から出してるのか、どこかから出してるのか謎。

砂を出せるなら、訓練所の外側でもいいから砂地にして、そこを走れば足腰を鍛えることができるんだよね。よくあるよね。砂浜を走りこむ陸上部、砂浜でビーチバレーするバレー部みたいなスポーツ漫画。

でも、いきなり足腰を鍛えるために勝手に訓練所作らせるのはやりすぎ?

「あ、そうだ、石も出せる?岩は大きくて魔力の消費が激しくなるのかしら?」

副団長が顔色を変えて、土属性の騎士を呼び寄せた。

「石は出せるか?」

石が出せるならさ、温石用の石を出してもらうのもありなんじゃない?形や大きさを揃えてもらったほうが使いやすいし。

「出せません。土属性は土の魔法で、石は土ではありませんので……」

へ?

魔力の消費が大きすぎて無理とかそういうことじゃなく?

「岩が砕けて石となって石がさらに細かくなり砂となるでしょ。土も砂がさらに細かくなったものに、植物や動物などいろいろな有機物が混じったものになるけど、土が出せるのに石が出せないの?元は同じもので大きさが違うだけなのに?」

土属性の騎士の一人がしゃがみ込んで地面の土を指先でつまんで手の平に乗せ、顔を寄せてみた。

それから、パッと顔をあげて他の土属性の騎士に手を見せた。

「確かに、土は小さな石だと言われればそうかもしれない」

足元に視線を落とす。

訓練所の足元は植物が育ちそうな土というよりは、有機物が死滅した砂を細かくした土みたいだよね……。

「【石】」

騎士が呪文を唱えると、手の上に碁石サイズの石が現れた。河原の石よりもごつごつしたどこにでもありそうな石だ。

……あれ?

これ、もしかして、鉱石も石っていうから、出せたりする?宝石も石っていうから、出せたりする?

……いろいろ、やばいんじゃない?宝石の価値が暴落するとか危険じゃない?いや、でもダイヤモンドは炭素だしなぁ。科学的にはたぶん石とは別物……?