軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

276.ネルネルネルネル

「ネルネルネルネル、ホッホッホッホッ。

練れば練るほど粘るわけじゃないけど、バットに移して、こうやって伸ばして……できたわ!

チャララッララー!」

「「「「「おぉ〜!」」」」」

「練って楽しいゴムゴム作りよ〜!」

ゴムの素となっている、熱々のドロッと液体を料理用バットに薄く伸ばしたそれを両手で持って、中が見えるように傾けて決めポーズ。

__パチパチパチパチ。

小さくて可愛らしい紅葉が鳴らす拍手に、お婆ちゃんは得意気よ!

「さあさ、良い子の皆もゴムを作ってみましょうね!」

「「「「「は〜い!」」」」」

前世の小学校低学年くらいのちびっ子達が元気にお返事してくれる。

気分は小学生向け科学実験教育番組の、司会のお姉さん!

鍋に入った熱々の液体が入ったお鍋を持つのは、よく一緒にチームを組むメンバー全員。

1人で5、6人ずつの児童を見ているの。

小さな手がお玉で掬ってバットに流す作業は可愛らしいけれど、少し危なっかしいわ。

「ラビちゃん、これでいい?」

「ええ、バッチリ!」

「ラビ姉、これは?!」

「少し入れ過ぎだから、今のうちにほら、スプーンで掬って出しちゃえ!」

「「できた!」」

「上出来ね!」

4人の子供達は慣れた手つきで完成させる。

「カイ、遅い!」

「うー、ちゃんとできない……グス」

「あら、ちっちゃい手なのにここまで出来ているなんて凄いじゃない!

さあさ、仕上げはお姉さんと〜……ほら!」

「できたぁ」

「ふふふ、最後までよく頑張ったわね」

この5人の中では最年少らしき、猫っ毛の小学1年生くらいの男の子の頭を撫でる。

初めての参加ですもの、手間取って当然。

ふふふ、前世の初ひ孫がこの子くらいの年だったわ。

あの子は女の子だったけれど、この子も可愛いわねぇ。

そういえばベルジャンヌ時代、身の回りの世話係に任命した女の子がいたの。

この子くらいの時に、餓死寸前のところを拾ったんだけれど、私が死んだ後はどうなったのかしら。

あの子の消息を今世で調べてみたけれど、結局わからないまま。

昔の事だし、契約してたキャスちゃんとラグちゃんも、10年くらい山や森に引きこもっていたらしくて、知らないって言われたわ。

しっかりした子だったし、魔法の才能もあったから、逞しく生きていると信じてはいるの。

別れた時には10歳は超えていたでしょうし。

こちらの世界のこの国の平民なら、10才くらいで既に働いている子も多いのよ。

「ラビちゃん、後は乾かすだけ?」

はっ、一瞬物思いにふけっていたわ。

いけない、いけない。

服の裾をクイクイッと可愛らしく引っ張る女の子に、屈んで目線を合わせる。

「そうよ。

次はパッチワーク用の布をチョキチョキ切りましょう」

「「「「「は〜い!」」」」」

周りを見回せば、他のグループもハサミ片手にチョキチョキ作業に移っているわ。

「それじゃあ、机の上の布を取りま〜す」

「「「「「は〜い!」」」」」

「これを正方形に切るから、ここをこちらの辺に合わせて三角形を作りま〜す」

「「「「「は〜い!」」」」」

「布が重なっていない部分を切り取りま〜す」

「「「「「は〜い!」」」」」

__チョキチョキ。

「ほら、正方形のでっきあっがり〜」

「「「「「できたぁ!」」」」」

歓声を上げた子供達。

目をキラキラさせて、元気いっぱいね!

「そうしたら、縦に折ってチョキチョキ、また縦に折ってチョキチョキして、を2回繰り返して、これくらい。

そうね皆の手の平くらいの、小さな正方形を作って下さ〜い」

「「「「「は〜い!」」」」」

__チョキチョキチョキチョキ……。

ふふふ、皆集中し始めたわね。

「公女、少しいいか」

あら、全学年主任でもあるこの国の第1王子が入って来たと思ったら、子供達の前で公女呼びされちゃった。

子供達の中でも、ラルフ君とカルティカちゃんのグループにいる最年長の数名が、こっちを見ちゃったじゃない。

「ラビですわ、先生」

小さな子供は高位貴族だと知ると、過去の経験からか警戒する子もいるの。

公女呼びなんてとんでもないわ。

「あ、ああ……ラビ嬢、パッチワークキットの作成指導は手が空きそうか?」

「ええ。

この子達が切り終わったら、この作業はゴムが乾くまで、1度休憩を挟みましてよ」

でも私はその間に、魔獣避けのメンテナンスと魔石に魔力をこめるのを、魔力が高めの、年が上の方の子供達に実践して見せる事になっているのだけれど?