軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

防御特化と第二段階。

カスミとクロムはサリー程ではないにしろ攻撃を避けたり防いだりすることができ、メイプルへの負担も少ないままで戦闘を終えることが出来た。

三人は戦闘を終えるとすぐにシロップに乗って次のオーブを目指し、しばらくして目的のギルドの上空に辿り着く。

「あー……ここはオーブがないみたい」

メイプルが下を見て確認したところ台座にオーブは乗っていなかったのだ。

また、プレイヤーもいないためオーブを奪われているか壊滅したかのどちらかだということは明らかである。

「だな、次へ行こう」

そうしてオーブを求めてギルドを上空から確認すること三回。

三人は一度もオーブを視認することは出来なかった。

しかもシロップの飛行速度がたいして速くないためそこそこの時間がかかってしまっていたのである。

成果のない移動は疲労を蓄積させる。

単調な移動の中でメイプルからメッセージが届いた時の通知音が響いた。

「ん……サリーからメッセージだ」

メイプルがそれを読むと、サリー達は一旦ギルドに戻るということと、メイプル達がオーブの奪取が上手くいっていないのなら戻ってきて欲しいということが書いてあった。

メイプルはクロムとカスミにも内容を伝え、結果ギルドに戻ることとなった。

二日目も残り数時間で帰るには都合のいいタイミングだったというのもあった。

メイプル達がギルドの前に着陸し中へと入ろうとした時、見知らぬプレイヤーが後ろを確認しながら慌てて外へと駆けてくるのが確認出来た。

彼の逃げ切れたという表情は暗闇の中に立つ三人が誰かを理解して絶望の表情に変わり、一瞬の後クロムとカスミの刃によって同時に体を斬り払われ消えていった。

「襲われてる!」

「ああ、急ごう!」

カスミを先頭にオーブの元へ繋がる道を駆けていく。

カスミが刀を構えて部屋に入ると、そこにはサリー達も含む五人がいた。

ユイとマイが落ちている鉄球を回収しているところからも撃退してすぐのところだということが分かる。

「無事か……」

カスミは刀をしまうと五人の元へと歩いていく。

クロムとメイプルもその後を追い、全員が無事に集まった。

防衛の二人は消耗がかなり激しいようで地面に座り込んでいる。

「いやー疲れた……イズのアイテムがなかったらまずかったかもね」

「爆弾もかなり使ったから……今から急いで作っておくわ」

イズならばどこでも工房の機能を使うことが出来る。

一度準備期間があれば弾切れはおこらないのだ。

「うーん……今まではあんまり襲われてなかったのになあ。何でだろう?」

メイプルの言うように、【楓の木】は触れてはいけないものとして認識されつつあったためここにきての連続襲撃は少し奇妙ではあった。

「メイプルはオーブを集められた?」

「え?うーん……あんまり。オーブのないギルドが多くて……サリーは?」

「私達の方も荒れてたかな……結局二つしか奪えなかった」

とりあえず持ち帰ったオーブを設置した後でメイプルはメッセージについて聞いた。

「【集う聖剣】がどこかで一回はくるはずだからそれなら夜だと思ったのと、後は展開が思ったよりかなり速くて今のやり方が厳しいと思ったから……かな」

サリーが現在のランキングを開いてその項目をスクロールしていく。

全滅したギルドにはギルド名の隣にマークがつくのだが、そのマークは小規模ギルドだけでなく中規模ギルドにも及び始めていた。

一日目から全開で飛ばしたギルドは幾つかあり、それらにオーブを奪われたギルドが全力攻撃に移行して展開は加速し続けた。

死亡者なく防衛を成功させるギルドは稀であり、結果二日目終了間際ですでにかなりの量のギルドがリタイアすることとなっていた。

残っているのは人数の多いギルドを中心に一部の例外が僅かだけである。

よってオーブにありつける可能性も下がってきているのである。

【楓の木】が襲われていたのも【楓の木】だと知らないような遠くのギルドがここまできているからだった。

ユイとマイとメイプルの足ではフィールドを歩き回ってオーブを奪うこのルールではスピードで負けている。

いくら三人が強くともオーブがなければ奪うことは出来ないのだ。

「もう少しもつかと思ったけど……どのギルドもやる気あり過ぎで……序盤で稼ぐつもりが思ったより稼げなかったし」

サリーの予想よりもかなり速く大規模ギルドが跋扈する環境になりつつあり、ここからさらにフィールドが荒れていくだろうことは分かりきっていた。

「だから予定よりかなり早いけど次の段階に移行してもいいかなって」

全員が次の段階に移ることをよしとして自分の役割を確認する。

そうして役割を思い起こしていたメイプルがサリーに声をかける。

「じゃあ後は……」

「うん」

サリーはメイプルが何を言おうとしているのか分かっており、続きを話す。

「【集う聖剣】待ち……かな」

メイプルはそれを聞くと今使うことが出来るスキルと兵器の残りの入念な確認をし始めた。