軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第008話 インスタント麺は美味しい!

目の前にはテレビが見える。

というか、家のリビングだ。

「夢だったのか……?」

ボソッとつぶやくが、自分の格好を見て、すぐにその考えを否定した。

腰にはアンナに貰ったベルトに剣がぶら下がっており、俺の手に持っているスマホの画面には23時間59分46秒と表示されていた。

「やはりこのアプリは異世界とこの世界を行き来できるものみたいだな」

仕組みはさっぱりわからない。

まあ、今はそんなことはどうでもいい。

俺は剣をテーブルに置き、冷蔵庫に向かった。

そして、冷蔵庫からコーラを取り出し、一気飲みする。

「うめー!! めっちゃうめー!!」

数日ぶりの冷えたコーラに感動する。

それもそのはず、この数日はずっとぬるくて微妙に臭い水しか飲んでいないのだから。

腹を壊すんじゃないかと思っていた。

「生き返るわー」

コーラを片手にテーブルまで戻ると、テーブルの上に置かれているコンビニ弁当を見る。

「数日前だから弁当はダメだろうな。いや、待て。時間はどうなっている?」

一緒に旅したスマホは信用できないのでテレビを付けた。

「ニュースか。今日は……土曜日?」

あっちの世界に行った日は月曜だった。

つまり同じ時間が流れているということになる。

「しかし、朝の8時かよ」

向こうに行った時になんとなくわかっていたが、微妙に時差があるな。

宿屋に着いた時は昼過ぎだったと思う。

「大体6時間くらいの時差かなー。まあいい。腹減ったわ」

ずっと干し肉だったからさすがに他の物を食いたい。

ケトルに水を入れ、お湯を沸かし始める。

その間にカップ焼きそばを用意し、卵を割ると、電子レンジでチンをする。

お湯が沸くと、カップ焼きそばにお湯を注ぎ、3分ほど待った。

そして、お湯を切り、ソースを混ぜると、卵を乗せ、その場でがっつく。

「美味いわー。ロクなもんを食ってなかったからマジで美味いわー」

速攻で食い終わると、テーブルまで戻り、椅子に座る。

「ハァ……疲れた。しかし、マジで異世界に行ってたんだなー。信じらんねー」

とても現実のものとは思えない体験だった。

「とりあえず、風呂に入って、寝るかなー」

自分の格好を改めて見る。

ボロボロになった上下の服にアンナにもらったサンダル。

さすがに服は処分だろう。

「しゃーない」

靴と服を脱ぎ、ボロボロの服とコンビニ弁当をゴミ箱に入れると、風呂場に行った。

そして、お湯を沸かし、身体を洗い、お風呂に入る。

「うえー。5日ぶりの風呂だー! 幸せー」

あっちにお風呂の文化はあるのだろうか?

フィリアは水浴びをしていたが……微妙だなー。

そのまま湯に浸かり続けたが、このままだと寝落ちしそうになったので風呂から上がり、自室のベッドで休むことにした。

「おやすみー! 柔らかいベッド最高!」

ベッドに入ると、すぐに夢の世界に落ちていった。

目が覚めると、充電していたスマホを見る。

「昼の2時か…………」

朝というか昼から寝たのに結構、寝たなー。

起き上がると、リビングに行き、再度、お湯を沸かし、カップラーメンを食べた。

「さて、これからどうするかなー」

カップラーメンを食べ終えると、コーヒーを片手に考え出す。

「24時間スパンで移動できることはわかった。だが……」

向こうで何すんの?

やることなくね?

俺がRPGの勇者だったりしたら何か使命みたいなものがあるんだろうけど、俺、霊媒師だし……

とはいえ、せっかく異世界に行けるのに何もしないのはもったいない気がする。

何よりも旅は辛かったが、これまでにないわくわくがあったのは確かだ。

ずっと家でゴロゴロするよりかはずっと良い。

それに……

「事象には必ず意味がある。俺のスマホに謎のアプリがインストールされたことにも意味があるはずだ」

俺は自分がスピリチュアル系なので、こういうものを信じる。

「目的は……とりあえずは金儲けでいいか」

悩んだら金だろう。

それが一番わかりやすい。

「そうなると、色々と準備をしねーとな。向こうは危険もあるだろうし」

とある人物に電話すると、服を着替え、家を出る。

そして、近所にあるなじみの質屋に向かった。

「おーっす」

質屋に入ると、店長の爺さんに声をかける。

「ん? 誰かと思ったら詐欺師じゃねーか」

爺さんは俺を見ると、ひどいことを言ってくる。

「だーれが詐欺師だ!」

「おめーだよ。で? 今日は何だ? 客から騙し取ったやつか? 怪しい骨董品か?」

「正当な報酬だし、怪しくもねーよ! 今日はこれ」

そう言って、金貨と銀貨と銅貨を取り出した。

「んー? 硬貨か? 見たことねーな」

爺さんは硬貨をマジマジと見る。

「どっかの国のやつ。いくらになる?」

「文字も読めねーな。歴史的価値は微妙だが、単純に金だったら売れるな。おい、これ、ちょっと預かるぞ。詳しく調べる」

「あいよ。わかったら教えてー」

「ああ、また電話する。ちなみに、これはまだあるのか?」

この爺、目の色を変えたな。

ということは、この金貨は本物の金っぽいな。

「価値次第で集めるかどうかだな」

「出所は?」

「スピリチュアルな話を信じるか?」

異世界のことを言っても頭がおかしいとしか思われない。

「信じねー。俺が信じるのは金だけだよ。まあいい。多分、本物の金だろうが、値段は詳しく調べてからだ」

「あいよー」

爺さんに金貨、銀貨、銅貨を1枚ずつ預けると、店を出た。