軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

第004話 アンナと話す

道をひたすら進んでいくと、森を出た。

そして、暗くなり始めたところで街道から外れた広場に馬車を停車させると、夜食を取り、就寝となる。

俺とおっさんが馬車で寝て、女3人は外でテントらしい。

おっさんは横になると、すぐにいびきをかいて寝だした。

「うるさいなぁ……」

いびきで寝られそうにない。

それとあの蛇が気になっていた。

うーん、どうしようかねー。

というか、多分、もう24時間は経っているな。

すでに24時間のカウントダウンは終えたと思っているが、アプリを起動させるのはエーデルに着いてからでいいと思っていた。

別に働いているわけでもないし、占いでもそれで問題ないと出ているからだ。

「寝られん」

おっさんを起こさないように起き上がり、馬車を出た。

外は暗かったが、焚火はついたままだったのでそーっと女共が寝ているテントに近づく。

すると、俺の首に冷たいものが当たった。

「そっちに何か用か?」

振り向くと、長身の剣士が俺の首に大剣を当てていた。

「フィリアが気になってね」

「死にたいか?」

あ、夜這いと思われてる。

「ちょっといいか?」

焚火の方を指差す。

すると、長身の女は剣を下ろし、焚火の方に歩いていった。

俺もその後に続き、女が腰かけたのを見て、対面に座る。

「何だ? 弁明があるなら聞こう」

完全に夜這いと思われてますね。

「その前に名前を聞いてもいい? 俺はリヒトだ」

よく考えたら自己紹介をしていない。

「私はアンナだ。ようやく名乗ったか、リヒト」

「…………忘れてた」

「覚えておけ。名乗らない人間ほど信用できんものはないぞ」

ごもっとも。

「これは失礼を……やはり異世界に来たことに動揺しているのかもしれない」

怪しい商売をしている俺が相手に名乗らないなんてありえない。

冷静かと思っていたが、俺も結構、混乱しているようだ。

「お前、いつ来たんだ?」

「今日」

「は? 今日?」

アンナが呆ける。

「来たばっかです」

「…………それにしては落ち着いているな」

「最悪なことにはならない……そう占いに出てる」

最初は死にかけましたけどね。

「なるほど。何故、私らに近づいた」

警戒マックスだな。

「いや、本当に助けてほしかったんだ。フィリアに誘ってもらったし、マジで助かった」

「ふーむ……」

めっちゃ疑ってるなー。

「まあ、信用しなくてもいいよ。占い師なんか絶対に信用しちゃダメだし」

「自分で言うか?」

「信用されても困るんだよね。絶対じゃない占いを信用して、逆恨みはごめんだし」

「そんなものか……まあ、お前が私らに何かをしようとは思わんな」

おー!

俺の人畜無害さをわかってくれたか。

「うんうん!」

「というか、何かを出来る気もせん。お前、弱そうだし……」

すぐに首を刎ねれるっていう意味ね。

まあ、いいけど。

「アンナさ、あんたがこのパーティーのリーダーなんだっけ?」

ミケがそう言ってた。

「そうだな。といっても、このパーティー自体が臨時なんだ」

「臨時? 急造か何か?」

「急造ってわけでもない。私らはこの大陸のでっかいクランに所属する冒険者なんだ」

クラン……冒険者の集まりかな?

「へー……」

「私ら3人を見て、女ばっかだなって思わなかったか?」

「思った。あー、もしかして、女が徒党を組んだ感じ?」

「そうだ。『男に負けないぞ!』って感じだ」

女ばっかだから危ないなーとは思っていたが、こいつらはそういうクランらしい。

「なるほどね」

「ミケもフィリアもそこに所属するソロ冒険者だ。女のソロは危ないからこんな感じでクランがパーティーを斡旋するんだよ」

良いクランだな。

「エーデルが本拠地か?」

「いや、違う。フィリアはエーデルの人間だが、私はエスタの人間だ。だからエーデルに着いたら空いている冒険者を探して、エスタに帰る」

ミケは東に行くし、解散か。

「アンナが剣士、フィリアがヒーラー、猫ちゃんが斥候とみた」

「正解だ」

合ってた!

「悪いが、もう少し、聞いてもいいか?」

「いいぞ。見張りは暇だからな。付き合ってもらった方が助かる」

「見張り?」

「モンスターや盗賊の夜襲なんかもあるし、当然、見張りを立てる。常識だぞ」

確かにそうかもしれない。

「お前一人?」

「交代で行う。今日は私」

商人のおっさんはしないだろうし、こいつら3人でローテーションかな?

手伝ったほうがいいのだろうか?

いや、俺が一人で見張りをしても、色んな意味でこいつらは安心して眠れないだろうな。

「俺、冒険者になれるかな?」

「資格的な意味ではなれる。ギルドに行けば誰でもなれるからな。素質的な意味では……魔法の腕次第だろ」

荒事は無理かー。

「うーん、アンナが素手で、俺が剣を持っていても勝てる気がしないなー」

「そういうことだ」

適材適所。

「そっかー」

「私も聞いてもいいか?」

んー?

「どうぞ。俺も眠れそうにないし、2人で夜を語ろう」

「お前、すごいな。胡散臭さがすごい」

褒めてくれ。

「これに慣れると、逆に信用できるかもって思うのが人間なんだよ」

「怖いな…………お前、異世界人っていうのは本当か?」

アンナは苦笑していたが、すぐに真顔になる。

「だと思う。少なくとも、この世界は俺がいた世界とはかけ離れている」

「そうか……異世界人は特殊な能力をもらえると聞いたが、その占いか?」

「これは最初から持ってるものだ、もらった能力が何なのかはわからない。逆に聞きたいんだが、どうすればわかる?」

ステータスとか、説明書とかねーの?

「うーん、そういう特殊なスキルは教会に行けばわかると思う」

教会か…………

仕事上、宗教は苦手なんだがなー。