作品タイトル不明
863.戦いのあとで
「ただいまです!」
「ああ、お疲れさま。こっちは大丈夫だが……」
ステラはいつも通り無傷だった。
さすが。
「……隣はナナか?」
ステラの隣には雪だるまみたいに真っ白な人型の塊があって、彼女はそれに肩を貸していた。
雪だるまが動き出して頭の雪を払う。
そこから出てきたのは黄色いふかふかコカトリスヘッド。
やっぱりナナだった。
「これは雪と霜だから……大丈夫。ただ、毛に雪が絡んじゃっただけ」
「そ、そうか。お疲れ様だ……」
俺の思った通り、ナナは射出されたみたいだな。
着ぐるみにたっぷり雪がついてる。
そこにコカトリスが集まり、しゅばばーっと羽を動かしていく。
「ぴよぴよー」(きれいきれいー)
「ぴよよー」(ぱたぱたー)
「わっ、綺麗にしてくれるの? 助かるよ」
みるみるうちにナナを覆っていた雪は払われていった。
「さすが、コカトリスの羽はお掃除にぴったりです!」
ララトマがうんうんと頷いていた。
確かにコカトリスの羽は窓でも床でも綺麗になるからな。
そこでステラがすすっと俺に近寄り、おずおずと聞いてくる。
「向こうに球根がありますが……何かに使えたりしますか?」
おっ、いい勘をしているな。
その通りだ。
「フラワーアーチャーの根と同じで、使い道はちゃんとあるぞ」
「……ちょっとへこんでいますが」
ステラが目をそらす。
うん?
そうしてフリーズブルームの元に移動すると……。
「申し訳ありません、どの程度の力で壊せるのかわからず……」
「き、気にしないでくれ」
「アダマンタイトがへこむくらいでいいかな? と思いまして……」
俺の目の前には巨大な白い球根があった。
ただ、球根は派手にへこんでいた。
……バットの形に。