軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

498.暖かくなって来たので

「ほう、いいじゃないか……!」

俺はふわもこトロッコを覗き込む。

ちょこんと乗った、ミニのコカトリスぬいぐるみが素晴らしい。

……手に取ってみたくなるな。

「にゃ。ミニトロッコとぬいぐるみの組み合わせですにゃ。シンプルだけど、これなら独自性がありますのにゃ」

「ふむ……。そうだな、ドワーフは逆にぬいぐるみみたいなのは得意じゃない、か」

普通のミニトロッコなら、他国のほうが優れたものを作る。

しかし、もこもこコカトリス付きならどうだろうか。それだけで大きな違いになり、ザンザスの強みも活かせる。

「お褒めいただき、ありがとうございます……! まだバランスやコスト面で、色々と詰めなければなりませんが……」

「方向性はとてもいいと思うぞ」

「イケると思いますにゃ」

「『コカトニア・ハウス』のラインナップに加えることも考慮して、詳細をまた報告します……!」

レイアがテーブルの上に広げたトロッコ達をバッグにもどしていく。

「……ちょっとだけいいか?」

「? どうぞ、気になるのがあれば……」

では、お言葉に甘えて。

俺はふわもこトロッコを手に取り、しばらく堪能したのであった。

大樹の塔。

「はー、困りましたねー……」

テテトカはうーんと首を傾げていた。

「お姉ちゃん、どうかしたのです?」

悩んでいる姉の姿は珍しい。

だいたいのドリアードの悩みは、あと1個草だんごを食べるか、食べないかくらいなのだ。

そしてテテトカは、迷ったら食べる派である。

それゆえ、こうして首を傾げる姉は相当珍しいのだ。

ララトマが草だんごをもぐもぐしながら、テテトカへ問いかける。

「土風呂の予約を整理していたのですがー……暖かくなって、たくさんの人が来ててー」

「そういえば、最近人が多いです」

ララトマは大樹の塔の窓から、土風呂コーナーを見渡す。そこでは今日も、住人や行商人が土風呂に入りまくっていた。

……すでに土風呂コーナーの隣で、順番を待っている人もいる。

「ぼくたちには地下があったりもしますが、限界が来そうかなー」

「です。もぐもぐ、ごっくん……。考えてもらわないといけないです!」

「そだねー」

そこへウッドがやってくる。

「ウゴウゴ、収穫終わったよ!」

「はーい! 今、行きますですー!」

ララトマが嬉しそうにパタパタと出掛けていく。

テテトカはその様子を微笑ましく見送りながら、頭の中で今の話を再考していた。

問題は面積なのである。

これからもっと暖かくなれば、人ももっと来るだろう。

「……ここみたいに高くしたら、たくさんの人が入れますかねー?」