軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

372.着ぐるみ選び

翌日。

早速、アナリアとナールを呼んで話をする。

「――というわけなんだが」

あらましを聞いた二人はふんふんと頷きながら、

「にゃ。村の基本的運営は支障ありませんのにゃ。……エルト様の勤勉さには感服しますにゃ」

「ええ、人づてにお聞きしましたが、ルイーゼ様はかなり破天荒な方みたいですし……」

ん?

俺はちょっと旅行気分だったのだが……。

「あちしは見ましたのにゃ。いきなり空から降ってきて、騒いでましたのにゃ」

「うう、恐ろしい方ですね……。それでもエルト様相手には、無茶はなされないでしょうし……」

あぁ、なるほど。

ルイーゼを抑えるのに、俺も同行すると思っているのか。

ナナのアレコレは主に執務室だったからな。

アナリアやナール、他の住人は知らないのか。

「息抜きにはなりませんのにゃ……」

「……そうだな」

着ぐるみで、ちょっと息苦しいかもな。

「羽を伸ばすというわけにも……」

「うむ……」

コカトリスの着ぐるみだから、羽は付いているんだけどな。

「ぜひ、お留守番はお任せくださいですにゃ……! ばっちしやりますにゃ!」

「はい、エルト様は心置きなく討伐隊への同行を……!」

まぁ、二人ともきちんとやってくれる人材だ。

誤解はあるかもだけど……あのルイーゼとホームで渡り合うのは本当だしな。

俺はきりっとした顔で言った。

「ああ、よろしく頼む!」

その後、俺はナナの家へ向かった。

着ぐるみを用意するためだ。

「いらっしゃーい」

「お邪魔する」

「お待ちしていました……!」

リビングにはレイアとステラがいる。

ステラには先に、話を通してもらったのだ。

レイアは魔法具をカチャカチャする手を止め、俺に向き直る。

なんだかコカトリスの羽っぽいパーツだな……。

「ようこそ……! ちょうど良い所に!」

……すでにレイアのテンションが高い。

「アナリアとナールはいかがでした?」

「快く留守を引き受けてくれたよ」

「それは何より……。水運とライガー家が絡めば、重要度はおわかりでしょう」

そんな感じだったな。

「――で、俺の着ぐるみだが……」

ナナがお腹からメモ用紙を取り出す。

「エルト様の体格は、ステラから聞いたからね。これなら比較的揃っている」

「お揃いですね……!」

俺とステラの背格好はほぼ同じ。

百七十センチくらいか。

冒険者はこのくらいの体格が多い感じだな。

「あとは細かな所をはかって……だけど」

「だけど?」

ナナがずいっと身を乗り出す。

「どこまで『ヤル』のかが問題だね」

「お見合い会で用意した着ぐるみは、一応兵士レベルの代物ですが……リヴァイアサンと戦える装備ではありません」

「ステラは当人の希望で可能な限り戦闘用にアップグレードするけど――エルト様はどうする?」

きらきら……。

ステラの瞳は、もちろんそこもお揃いで! と主張していた。

「ちなみにステラと同じ戦闘用だとどうなるんだ?」

口にした瞬間、俺はちょっとだけ後悔した。

三人がずずいっと身を乗り出して――。

「耐衝撃、耐刃、完全防水は対リヴァイアサンだと基本だね。あとは寝袋機能も」

これはナナ。

「羽や腰、頭の自由度も大切です……! ダンスが出来るくらいに、軽快な動作が出来るようにすべきでしょうね……!」

これはステラ。

「海の中は案外暗いものです。目がぴかーっとライトになるのは便利ですよ! 隠密ならコカトリス風味を増すために、鳴き声機能も有効でしょう……!」

……これはレイア。

まとめて言われても、ちゃんと理解できてしまうのがやや悲しい。

どれも一理あるのだ。耐久力は欲しいし、動きやすい方がいいし、便利なオプションもありがたい。

つまるところ、俺の答えは一つしかない。

「わかった、それで頼む……」