軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

102.とりあえず決まった。

「我々、神族も一緒に行ってもいいですか?」

サービーの言葉に首を傾げる。

「あの、我々神族に神力はありません。でも、その力仕事は出来ます。あと、希望があれば何でも――」

「待った。ストップ」

俺が話を止めると、サービーの表情に緊張が走った。

それを見たシーバー神が、なぜか焦っている。

もしかして、神だけが星と一緒に移動すると思われているのか?

そんな事を言った覚えは無いけど、そう思わせてしまったんだよな。

「誤解をさせて悪い。まずその星をそのまま移動させるつもりだから、もちろんそこに住む神だけでなく神族も一緒に呪界に来てもらう予定でいる。もちろん、呪界は嫌だと思う者もいると思う。その場合は、彼等の希望に沿うように動くつもりだ」

「「えっ?」」

シーバー神とサービーの驚いた表情がパネルに映し出される。

それにちょっと笑ってしまう。

そう言えば、この2人は少し似ているな。

「あっと、え~。神族には光の魔力しかありません。しかもその力もそれほど強くはないと思ってください。だから、呪界に行っても役に立てるかどうかわかりません」

シーバー神が神妙な表情で俺を見ながら、神族について説明する。

でも既に知っている事ばかりだ。

「光の魔力しか無いのは知っているし、呪界で何かをしてもらうために来てもらうわけではないから気にする事は無いな」

星が必要な理由を、言った方が分かりやすいかな?

「呪界には、ここ以外に星が無いんだ」

「えっ? 星が無いのですか?」

シーバー神の不思議そうな言葉に頷く。

「そう、この星は元々神国にあったんだけど、色々あって呪界という世界を作って移動した星なんだ。呪界には、この星しかない。そしてこの星には、力が強い龍が5匹もいる」

龍の数を言ったら、シーバー神が目を見開いた。

やはり1つの星に5匹も龍が集まるのは異常なんだろう。

「なぜ、そんな事になっているのですか?」

シーバー神達に、この星が出来た経緯や呪界が出来た原因を簡単に説明する。

本当に簡単なので、色々省いたけど大丈夫かな?

「「…………」」

あれ?

無言?

シーバー神とサービーを見ると唖然としている。

「あの、呪界王様は……元人間という事ですか?」

「そうだよ。元人間」

「「…………」」

サービーの質問に答えたら、また無言になってしまった。

どうにか話を進めたいんだけど、頭を整理する時間も必要だよな。

「あっ、すみません。思いがけない事を聞いて驚いてしまって」

シーバー神の言葉に苦笑する。

まぁ、人間が今では神の仲間入り。

……改めて考えると凄いな。

「えっと、話を少し戻すな。この星には龍が5匹いる。彼等に、星を1つずつ贈りたいんだ。でも星を作るには、世界の実が必要なんだよな? 呪界にそんな物はない。だから神国から星を移動できないかと思ってさ。それで神達から隠れている者達なら、移動に賛同してくれるかもしれないと思い、声を掛けたんだ」

龍達の力は、元神獣だけあって守る力が強い。

それなのに、この星にいるせいでその力が思う存分発揮できずにいる。

俺の守る力が強すぎるせいなので、本当に申し訳ないと思う。

呪界の世界が出来るまでは星自体が不安定だった事もあり、龍達の守る力もかなり役立った。

まぁ龍達の力が増した事と、俺の力が増したせいで、以前の星では受け止めきれなくなっていたけれど。

今は、それはどうでもいいな。

つまり、彼等の為の星が欲しい。

この一言に尽きる。

「シーバー神のいる星に、神獣がいない事は確認済みだ。だから、君達を守る事を約束するので星を俺にくれないかな?」

神獣が星を守れば、今までのように結界に神力を注ぐ必要はなくなる。

そうなれば、シーバー神達はもう少し楽に生きられるはずだ。

「神獣の為に星を移動させる?」

どうしてそんなに驚くんだろう。

大切な仲間だから、出来る事をするのは当然だ。

「そうだよ。彼等は、俺を守るために命を懸けてくれた」

空から落ちて来る龍達を今でも思い出す。

あれは本当に悪夢だった。

絶対に、二度とあんな事は起こさせない。

「今度は俺が彼等の為に何かしたいんだ」

飛びトカゲは気にする必要は無いと言ってくれたけど、やはり彼等の力が無駄になるのは勿体ない。

「呪界王は、我々の知っている神達とはかなり違いますね」

シーバー神の言葉にサービーが頷く。

「元人間だからじゃないかな。神達の常識にも疎いしな」

神の常識なんて、知りたくもないけど。

「分かりました」

シーバー神の言葉に、期待してしまう。

「我々を守って下さるならば、星の移動は問題ありません」

やった!

「あの、他の――」

「サービー!」

サービーの言葉に、シーバー神が声を張る。

他の?

もしかして他の星の事かな?

神達から隠れている星は、ここ以外にも見つけている。

シーバー神は、どうやらその星の情報を隠したいようだ。

知っている事を言わなくてもいいけど……隠す事でもないか。

「ここと同じような星が、いくつかある事は確認が取れている。だから、隠す必要はないぞ」

「知っているんですね」

俺の言葉にシーバー神が、情けない表情をする。

そして俺をチラチラとみる。

「何か知りたい事でもあるのか?」

そう見られると気になる。

「ここ以外に、いくつ知っていますか?」

「ロープが、シーバー神のいる星以外に6つの星を見つけている。どの星も、周りから分からないように結界と阻害魔法がかけられているみたいだ」

「えっ、6つだけですか?」

似たような星はもっとあったのか。

そう言えばロープが、結界の残骸が残っている星をいくつか見つけていたな。

その星には、もう誰もいなかったけど。

「6つだけだ」

「そう、ですか」

「元々いくつあったんだ?」

シーバー神は首を横に振る。

「我が確認していたのは27です。でも他にもあったと聞きました」

そんなにあったのか。

そして今残っているのが6つ。

少ないな。

「あの、移動はいつ頃出来ますか? この星の結界はそろそろ限界を迎えます」

シーバー神の言葉に、周りにいた者達の気配が少しざわつく。

でも、誰も混乱している様子の者はいない。

もしかして、皆はその事を知っていたのか?

「ですので、早めに呪界に移動をお願いしたいです。あっ、呪界に行った場合は、神力は不要になるのですか? もしかして光の魔力も?」

シーバー神の次の言葉に、周りから驚きの声が上がる。

少し焦っている声もある。

「大丈夫。呪界には、神力も光の魔力も流れているから。ただ少しずつ呪力と魔神力、それに闇の魔力が混ざってくると思う」

「魔神力に闇の魔力? それは、体に影響があるのではありませんか?」

シーバー神が不安そうに俺を見る。

「それは、大丈夫。今まで力が混ざり込んだ事で、悪い影響を受けた者はいないから」

「本当ですか?」

かなり心配そうだな。

「あぁ、えっと……あっ、飛びトカゲ。悪いけど、もう少し体を小さくして傍に来て欲しい」

俺の隣に、体を小さくした飛びトカゲが映り込む。

その瞬間、シーバー神の方で大きな声が上がった。

もしかして神獣が珍しいのか?

「飛びトカゲは神国にいたから、神力と光の魔力だけの世界にいた。でも、今はこの2つ以外に、魔神力と闇の魔力。それと呪力も混ざり込んだ世界にいる。そのせいで、何か体調に問題が起こった事は?」

「ない。だから、お前たちも安心しろ」

飛びトカゲの言葉にシーバー神は、神妙な表情を見せる。

信じられないかな?

まぁ、それも仕方ない。

神力と魔神力は反発する力だからな。

「分かりました」

あれ?

納得してくれたのかな?

それなら、いいんだけど……。

「この星にいる全ての者に、星の移動に付いて来るか確認を取ります」

「ありがとう。俺も、準備に取り掛かるよ」

とりあえず神国から移動させるわけだから、創造神の許可がいるよな。

フィオ神にお願いして、許可を取って来てもらおうかな。

許可が貰えなかったら……まぁ、その時に考えよう。