軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

126.トレント

-ナナフシと間違われているトレント視点-

世界樹が姿を隠すと判断した時、一緒に隠れたかった。

でも、僕はまだ小さく弱くて。

大切な存在と離れるのはすごく悲しくて悲しくて。

でも、森を守る世界樹のためにトレントとして役目を果たそうと決めた。

森をどれくらい彷徨ったのか1つの木の上に落ち着くまでずいぶんかかった。

ここに敵が来たら奥へは通さないように攻撃をする。

弱くても少しぐらいは敵を減らせればいい。

何度も心が消えそうになった。

それでも1日でも長く役目を果たせるように…。

世界樹を感じられない時間は苦痛で魔眼と呼ばれるものに心が引っ張られるときも増えてきた。

だから眠ろうと。

僕が森の不利にならないように自分に眠りの魔法をかけた。

二度と起きることが無いように。

ふっと世界樹に呼ばれた。

声が聞こえる。

おかしい、眠りの魔法をかけたのに目が覚めてしまった。

そして感じる世界樹の存在。

でも、魔力が違う、知っている魔力はもっと冷たい。

この体に染みわたる魔力は暖かく気持ちがいい。

何が起こったのか。

不安になりながら急いで世界樹の魔力をたどりここに来た。

見えた世界樹に驚いた。

知っている世界樹と何もかも違う。

魔力に暖かさを感じたのは世界樹が喜んでいるからなのかな。

世界樹と共にいた仲間に聞く。

驚いた。

世界樹が一度死んだなんて。

では、目の前のこの世界樹は?

森の神が新たにこの森に世界樹を誕生させてくれたそうだ。

森の神。

聞いたことが無いので戸惑った。

神とは森に必要な命を誕生させる存在の事らしい。

世界樹を誕生させたのだから神で間違いないと。

一番長く世界樹と共にいる仲間の言葉だ。

そうなのだろう。

そして今、世界樹は森の神と共にあると。

すごい!

トレント達も森の神のもとに居てもいいと。

うれしい。

初めて会った森の神は人のような姿をしていたが流れる魔力は優しく気持ちがいい。

世界樹の魔力も気持ちがいいけど森の神の魔力も気持ちいい。

眠りから覚められてよかった、世界樹にもう一度会えた。

……

びっくりした。

仲間のみんなも固まって水の精霊を見ている。

だって森の神に威嚇をしているから。

森をさまよっていた時、それを見てびっくりして悲しくなった。

それは川の精霊達が魔物を狩っている姿。

精霊達が川から上体を起こすのは威嚇するときだけ、魔物を油断させる時に使う手だ。

精霊は森からもらえる魔力で生きている、川の精霊なら川に流れる魔力。

狩りをしなければならないのは魔力がもらえなくなったから。

それは森が衰弱している証拠。

森の神がいるここは魔力があふれている、なのにどうして威嚇を!

森の神を裏切るつもりか!

水の精霊の所へ行こうとすると、仲間から集合がかかった。

水龍が僕達トレントのもとにやってきた。

精霊を止めないのかって思ったけど、彼らは森の神に強さを見せているらしい。

強さを見せる?

森の王達やその子らが森の神の前で競い強さを見せあっている。

それを精霊もしたのだと。

そうなのか?

気持を落ち着けて、精霊たちをもう一度確認……なるほど。

強さを認めてもらいたいのか。

でも、森の神に見られているからか魔力に暖かさが…。

暖かい魔力が出てるけどいいの?

駄目?

水龍が困った感じに精霊達を見ている。

そうだよね、威嚇しているのに暖かく包み込んだら駄目だよね。

次は土の精霊。

こっちはうれしさを全く隠してないね。

あ、土龍が頭を抱えてる。

え!今日これから僕達も…そんな!

あちらこちらから無理だと叫びが。

僕も長く眠っていたせいで舞を覚えているか怪しい。

話し合った結果、勝負は明日。

トレントの破壊の舞を見てもらうことに決まった。

しっかり今から特訓しよう。

ん?お前もか、一緒に頑張ろう。

あれ?

右だっけ?

ここで飛んで…あ、間違った。

どっちだっけ?

覚えてる?

覚えてない…誰か~。

右にクルクル、飛んで飛んで、右にクルクル。

心を込めて…あ!

途中、何度か間違ってふらついてしまった。

森の神もちょっと困った顔をしているような…特訓しないと!

もっと特訓して成果を森の神に。

え?明日は死滅の舞?

…あ~誰か最初から教えて!

ん?喜びが全身から?

…森の神に見てもらっているのに喜びを抑えるなんて…無理だ。

少しはいいの?

…もしかして酷かった?

そうか、気を付けないと。

え?森の神に破壊の魔力を送っていた?

ぅわ~魔力の制御ができていなかったんだ!

それにしても僕の攻撃が全く効かないなんてさすが森の神だな、すごい。

え、それより制御…わかってるよ!

明日こそは!