軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

図書館−1

ジョシュの案内によって無事ピュセーマを預けた場所まで戻ってきた。

ジョシュが大鳥を預かる係であろう人に話しかけている。すぐに手続きは終わったのか、ソフォスとピュセーマが部屋から飛び跳ねるように出てきた。

ピュセーマを預けたのは先ほどの事なのに、随分と久しぶりの事のように思える。

ピュセーマの体を撫でているとアレックスは落ち着く。

「アレックス、まだ少し時間があるので図書館を見ていくか?」

「そういえば行きに時間があったら見てみようと言っていたっけ」

「場所を覚えれば次回から来るのが楽になるぞ」

「確かに。図書館へ行ってみようかな。調べたいこともできたし」

「分かった」

ジョシュがソフォスに乗るのに合わせて、アレックスもピュセーマに乗る。

ソフォスを先頭にお城から飛び立つ。

飛ぶと言っても敷地内なのですぐに降下を始める。

降り立った建物は思ったより大きく、役所となっている魔法省などの大きな建物と同じような大きががある。

ジョシュの案内で少し図書館の中を見ていく事にした。

中に入ると本が全ての壁一面にまで並べられている。

ここまでの蔵書があるとは思っていなかった為、アレックスは入り口で立ち止まって建物の中を見上げる。

「凄いだろ?」

「こんなに本があると思ってなかった」

「戦後にかなり増えたようだ。増えたのは錬金術師などの書物だな」

「一子相伝ではなくなったからか」

国王陛下から戦争中にポーションが足りず、錬金術師を一子相伝では無くすための改革をしたと言っていた。

錬金術師を増やすのに一番重要なのは作り方の手順だ。

技術の登録には作り方の手順をしっかりと記述する必要がある。記述された書類は全てが図書館の蔵書となっているのだろう。

父が国に技術を登録するのが錬金術師としての名誉だと言っていた。名誉となる登録の原型を作っていたのが曽祖父だったのか。

ジョシュの案内で図書館の中を歩いていく。

蔵書は全て区分分けされているようだが、ジョシュはそこまで詳しくはないと言う。

必要な本があれば司書に聞くと良いと助言を貰った。

「そういえばアレックスも技術の登録をしただろ?」

「真珠糸とウルトラポーションは登録されているよ」

「すでに蔵書の中に入っていると思う」

ウルトラポーションは事前に聞いていた通り、表に公開していないとキンバリーから聞いている。

真珠糸に関しては表に出しているとキンバリーから聞いている。すでに生産省で国からの依頼を出しており、生産が続いて良いるとも聞いた。

最近のアレックスは真珠糸を作る量は減った。

今は真珠粉の試作を終えようとしている。

ジョシュが司書に真珠糸とウルトラポーションについて聞いてくれた。

司書は真珠糸については分かったが、ウルトラポーションについては当然知らなかった。

知らないのか、知っていて知らないふりをしているのかは分からないが、王城内の図書館にも置けない書物はあるようだ。

司書の案内で、真珠糸の書籍が置いてある場所へと案内して貰えた。

司書が立ち止まって書架から一冊の本を取り出した。

アレックスは司書から本を受け取り中を確認する。

中にはアレックスが書いた真珠糸の製法が書き込まれており、最後にはアレックスの署名がある。

「蔵書となっていると思うと考え深いな」

「魔導士も錬金術師に合わせて登録ができるようになっているので、アレックスの気持ちは少しは分かる」

「魔導士も登録ができるのか」

「錬金術師に比べると登録されている数は少ないが、新しい魔法や魔法陣を作れば登録できる」

ジョシュが司書にお礼を言った後、魔導士の登録がされている場所を案内してくれると言う。

アレックスも司書にお礼を言ってジョシュの後を追う。

魔導士関連の書籍がある場所はジョシュがよくいく場所なのだろう。ジョシュは迷う事なく進んでいく。

広い図書館の中には多くの人が居て本を探したり、本を読んだりしている人を多く見かける。

図書館の中にいる人はアレックスのような礼服を着ているか、魔導士だと分かるようなローブを着ている人が多い。年齢もアレックスより高そうな人しか居ない。

アレックスが周囲を観察しながらジョシュを見失わないように追っていると、ジョシュが立ち止まった。

魔導士が登録した書籍の近くまで来たのかと思ったが、ジョシュが何も言わないので不思議に思って顔を見ると、困ったような顔をしている。

ジョシュの視線の先を見ると、礼服に近いが少し違いがある服を着た人が居た。

アレックスがジョシュに顔を向けると、ジョシュもアレックスの方を向いた。

「アレックス、かえ」「ジョシュアか?」

ジョシュは何かを言おうとしたが、遮られた。話しかけてきたのはどうやら少し形の違う礼服を着た人のようだ。

話しかけられたジョシュは苦虫をつぶしたような顔を一瞬した。

顔を見た限りは、ジョシュは帰ろうと言いたかったのかもしれない。

すぐに真顔になったジョシュは跪いた。

その姿は国王陛下に会う場合にする作法だと教わった姿そのもので、アレックスも慌ててジョシュと同じように跪く。

ジョシュがそのような事をするのは相手が王族だからだろう。

一日に二度も王族と会う事になるとは思わなかった。

「エリック殿下」

「ジョシュア、余にそのような事は必要はないぞ?」

「はっ」

アレックスには立ち上がったジョシュは見えないが、隣に居たジョシュが動いたのが分かった。

エリック殿下と呼ばれた王族はジョシュに普段はそのような事をしないだろうと、不思議そうに聞いている。

ジョシュが友人を連れていたのでと返している。

どうやらアレックスのために跪いて相手が王族だと教えてくれたようだ。

「隣に居るのが友人か?」

「はい。エリック殿下に紹介をいたしても構いませんか?」

「ジョシュアがそういうのなら何かあるのだろ? 構わん」

「我が友人はアレクシア伯爵の子であるアレックスです」

「アレクシア伯爵!?」

母の名前が出た瞬間にエリック殿下が驚いた声を上げた。

慌てたようにアレックスに立つように言って、本当にアレクシア伯爵の子供なのかと尋ねてきた。

アレックスは国王陛下に会うために、今日は角を隠すための髪飾りをしていない。角がエリック殿下に見えるような位置にしながら挨拶をする。

ジョシュが更に国王陛下に先ほどまで会っていた事をエリック殿下に伝えると、納得して貰えたようだ。

ジョシュがアレックスが魔導士である事をエリック殿下に伝えている。更に図書館をまだ利用した事がないので、王城内の敷地に入ったついでに案内をしているとジョシュが話している。

アレックスが図書館にいる理由はエリック殿下も理解したようだ。

エリック殿下は少し不思議そうに武術ではなく、魔導士なのかとアレックスに聞いてきた。

「母のように近接で戦う事が無理でしたので、魔法を覚えております」

「アレクシア伯爵は凄いと聞くからな。子供といえど同じようには無理か」

「私にはとても真似はできませんでした」

「そうか」

アレックスはエリック殿下に本業は錬金術師なので、魔法もそこまで得意ではないと伝える。

エリック殿下が錬金術師と不思議そうに返してきたので、アレックスは父がハインリッヒである事を説明した。

一瞬エリック殿下はハインリッヒと言われてすぐに理解できなかったのか、不思議そうな顔をしていたが、すぐに「あのハインリッヒか」と驚いたような声を上げた。

どうやらエリック殿下も父の家系について知っておられるようだ。