軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

マンション機能拡張とは

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マンション機能拡張ツール/要星魔石/必要MMP 1

・敷地拡張

・タワマン化

・豊饒の大地

・マンション外監視

・第二マンション建設

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いつもの通販用端末にあった新たな項目は、とんでもないことが列挙されているリストだった。

状況から考えると、さっきリサイクルボックスにあのアメジストのような紫紺の魔石を投入したことで起きた変化とみるのが妥当だろう。

そして、あの魔石はマンションが『星魔石』と呼んでいるものなんだ。

見た目が特別だから、魔力をたくさん凝縮していて一気に大量のMPがもらえるんじゃないかと思っていたけど、まさか。

まったく別の単位になるとは。

マンションには特別な魔石を必要とする特別な機能がある。

それが今回のことでわかった。

そしてその機能は、列記されている名称だけでもとんでもないのだが、タップすると、より詳しい説明を見ることができて。

【・敷地拡張

マンションの存在している空間を広げる。

マンション自体のサイズは不変、周囲の地面を現在の四倍の面積に拡大】

なるほど、これを使えば芝生が広がり運動なんかも楽々できるようになるな。

それに畑も広げられるし、花をたくさん植えて花畑なんかも作れるかもしれない。

【・タワマン化

マンションの高さを超大幅に伸ばし、最上部に一階分の部屋も作る。

現在の最上階と新たな最上部の途中は何も作られない】

……ギャグかな?

高くなるけど途中には何もないって、実益ほぼゼロじゃないか。

今のマンションの広さから言えば、3部屋増えるだけだぞ。

まあ景色はいいんだろうけどそのためにこれを使う奴いるのか?

【・豊饒の大地

土壌が改善されあらゆる植物がマンション敷地内で育ちやすくなる。

特にマンション通販で買ったものとは特別なシナジーを発揮する】

通販にあった魔法の肥料の全体版みたいなものか?

あらゆるところにあの肥料をまいたのと同じ効果が出るとしたらすごいな。

しかし、逆に言うと普通の魔石でも似たようなことができるわけで、この特別な魔石を使うのはもったいないか。

……しかし特別なシナジー(組み合わせで発揮される良い効果)があるというのは気になるが……。

【・マンション外監視

通常はマンション内からはマンション空間の景色しか見ることができない。

この機能拡張をすることで、マンション内にいながら本来の世界の景色も見ることができるようになる】

これまでに比べると地味だな。

別に門から外に出ればいつでも見られるし。

それに外を見たところで廃墟だしな。

一つ使い道があるとすれば、この近辺を以前に目にしたドラゴンのような危険すぎる魔獣が徘徊するような事態が起きたときくらいか。

うっかり外に出て鉢合わせなんてことにならないように監視するのには使えるかもしれない。とはいえそんなことはそうそうないだろうからこれは選ばなくていい。

【・第二マンション建設

もう一つマンションを作れる。

新たなマンションは現マンションと同じ機能を有し、初期状態から始まる】

……これまたすごいのがきたな。

もう一つマンションを作れるとは。

まさかそんなことができるなんて、まったく想定してなかった。

しかしたしかに一つだけとは誰も言ってなかったな……マンション、奥が深い。

さて、それでこれを選ぶかどうかの実用性だが……。

いらなくないか?

初期状態ってことは一部屋だけの小さいマンション。

現状のマンションで十分暮らしているのにもう一つ作っても今のところは意味はあまりなさそうだ。

とはいえ、もう一つこのマンションと同じような安全な場所を作れるっていうのは、場合によっては切り札になりうる。

どこにでも作れる絶対安全な避難場所。その価値は決して低くはない。

結論から言うと、今はいらないが、将来的にすごく役立つ可能性はある、だ。

「――これで一通り見てみたか。今の俺にとって役立つか否かは色々だけれど、やれることの派手さはどれもこれまでの通販とは桁違いだな。星魔石っていうあの特別な紫紺の魔石から得られる力がそれだけ莫大、そして濃密ということなんだろう」

今の崩壊世界もマンションも、まだまだ奥深い。

俺の知らないことが色々とあると再認識できた。

「おーい! 入っていい九重さん? どしたん血相変えて走り出しちゃって」

「いいよって言う前に入るのはどうかと思う。それより雪代、こんなことがあったんだ」

俺が突然リサイクルボックスから部屋へ駆け戻ったので、何事かと雪代が追ってきた。

俺は雪代にモニターを指差して見せる。

「ん? 通販の? なになにええとマンション機能拡張……………………はぁぃ!? なにこれぇ?」

「見ての通り、どうもすごいことが色々できるらしい。あの特殊な魔石のおかげで。俺も驚いた」

「あー、あれ。大金持ちになれるんじゃなくて、特別な金持ちになれる石だったんだ」

「なんか語弊ありそうな表現だけどそういうこと」

「それで、どれにするの? 新しいマンション建てる? それともタワマンも面白そう」

「そうだな、色々考えた結果……」

「結果……?」

「今は使わないことにした」

ガクッと肩を落とす雪代。良いリアクションだ。

「ちょいちょいちょーい! こんなすごそうなものがあるのに、そのオチはないでしょーが!」

「だが考えてみて欲しい。この中で今すぐやらなきゃ困ることがあるか?」

「……うーん、ないかなあ。でもタワマンとか……」

「いや役に立たないよねそれ。すごいけどすごいだけで」

「それはまあ、そう」

「もし星魔石が複数あれば、良さそうなものに今使ってもいいけど、現状一個だけしかないし、次いつ見つかるかもわからない。その状況で使うのはもったいないなと思って」

「あー、なんだっけなんとか症候群ってやつでしょ、ミームでみたことある」

「エリクサー症候群」

「それそれ!」

「否定はできないけど、ゲームと違って使っても大丈夫なようにバランス調整されてるわけでもないからな。今と状況が変わって、ああこの機能拡張ができれば……となった時にMMP残しておければ便利だろう」

「ん、了解。言われてみたらそれが良さそう。じゃあその時を楽しみにしてよっかな」

端末を見ながら頷く雪代に俺も同じ気持ちだ。

せっかくのものだからやはり使いたい気持ちもある。

あるいは、もう一個なんとかして星魔石を見つけるっていうのも手だな。そうすれば一つは気軽に使える。

自然公園のようなところにまた行ければ見つかるかな。

どちらにせよ、これを使うチャンスが来るときが楽しみだ。