軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

【24】リゾートホテル、建てちゃいました。

「カワグチ様っ!! この、炙りサーモンとアボカドのおすし、最高ですわぁっ!!」

──四日後。村人達の就職も決まり、ショッピングモールのお店が少しずつオープンし始めた。

コンビニが五人、スカイファームタワーが10人、他は働ける人は全員ショッピングモールだ。

ちなみにゲイルさんは皆を取りまとめる窓口なので文官さん達と同じように国から給料が出る。

とはいえ、小さい子供がいる女性や子供も入れて、人口が105人しかいないのだ。

まだまだ人手不足なので次の村からの村民の移動を急いでもらっている。

村人やグレイスさん達は大変そうだったが、俺は相変わらず不労所得生活を満喫していた。

ここは働いちゃったらやってくれると思われちゃうので負けである。

でも、暇だったのでたまに道を整えたり公園を作ってあげたりした。

とりあえず俺とペロはまず最初にフィオナさんを誘って回転寿司屋にいった。

「おー、サーモン美味しいですよね。僕はやっぱりマグロが好きです。」

俺は奮発して中トロを注文する。

「ワシはやっぱりポテトフライが好きなのじゃっ!」

ペロはガツガツポテトフライを食べている。

──本来ならペット禁止だが、ペロは神獣なので人間扱いで許されるらしい。

俺はあら汁を一口啜り、満足感でいっぱいになる。

やっぱり日本人は和食だよな。

そんなことを考えながら他の寿司ももぐもぐと食べていると、魔道具が鳴った。

俺は席を立つと、魔道具に応答する。

『カワグチ殿。グレインだ。何か困ってる事がないかと思い連絡した』

「はい。あ、こんにちは。グレインさん。んー、困ってる事…ですか? 特にないですけど」

『そうか…では、やはり其方に本格的に護衛が必要になるのはペロモールがオープンしてからになるな』

そう言われて俺は思わず目を見開く。

「護衛?! なんですか? それ」

『いやー……其方の力が凄すぎるので警備を強化した方がいいという意見も出ていてな。今まで気づかず申し訳なかった!』

何となく気まずそうにグレインさんに言われて俺は動揺する。

「いやいやいや!! そんなのいらないですって。 万が一危なくなったらマンションに引き篭もりますし。 マンションにセキュリティ効いてますから!」

『とはいってもなぁ……。わかった。では、カワグチ殿専属と言うわけではなくその地域一帯を守る為の騎士を派遣する。治安が悪くなったりしたらお主も困るであろう? それと、文官も合わせて派遣する』

あ、それならよかった。現地にいる人だけで流石にそこまで見るのは無理だしな。

「あー、それだったらいいっすよ。マンション用意しますか?何人くらい来ます? いつ来ますか?」

『そうだな。50人くらいだな。皆単身者だ。一週間後にはいく。かたじけない。』

「わかりましたよ。あと、次の村人っていつ来ます? 今のところショッピングモールの会員1000人超えとか聞いてますけど。本オープン二週間後でしたっけ。一回プレオープンで接客させた方がいいと思うんですよね。お客さん全然いなくてスカスカなんで。一週間後に300人くらいだけ、会員登録したお客さん連れてこれないですか?」

『セイン様に確認して、すぐ連絡する。またあとでな』

そう言われて魔道具での会話が終わった。

「カワグチ様。大丈夫でしたの?」

フィオナさんに尋ねられて俺は頷く。

「はい、まあ。一週間後に騎士と文官合わせて100人くらいくるのと、もしかしたら、プレオープンでお客さんがくるかもしれなくて」

「そうなんじゃな、ますます賑やかになるのう」

あ、そうだった。プレオープンに来た人達が泊まれるところ作っといた方がいいよな。

俺はそう思い立つ。

「すみません、寿司、食べ終わったら一回ショッピングモールの外に出ていいですか?ちょっといいこと思いついて」

ペロとフィオナさんが顔を見合わせた。

寿司も食べて元気が出たからちょっと頑張っちゃいますか。

◇◇

「カワグチ様、今度は何を作るんですの?」

そう言われて俺は笑う。

「──まあ見ててください。」

『MPを350、スキルポイントを20消費して、リゾートホテル生成を実行しますか?』

俺はタブレットに出てきたその言葉にyesで実行する。

その瞬間空気が震えた。

ゴオオオオオオオオオ!!!

すると、隣に巨大なリゾートホテルが建った。

「きゃっ!!!」

フィオナさんが驚いて目を見開いた。

「──入ってみますか」

そう言って中に入ると、アナウンスが入る。

『ようこそ当ホテルにお越しくださいました。自動チェックイン機をご利用ください。本日オーナー様権限でカワグチ様とご友人は試泊できます』

目の前には5台ほどチェックイン機が並んでいる。

「え、え、泊まれるんですの?!」

フィオナさんが驚いた顔をしている。

「そうみたいです。どうせ暇なんで今日僕、泊まっていのうかなって。ペロもそれでいいだろ?」

すると、ペロは喜んで尻尾を振った。

「もちろんじゃ! 夜までゲームし放題じゃわい!」

「フィオナさんはどうします? せっかくなんでとまっていきません?」

「でしたらお言葉に甘えて」

チェックイン機をいじると、簡単に支払いや受付ができるようになっており、ホテル内の使い方や設備について書かれたパンフレットが最後に自動で出てきた。

「まあ! スパがあって、朝食も食べ放題ですって!!」

フィオナさんが興奮している。

確かにスパは嬉しいよな。俺も久しぶりで楽しみである。

ちなみに、本来なら一泊金貨二枚かかるらしい。

このパンフレット、セイン様にコンビニから送っとこうっと。

俺達はチェックインを済ませて部屋に荷物を置きに行った。

ホテルは地下とエレベーターで直結しており、ペロモールの地下には新しい色違いのホテル用エレベーターが出来てさらに広くなっていた。

「そうだ。今日から映画館とオープンしてる筈なんで、せっかくだから行きません?」

フィオナさんが首を傾げる。

「映画? ああ、あの見学の時入っていけなかった謎の部屋ですわよね?」

「ええ。ものすごい大きな画面で『てれびどらま』のような物語が見れるんです」

俺の言葉にフィオナさんがキラキラした目で頷いた。

「行きたいですわっ!」

「ワシも行くーーー!!!」

こうして俺達はエレベーターで3階に行って、映画館に入っていった。

「わあ、本当はこんな感じだったんですのね!」

彼女は大はしゃぎしている。

「ええ。見たいの選んでおいてください。僕、ポップコーン買ってきます」

せっかくだから、フィオナさんとペロに奢ってあげる事にした。

映画とポップコーンの素晴らしさを知って欲しい。

キャラメルポップコーンと、塩味のコンボをドリンク付きで注文した。

「決まりましたー?」

尋ねると満面の笑みで「ええっ!」と言われて見る。フィオナさんが選んだのは宇宙人が襲来するパニック映画だった。

「え、え、本当にこれでいいんですか?」

「はい! とっても面白そうですわっ!」

まあいいか。

ポップコーンとドリンクのコンボを机に置くと、俺は映画代を支払った。

「ほぉ。こんなに大きな画面は初めてじゃの!」

ペロが目をクリクリとさせている。かわいい。

三人でぼりぼりポップコーンを食べながらコーラを飲んでいると、映画が始まった。

「わぁっ、凄いですわっ!」

フィオナさんが手を叩いて喜んでいた。

結構グロいシーンが多くて俺はドン引きしていたが、フィオナさんは終始目をキラキラさせていた。

特に宇宙人の腹が開いて牙だらけのデカい口が開いて動物を捕食するシーンはヤバかった。

「おうおう、痛そうじゃのう……」

ペロがそう言って顔を歪ませていた。

だが、フィオナさんは目を爛々とさせながら、ボソリとこう言った。

「弱肉強食ですわね……」

なんだか新たな面を見せられた一日だった。

見終わった後、満足気な顔でフィオナさんがスキップしていたのがやけに印象的だった。