軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

【14】ショッピングモール、作っちゃいました。

「はーい!!! 皆さん集まってー!!! ここにマンション建てるんで。危ないので避けてくださいねー!」

まずはみんなを安全なところに避難させる。

セインさんやペロ、フィオナさんをはじめ騎士団の皆さんがワクワクした目で俺を見てくる。

俺が少し緊張しながら目の前に手をかざすと、タブレット画面が現れた。

そういや、最初の日しかこの数値、見てなかったな。

ちょっと自分がテキトー過ぎるかなと反省する俺だった。

…………………………………

川口 ナツキ(28)

HP:250

MP:450

スキル:『マンション』『言語』『鑑定』『アイテムボックス』『通信』NEW!『物体移動』『公共物生成』

スキルレベル:2 RC造マンション

スキルポイント:27

…………………………………

お? レベルが一つ上がってるじゃん!

やったー!

あと、なんか二つくらいスキルが増えてる!

そんな事を思いながら「マンション」の文字をタッチする。

すると、以前見たのと同じ表が出てきた。

レベルが上がったので、建てられるマンションがデフォルトでRC造マンションになったようだ。

…………………………………

マンションLv1:木造アパート

マンションLv2:RC造りマンション

マンションLv3:エレベーター付き(SP2消費)

マンションLv4:テナント解放(SP5消費)

マンションLv5:タワーマンション(SP10消費)

マンションLv6:ショッピングモール(SP20消費)

マンションLv7:リゾートホテル(SP30消費)

マンションLv8:???

マンションLv9:???

マンションLv10:???

…………………………………

あ。

頑張ればマンションの他にショッピングモールも建てられるじゃん!

マンションと両方立てたらMPも全部使い切るけど、なんとか足りる!

もしテナントのない普通のマンションを1つ建てたら、空室は今のマンションの十六部屋と新しいマンションの二十八部屋で、合計四十四部屋になる。

ま、部屋が足りなかったら後日マンションはもう一棟立てるとして、次は働く場所だよな。

やっぱショッピングモールだ。

俺はスキルポイントをまとめて使用し、一気にレベルを上げた。

『マンション生成を実行しますか? 消費MP:150』

どうやらテナントなしなので、MPの消費が多少は少ないらしい。「YES」をタッチした瞬間。

ゴオオオオオオオオオ!!

物凄い音がして新たに立派な七階建ての新築マンションが出てきた。

「「す、、凄い!!」」

「はーい! じゃあ、もう一つ凄いものを作っちゃいまーす!!」

俺はさらに日当たりが悪くならない程度に離れた場所に走る。

「なんだ?」

「──何をする気だ?」

騎士団の人達がザワザワする中、セインさんやフィオナさんは驚いた顔で俺を見つめている。

なんだかプレゼンで大成功した時のクライアントの方と重なった。

俺はもう一度タブレット画面を出して、『ショッピングモール』をタッチする。

『ショッピングモール生成を実行しますか? 消費MP:300』

あ、よかった。ギリギリだけどMPもなんとかいけそう! よーし!! ここにすっか!!

俺がYESをタッチした瞬間。

大地が光り輝いた。

「な、何?!」

「災害か?!」

地面が裂けるように盛り上がる。

そしてそこに――巨大な建物が姿を現した。

ゴオオオオオオオオオ!!!!

それは思ったよりデカいショッピングモールだった。

巨大な駐車場付きの三階建て。

スーパー、フードコート、衣料品店、家電量販店まで入ってるタイプの巨大な建物だった。田舎によくある一軒あれば用事が全部済むアレだ。

「──っな、なんだこれは……」

グレインさんがわなわなと震えている。

「ショッピングモール、作っちゃいました」

ついついドヤ顔になってしまった。だが全員があっけに取られた顔をして黙り込む。暫くするとセインさんは高笑いを始めた。

「──ははっ!!! はははははっ!! 凄いっ!! これは凄いぞっ!!」

嬉しそうで何よりである。

「いやー、思ったよりデカいのできたんで僕もビックリしましたわ。あ、皆さん良かったら、中、見ていきます?」

「──いいのか?!」

ワッと歓声が上がる。

「はい。その代わり、無人だからと言ってお金を払わずに商品を持ち帰ろうとすると、酷い目に合うんで皆さん気をつけてくださいね」

──俺たちはゾロゾロとショッピングモールに行くことになった。

◇◇

「な、なんだこれは!!」

みんな、まるでテレビ番組で初めて日本に来たアフリカの民族みたいな反応である。

「はーい! みんなで順番にいきましょうね」

言いながら俺とペロが先頭に立って引率する。

1階は生活フロアで、スーパーとドラッグストア、ベーカリーとATM、それにフードコートが入っているようだ。

「ここまでの鮮度の肉や魚は王都でも見たことがないぞ」

スーパーは無人のレジがあり、惣菜は今の所食べられないらしい。

ただし、ベーカリーはコンビニと同じようなラインナップで、どうやら有人にしないと焼きたてのものは食べられないらしい。

フードコートはハンバーガー、アイス、ラーメン、ドーナッツ、牛丼店、たこ焼き屋が入っている。

見ると、きちんとソースや薬味のストックが入っているので材料などは日本のもの自動補充されるようだが、人がいないとダメなようで、「スタッフ募集中!」と張り紙がある。

そして、ちらほら空いてるスペースがあるので、ここにテナントが入れるようになっているのだろう。

うーん、不思議だな。

そんな事を考えながら二階に上がっていく。

「な、なんだこの階段は?! 動くぞ?!」

どうやらエスカレーターもこの世界にはないらしい。

「あ、危ないんでエスカレーターの上であんまり動かないでください。二階に勝手につくんで」

二階に着くと、服屋と家具店、魔道具店、書店の場所がテナント募集中になっており、百均だけ無人レジで会計できるようになっている。

まあ、要は百均以外はスカスカである。

「このフロアは村人達が来たら出店して貰います」

テナント料も入ってきそうで俺としてはありがたい。

「素晴らしいね!! こんな施設があるのなら、きっといろんな国から人が集まるに違いないっ!──この場所はさ。何の因果か、丁度ラングスチアとナーミャ。それ以外に二つの国の国境が近いんだ。きっと交易も盛んになる」

「そうなんですか?! では、この階にはこの世界で流行っているお店を沢山集められたらいいですね。」

俺達はさらにエスカレーターで三階に上がっていく。

このフロアはいわゆるアミューズメントフロアらしい。

「──これは何ですか?!」

誰かが驚愕を声を漏らす中、ペロが幼児用のメリーゴーランドに飛び乗っていった。

「なんだか面白そうじゃわいっ!!」

近くの両替機に金貨を入れると、ジャラジャラと百円玉が出てきたのでそれをメリーゴーランドに入れる。

「ペロ。捕まってろよ」

俺がそういうと、メリーゴーランドは回り出した。

「わわわっ! 何だこれはっ! な、なんだかワクワクするわいっ!」

そう言いながらペロはペシペシと尻尾を振った。

「これは”ゲームセンター”という娯楽施設です。きっと大人も子供も夢中になる筈です。セイン様、ぬいぐるみ、取ってみませんか?」

百円を渡して、クレーンゲームのやり方を説明すると、セインさんが真剣な顔でぬいぐるみを取ろうとした。

──だが。

ぽとん。

残念ながら穴には入らずガラスケースの中に落ちてしまった。

「うわっ!! もう少しだったのに! ……これはもう一回やりたくなるな」

セインさんはニヤリと笑った。

「ええ。──きっと沢山のお金が落ちる事でしょう」

俺もニヤリと笑顔を返す。

「──君とは気が合いそうだな」

俺はセインさんと頷きあったあと、映画館、ガチャガチャコーナー、カラオケを案内した。

皆さんが遊びたそうにソワソワしていたのがなんだか印象的だった。