作品タイトル不明
3:ミルの脳内絵日記
スーは顔立ちや性格が父上に似ているけど、よく眠るところもそっくりだ。
私の頭の上で眠っている時は、起こさないようにゆっくり歩くようにしている。
フラーラは温厚な性格だけど、やんちゃなノッテがしつこくしてきた時にはちょっと怒って〝足ダン〟をしていた。
ウサギは外敵を見つけて警戒している時や不快な気持ちの時に、後ろ脚で地面をダン! と叩いて音を出すらしいのだ。だから〝足ダン〟。
だけどノッテには〝足ダン〟も効かないみたい……。
ヤンチャなノッテはクガルグとは相性がいいみたいで、よく取っ組み合って遊んでいる。男の子同士、良いケンカ相手だ。
一方、クガルグとスーはお互いにまだ遠慮がちだ。私の弟ということもあってクガルグはスーに優しくしてくれるけど、小さなヘビとどう接していいかまだ分からない様子でもある。
ま、スーがもう少し大きくなったらきっと一緒に遊ぶようになるだろう。
シラユキおばあちゃんの住処に行って、おばあちゃんの背に乗り、広大な氷の大地を駆けてもらった。体が大きいのでぐんぐん進むし、冷たい風が気持ちいい。
シラユキおばあちゃんは最近では全く走ることをしなくなっていたらしいけど、久しぶりに駆け回って、走る楽しさを思い出したようだ。
私と父上があまりに仲良くしていると、母上は同じ親として父上にちょっと嫉妬してしまうらしい。
だからそういう時、母上は私が赤ちゃんだった時の話を父上にして、父上が「その可愛い姿を……見たかった……」と悔しがるのを見て楽しんでいる。
小鳥が私の毛皮を自分の巣の材料にするために取って行く。抜けそうな毛を取るのは良いけど、そうでもない毛まで一緒にむしっていくのはやめてよ~。ハゲちゃう。
私が小鳥に毛をむしられているのを見たスーは、大きな口を開けて小鳥を威嚇し、追い返した。
スーはのんびりした性格かと思いきや、結構頼れる一面もあるみたい。
私が北の砦に遊びに行くたび、騎士のみんなは優しく声をかけてきてくれたり、頭を撫でてくれたり、一緒に遊んでくれたりする。
だから私は砦のみんなと出会えてよかったなって、改めて思うことがよくある。母上にお留守番を言い渡されたあの時、勇気を出して山を下りてきてよかった。
これからもずっと、北の砦のみんなは私にとって大切な存在だ。
――終わり――