軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

9.再会と傭兵機能

「ギギィ!」

「ギィー!」

「ギイイイ!」

現れたのは三体のゴブリンだった。

数以外はチュートリアルと同じか。

まあ、それでも数が増えただけでも、単純に三倍の脅威だ。

「あの時はパンツ一枚になったが、今回は違うぞ」

なにせ今回はちゃんと武器を装備しているからな。

完全攻略のボーナスを得るためにも、すぐに全滅させるわけには行かない。

素早く二体倒して、残りの一体を拘束し、無力化する。

その後で、じっくりフィールドを探索して、隠しアイテムを探す。

(あれ……? でも待てよ? 拘束道具、ないな……)

チュートリアルの時に検証したのだが、フィールドの植物や岩は動かすことは出来る。壁は絶対に破壊不可能だ。

その辺に生えてるツタを使えば、こいつらを拘束できるだろうか?

……いや、無理だな。ツタは細いし、すぐちぎれる。

つまりコイツらを拘束するには、俺自身の所持品を使うしかない。

装備はナイフと指輪だけ。あとは衣服。

……おいおい、まさかまたパンツ一丁にならなきゃいけないのか?

そんな風に考えていると、ゴブリンのうちの一体が、何やらしきりに首をかしげていた。

「ギギィ……?」

「ん?」

「ギィ……ギィイ! ギッギイ!」

ゴブリンはハッとした後、まるで久しぶり、とでも言うように手を振ってきたではないか。

「……お前、まさかあの時のゴブリンか?」

「ギィ♪」

俺の言葉に、ゴブリンが頷く。

まさかチュートリアルの時のゴブリンだった。

しかもあの時のこともちゃんと覚えてるっぽい。

キャラ……いや、モンスターの使い回しとか、良いのかそれで?

残りの二匹は状況が理解できてないようで首をかしげている。

「ギィー、ギギィー」

「「ギギィ?」」

「ギィギィ」

「「……! ギギィ!」」

ゴブリンは二匹のゴブリンに何やら説明し、何度か俺の方を指さしていた。

やがて二匹のゴブリンも俺の方を見て頷く。

するとピロンと頭の中に効果音が響いた。

『特殊条件を満たしました』

『目の前のゴブリン達を傭兵として雇いますか?』

『雇う場合、クリア条件が変更されます』

『傭兵 ゴブリン×3 必要金額500イェン』

なんだって?

傭兵機能ってそういうことだったのか。

おそらくは所持金を使って、このゲームのNPC、もしくはモンスターを仲間にする機能なのだろう。しかも所持金ぴったりじゃないか。

「……装備品はポイント交換で手に入るから、なんの為の金かと思っていたがこの為か」

ストーリーを進めていけば町で使ったり、ショップ機能でも解放されるまでは使い道のない金だと思っていたが、こんな使い道があるなんてな。

しかもクリア条件も変更されるなんて。

こんなの雇用するしかないだろ。

俺はイエスを選択する。

『クリア条件が変更されました』

『メインストーリー1 『襲撃からの逃走』

クリア条件 脱出ポイントに到達する

成功報酬 ポイント+20、護身用の盾、800イェン』

おお、クリア条件だけでなく成功報酬まで変更になったぞ。

確か最初の成功報酬はポイント+10、護身用の盾、500イェンだったはずだ。

貰えるポイントが倍になるとかお得すぎる。

早速フィールドマップを確認すると、脱出ポイントが表示されていた。

「ギィ!」「ギギィ!」「ギィ!」

ゴブリン達は「なにすればいいのー」という感じに俺の方を見ている。

「お前達、俺の言葉は分かるんだよな?」

「ギィ」

最初に出会ったゴブリンが代表して頷く。

俺はしゃがんでゴブリン達に指示を出す。

「じゃあ、このフィールドをくまなく捜索してくれ。そして何か変なモノやおかしな場所があったら大声で知らせてくれ」

「ギィ! ギィー、ギギー」

ゴブリンは頷くと、残りの二匹にも俺の指示を伝えたようだ。

一斉にダッシュして、茂みの奥へと入っていった。

「さて、俺も探索するか」

チュートリアルの時よりも広いが、ゴブリン達の手伝いもあるし、なんとかなるだろう。

それから数時間、俺はゴブリンと共にフィールドをくまなく捜索した。

結果、悪臭がする沼地と、マップ端の茂みで隠しアイテムを見つけた。

沼地のはあからさまにでかい目立つキノコ、茂みのは宝箱だ。

「各ステージには隠しアイテムは風景に擬態したのが一つと宝箱が一つ配置されてるのか……?」

あくまでチュートリアルとこのステージだけだからまだなんとも言えないか。

中身はそれぞれ1000イェンと、『旅人のブーツ』というアイテム。

『旅人のブーツ』は装備アイテムで、装備してみたら敏捷が2上がった。

そのまま走り回ってみたが、確かに多少は走る速度が上がった感じがした。

それと偽仙桃が五つ。

「手伝ってくれた礼だ。お前らにも分けてやるよ」

「「「ギギィー♪」」」

俺は偽仙桃を三つ、ゴブリンへ分ける。

二つも食えば腹一杯だからな。

ゴブリン達は美味しそうに桃を食べている。

「しかし、チュートリアルの時にも食ったが、これどんな効果があるんだ?」

食べた後にステータス画面で確認したが特に変化はなし。

一定数を食べないと効果が発揮されないとか?

もしくは怪我をした状態で食べると、傷が治ったり回復するとか?

……後者だった場合は、試したくはないな。

「さて、それじゃあクリアするか」

意外とあっさりとクリア出来たことに俺は安堵する。

ゴブリン達と共にゴール地点にある光の渦へ入ると、アナウンスが頭の中に響いた。

『おめでとうございます。メインストーリー1 『襲撃からの逃走』をクリアしました』

『活動実績を算出……完了』

『隠しアイテム回収率100%達成

実績『ゴブリンを倒さない』達成

実績『偽仙桃を摂取』達成

EX実績『ゴブリンに偽仙桃を食べさせる』達成

EX実績『ゴブリンをつれて脱出』達成 』

『ステージの完全クリアを達成しました。追加報酬及びEXシナリオが解放されました』

『成功報酬 ポイント+20、護身用の盾、800イェンを獲得しました』

『追加報酬 ポイント+50、スキル『指揮』を獲得しました』

『メインストーリー1EXシナリオに挑戦しますか?』

……おや? 何やら気になる項目が出現したぞ?