軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

7ーテュールとフォルセ

黄色いリボンを探しているルーとオクソール。

先ずは、湖の湖畔から探している様だ。

「ルー様、湖の周りにないと言う事はやはり湖の中に?」

『リリが一瞬でも掴んだのなら、僕はリリの気配を追える筈なんだ。それが、此処には感じられない』

「どう言う事でしょう?」

『此処は魔素濃度が濃いから気配を追い難いんだよなぁ。んー、僕はもう1度周りに飛んでいないか見てくるよ』

「では私は湖の周りをもう1周してみます」

『分かったよ。それでなかったら明日から湖を調べてみよう』

「了解です」

「えっと……魔法は……まりょくりょう……と、適性できまりゅ……」

辿々しいだろ? これが今の俺の実力だ。

俺はベッドの上で本を読んでいる。

これは、アレか。入院していた子がよく話してくれたラノベと一緒か? いや、アニメだったか?

検証してみる必要があるかもな。

あれだ……何だったか……?

そうだ、魔力をギリギリまで使って魔力量を増やすみたいな。

てか、ギリギリ迄と言っても今自分がどれ位の魔力量なのか分からんしな。そもそも人によって魔力量は違うのか? それを見てくれる人はいないのか?

「ニリュ、魔力量てどうやってわかりゅの?」

「大聖堂で見てもらえますよ」

何? 大聖堂てなんだ? あれか、世界遺産のモン・サン=ミシェル。違うか? あれは修道院だったか?

「ニリュ、大聖堂?」

「はい。街にある教会を、取り纏めている所です。大聖堂には司教様がおられます。司教様が魔力量を見て下さいます」

「じゃあ、みんな見りゅのじゃないの?」

「いえ、帝国では皆10歳になったら住んでいる街の教会で纏めて見て頂きます。その時に、魔力量を見る事が出来る司祭様が司教様に選ばれて派遣されるのです」

そうか、じゃあ兄弟で自分の魔力量を知らないのは俺だけか。

「じゅっさい……」

俺まだ3歳だよ。あと7年もあるじゃねーか。

「でも、殿下。ルー様がいらっしゃるじゃありませんか」

「るー?」

「はい。きっと精霊様は見る事が出来ますよ」

なんだと! ルーはどこに行ったんだ!?

「リリアス殿下、まだ安静にする様に言われてますよ」

「ニリュ、わかってりゅ」

くそ、ニルめ。いいとこ突っ込んでくるじゃねーか。仕方ない。まだ大人しくしておくか。

「……かりゃだの中の魔力をかんじりゅ……めを……瞑って……お腹……の下くらいにありゅ……あ? あ、あたたかいもの……」

俺は良い子だからな。大人しく本を読んでるわけだよ。

なかなか読み進められないんだよ。焦ったいな! 頑張れ3歳の俺!

身体の中の温かいものか……そんなのあるのかよ。

身体の中…………と、集中してみる。

おっ! おおっ! コレか!?

腹の下の方に何かあるな。これをどうするんだ?

「そ、そこかりゃぜんしんに……魔力をたどって……」

おう、おう。分かるぞ。身体に血管の様に張り巡らされてるな。

「お腹に……一つに……あつめて……」

ほうほう。集めるんだな。集める……いやコレどーすんだ? 集めたらスッゲーでかくなったぞ。

ん? 俺の身体ちょっと光ってね? ヤバくね?

「リリアス殿下! ダメです!」

「え? ニリュ?」

おっと、気をそらしたら、せっかく集めた温かいのが消えちまった。

「リリアス殿下。まだ指導を受けていないのに、そんなに魔力を集めてはダメです。危険です」

「ニリュ、危険?」

「はい、魔力が暴走してしまいます」

「ぼうそう?」

「はい、暴走したら命に関わりますよ。周りにも被害が出ます」

なんだと!? この本、先に危険な事を書いておけよ。取説の基本だろ。本当にあっぶねーなー!

そうしてやっとベッドから出られる様になった頃。

「リリ」

「テューにーさま、フォリュにーさま。遊びますか?」

今日はベッドの中じゃなくて、ソファに座って迎えられるぞ。

二人が小走りにソファに座りに来た。

「リリ、明日父上が来られるんだ」

「テューにーさま、とーさまがですか?」

「ああ、帰られる時に俺達も一緒に帰るんだ。俺は学園に入学する準備があるんだ」

「兄様が帰るから僕も一緒に帰るよ」

「フォリュにーさま、ボクは、まだ帰りぇないのですか?」

「ああ、リリはもう少し元気になってからだそうだ」

「テューにーさま、フォリュにーさま。いないと寂しいです」

フォルセが抱きついてきて、頭を撫でる。

「リリ、お城で待ってるからね。早く元気になって帰っておいで。上の兄様達も心配しているそうだよ」

「はい…… 」

なんだよ。ヒマ友帰っちゃうのかよ。

「イズーナ姉上とフォランも一緒に帰るんだ」

「テューにーさま、ねーさま達は1度も見てません」

そうだ、まだ1度も見舞いには来てくれていないが、イズーナとフォランは姉皇女だ。

「えっ!? そうなのか?」

居る筈だよな? 1度も顔を見てないな。俺も存在を忘れてたわ。

「はい。ボクが湖に落ちてかりゃは1度も」

「酷いね、心配じゃないのかな?」

「フォルセ、あの二人は少し浮いているからな」

おいおい。14歳でもう浮いてるとか分かるのかよ。大人だなー。

「どうしてですか?」

「きっとあれだよ。またお母上のご実家の爵位を、勝手にコンプレックスに思ってるんだよ」

「フォリュにーさま、なんですか?」

「爵位だよ。いつもそれで突っかかってくるんだ。誰もそんな事思ってないのにさ。ボクは好きじゃない」

えー、好きじゃないて言ってしまったよ。いいのか?

「フォルセ、そんな事を言ったらダメだ。リリ、俺たちには関係ない事だ。兄弟だからな。仲良くする方が良いに決まってる」

おー、テュールは大人だなー。

「はい、仲良くします」

「リリは偉いねー。可愛い!」

いや、可愛いのはフォルセだ。まるで妖精じゃねーか。妖精を見た事ないけどさ。

「テューにーさまもフォリュにーさまもボクは好きです」

「僕もリリ好きだよー!」

「ああ、俺もだ!」

「エヘヘー」

「リリは1番小さいからな。可愛いよ」

「テューにーさま! にーさまはカッコいいです!」

「ハハハ! リリ有難う!」

「えー、リリ僕はー?」

「フォリュにーさまは妖精さんみたいにかわいいです!」

「えー! 妖精はリリだよー! 有難う!」

「エヘヘ。」

両側から抱きつかれてしまったぜ。

可愛いなー、おい。

「お3人でくっつかれてないで、オヤツを如何ですか?」

「ああ、有難う」

「ニル、食べるよ!」

「ニリュ、ありがとッ!」

その頃、湖の畔にはルーとずぶ濡れのオクソールが……

「ルー様…… 」

『ああ、オクソール。分かるのか?』

「ええ、見覚えがありますから」

『まさかな…… 』

「しかし、報告しない訳には参りません」

『…… 』

「クゥックー…… 」