軽量なろうリーダー

作品タイトル不明

3ーアーサヘイム帝国

この国、アーサヘイム帝国は北に聳えるケブンカイセ山脈から流れ出る3本の大河の内2本に挟まれた東の大国。

西端はリーセ河、東端はノール河。どちらも、南端のボスコニ湾に流れ込んでいる。

ケブンカイセ山脈から流れ出る山の雪解け水や湧水が流れ出し大河となっている。

そこから引かれた農水路は、大陸に恵みをもたらしている。

大河が流れ出ているボスコニ湾には港も作られていて、山の養分がたっぷり溶け出した大河のお陰で海の幸も豊富だ。

そして大陸の北東側に、山の湧水が地下を流れ湧き出しているミーミユ湖がある。山の雪解け水も複数の小さな流れを作り川となって流れ出していて、ミーミユ湖からまた支流を作って大陸を流れている。

高い樹木に囲まれた小さな湖で、高い透明度と魔素濃度の高さが特徴だ。

濃い魔素の影響で、湖の周りには希少な薬草が生息している。

妖精や聖獣の水飲場になっている聖なる湖として昔話に出てくる事でも有名だ。

現在は皇家が直接管理している地の1つだ。妖精や聖獣なんて見た事もないが。

俺は、その湖に落ちたらしい……らしい。

此処は、その落ちた湖にほど近い皇家所有の別邸だ。

城からは、馬車でのんびり走っても朝出れば夕方には到着する静養や避暑には程よい距離だ。

山と湖や森が近いだけで、随分と過ごしやすい気温になる。

俺はそこへ兄二人、姉二人と一緒に泊まりに来ていたらしい。

このアーサヘイム帝国の皇家は、建国当時からの言い伝えがある。

必ず1人は光属性を持つ者を皇家に残す事。これは、光属性を持つ者を皇族の籍に留めるという意味で、決して次期皇帝にと言う訳ではない。これは、兄弟の1番上の兄が次期皇帝だと決まっている。

例えば、俺なら婿養子になるという選択肢はないと言う事だ。生涯、皇族の籍から出ることはない。

それに依って、光の神の加護を受け繁栄していると信じられている多種族多民族の大国だ。

別名『光の帝国』

現皇帝も光属性魔法に適性がある。そして魔力量も多い。

勿論、皇家以外でも光属性を持つ者は存在するが、皇家の光属性は何かが違うらしい。俺はまだ良く知らない。

しかし、現在の皇后から光属性を持つ子が生まれなかった。

そこで側妃を娶ったが、第1第2側妃共に光属性を持つ子は生まれなかった。

いよいよ困った皇家は、元々光属性を持つ侯爵令嬢を第3側妃に娶った。

そして生まれたのが俺、リリアス・ド・アーサヘイム。

第5皇子にしてやっと光属性をもつ子が生まれた。やっと生まれたのだ。そりゃあ、兄弟や両親も大事に可愛がってくれている。

だが、長年光属性を持つ子が生まれなかった事もあって、皇帝である父の敵は少なくない。

やっと生まれた光属性を持つ子だと言うのに、俺を疎ましく思う者がいる。

なにも皇家の光属性に限らなくても、うちの娘や息子だって光属性を持っている。

それで大丈夫じゃないか、て考える奴等らしい。

多民族国家には、紛争が付き物だ。

だから俺は生まれてから何度も命を狙われてきた。それを踏まえて専属護衛がついている。

オクソール・ベルゲン 通称オク。

湖に落ちた俺を助けてくれた男だ。

伯爵家の次男で本人は『ナイト・イン・オヴィディエンス』という上級騎士の位を叙任されている。

金髪金眼でこいつも憎らしい程のイケメンだ。

前世の長男位の歳だろうか? そしてなんと獅子の獣人で、見事な鬣の様な金髪だ。

この世界、何が驚いたかって魔法の存在も確かに驚いた。

でも、獣人の存在に何より驚いた! そして俺は喜んだ!

前世、俺は小児科医だった事もあって、多忙でペットを飼う事が出来なかった。

だが俺は好きなんだよ。大好きなんだよ、モフモフが!

一時は獣医になろうと真剣に悩んだ位だ。あの時は親父の一言で、すんなり納得して諦めたが。

しかし、獣人と言っても普段は人間と全く変わらない。本人の意思で耳や尻尾だけ等、部分的に獣化できたり全身獣化したりできるらしい。

そして獣化すると身体能力が跳ね上がるらしい。俺はまだ見た事ないけどな。

その獅子の獣人である専属護衛オクの機転で何度も命を救われた。

今回は、湖に落ちた……じゃないよな?

突き落とされた……だよな?

だって俺、湖へ落ちる寸前に掴んだんだ。

フワフワした黄色のリボンのお飾り。確かに手に持っていた。

湖の中で手を放したのか……?

救い出された時に誰かが取ったのか……?

はぁ……こんなゴタゴタした身分に生まれ変わるなんて。どーすんだ?

しかも、3歳児だぞ。なんにも抵抗できないじゃねーか。

どーするっかなぁ……